モデルとしても雑誌やファッションショー等で活動するなど、幅広く活動を展開するボカロP/UTAU-P、ミリ子。
2014年から本格的にボカロP/UTAU-Pとして活動を始めると、2017年5月に投稿した楽曲「メアリー・スーを殺さないで」がニコニコ動画で11万回以上、YouTubeで13万回弱(2020年8月時点)を記録するなど、注目を集めた。
電子音を絡めたポップな楽曲や重たいバンドサウンドを中心に据えたロックな楽曲など制作する楽曲の幅も広い。それでいてどの楽曲も基本的に人を引き付ける耳なじみの良いメロディーラインを持ち、そこにセンスが香る。
そんな音楽性で徐々に注目度を高め、現在ではTV番組のBGMやアイドルへの楽曲提供も行うなど、音楽活動においても活動の幅を広げているボカロP/UTAU-Pだ。
・メアリー・スーを殺さないで/flower(Don’t kill the Mary Sue)
2017年5月に投稿し、「音楽活動をするきっかけになった1曲であり、はじめて再生数が伸びた楽曲であり、自分らしさが一番だせた曲」だという楽曲。
ダンサブルで攻撃的なサウンドの中に、時折美しくて浮遊感溢れるサウンドが混ざるこの楽曲。その絶妙なバランスが心地よく、何度も聞きたくなる中毒性を放つ。
例によってやはりメロディーラインは心地よく、キャッチー。しかし歌われている世界観は≪もっと愛を貪欲に欲して 君を消すことにしたんだ≫≪最低な君と何処までも堕ちていくから≫と、重たくてエグみのあるもの。そんなギャップもまた中毒性につながっているといえるだろう。
・虚偽性のスペクトル/flower・重音テト
2020年8月15日に投稿されたばかりの最新楽曲「虚偽性のスペクトル」。2018年のボーマス41にて頒布された嘘つきコンピレーションアルバム「アントゥルース・ディストーション」に収録されている同楽曲の、リアレンジバージョンだ。サビのメロディーの爆発力がとにかく抜群で、特にサビ後半部分の≪午前四時半の公園で≫と歌い始める部分のメロディーは、心をぐっと楽曲の中に引き付ける。
そんなこの楽曲だが、ビリビリするようなサウンドで描かれていた原曲バージョンと比べると、こちらのバージョンには浮遊感が増しており、よりカラフルに聞こえてくる。特にベースラインは対照的で、バンドサウンド感が強くて真っ直ぐなラインを奏でる原曲バージョンとは異なり、このバージョンではシンセ的なふくよかな響きで、うねるような音を鳴らす。元々のバージョンと聴き比べてみると面白いだろう。
・【MV】ユメウツツドリーマー/鳴花ヒメ
2020年5月に公開されたこの楽曲は、「映像制作を依頼した楽曲であり、もっといろんな人に見て聴いて欲しい」という1曲。
ピコピコした現代的な電子サウンドと、ユーロビートを思わせるようなどこか懐かしみのある電子サウンドが融合し、懐かしくも新しいサウンドを展開。ボーカルにはオートチューンがかけられ、サビは勿論のことそれ以外の部分でも極めてキャッチーなラインを奏でる。そんなサウンド感やキャッチーさ、合いの手が入るような展開などから、極めてポップな楽曲だといえるだろう。
ハイクオリティな3Dとゲームのような映像、さらにアニメのオープニングのような2D映像などテイストの異なる映像をうまく絡み合わせながら構築していくMVも見応え抜群。音と映像の両方を存分に楽しめる1曲となっている。
「来年に向け、フルアルバムの制作も予定しているので是非楽しみに待っていて欲しいです」と話す彼女。フルアルバムでまとめてじっくりとその音や世界観に触れれば、より彼女の魅力が伝わることは間違いない。
そんなフルアルバムのリリースを待ちながら、Twitterなどで日々の活動を追いかけていこう。
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