パワフルさと繊細を併せ持った音色を鳴らす、北海道旭川市出身のサックスプレイヤー、米澤美玖。 

8歳よりテナーサックスを始め、11歳でビッグバンドに入りジャズを始める。「尚美ミュージックカレッジ専門学校ソロプレイヤーズコンテスト」では金賞を受賞するなど、その技術は高く評価されている。2014年からは6年連続で、代々木公園にて2日間計3万人を動員するインターネット放送局「Wmiba」の音楽イベントにも出演。

2019年には、6thアルバム「Exotic Gravity」でキングレコードよりメジャーデビューを果たす。同年リリースの5thアルバム「Dawning Blue」(Trilogicレーベル)とこの「Exotic Gravity」は雑誌JAZZ JAPANにて、「JAZZ JAPAN AWARD 2019 NEW STAR部門」で“Album of The Year”をダブル受賞する傑作となった。

現在は自らのリーダーライブで青柳誠、岡本洋ら国内のトップミュージシャンとの共演を重ねるほか、GLAYのTAKUROのソロプロジェクトのツアーや工藤静香のレコーディングなどに参加するなど、どんどんとその音が届く範囲を拡大中。

さらにSNSなどでメンバーを募ってできたバンド「Project M」もスタートしている。160名程度の応募の中から選ばれた平均年齢26歳の若き才能たちで、日本・世界で愛される名曲のジャズアレンジカバーを発信。これまでの2枚のアルバムをリリースするなど、新しい試みにも積極的だ。

2020年は自身名義の作品リリースはなかったが、その分楽曲をためることに注力。これからの展開にもさらに期待が高まるサックスプレイヤーだ。




・Wyvern / 米澤美玖  Live at Ladonna原宿 2020/2/20



 

2019年4月にリリースされたメジャーデビューアルバムにして自身6枚目のアルバム「Exotic Gravity」に収録されている楽曲「Wyvern」。 

アルバムタイトルを思わせるようなどこかエキゾチックな響きをするメロディーラインを、流麗な響きと強いパンチ力で鳴らす。穏やかなだけのジャズとは違う、強い前進力や切迫したムードがあるものの、その中でも丁寧な繊細さは失われていない。その何とも言えないバランス感覚が気持ち良い、どんどんと引き込まれていく1曲だ。

こちらはLadonna原宿にて2020年2月に行われたライブからの映像だが、楽曲自体に迫力があるので、この楽曲はライブではさらに映えることが分かるだろう。普段ロック畑の音楽しか聴かないという人でも、こういうジャズのライブなら行ってみたいと思えるのではないだろうか。




・Forget The Time/米澤美玖 




同じくLadonna原宿にて、7月に行われたライブからの楽曲「Forget The Time」の演奏模様。こちらも同じく6枚目のアルバム「Exotic Gravity」に収録されている。 

この楽曲は、ゆったりとしたテンポで奏でられるアダルトなムードの1曲。その分パワフルさと繊細さを併せ持った米澤美玖のテナーサックスの響きが身体の奥深くまで響いてきて、単純にその音色に耳を奪われるだろう。

メロディーラインの美しさも秀逸。インストゥルメンタルであることを忘れてしまうほどに美しいメロディーラインは、思わず口ずさみたくなってしまうレベルだ。そんなメロディーに耳を奪われているうちに、あっという間に7分が過ぎていく。




・THE MASTERPIECES II/ Project M TRAILER 




この2020年9月10日にリリースされたばかりのProject Mの2ndアルバム「THE MASTERPIECES II」のトレーラー映像だ。 

各ジャンルの名曲をジャズでカバーするという作品の第2弾となっており、ぐっと洒落た雰囲気になった「THRILLER」で幕を開ける。続く「接吻」ではORIGINAL LOVE特有のなんとも言えない粘り気にジャズの軽やかさを加え、新たな魅力を伝える。そして心地よいメロディーラインをしっとりと聞かせる「Overjoyed」。ウォーキングベースが心地良い「みずいろの雨」。感情豊かな「A Song For You」。原曲とは大きく異なる雰囲気の「女々しくて」。同曲の歌詞のイメージとリンクするような音を響かせる「喝采」。そしてパワフルで爆発力の高い音を放つ「ROCK AND ROLL IS DEAD」。様々な楽曲の新たな顔を引き出す、名アレンジぞろいのアルバムだといえる。



「テナーサックスが好きで、いろいろな音を出せる人になりたい」という彼女。サックスは声に近い楽器だからこそそんな風に思ったそうだ。そんな風に音への探求を重ねながら、「将来はマニアックな方向へ進みたい」とも話してくれた。 

また、ジャズ・スタンダードのように、「自分の曲も誰かに演奏してもらいたい」という思いもある。今後自身の演奏のみならず、いろいろなところで、いろいろな形で彼女の音楽を聴く機会も増えていくかもしれない。そうなる前に、まずはこれまでの作品をしっかりと聞き込んでおきたいところだ。




【HP】 

http://yonezawamiku.com/


【Twitter】

https://twitter.com/YONEZAWA_MIKU?s=20


【ライブ予定】

10月 

03横浜Dolphy 

04桐生Village

16京都Bonds Rosary

17大津ジャズフェスティバル

18高松So Nice

19大阪Mister Kelly's

20徳島GOTO'S Bar

22草津Coltrane

23名古屋Stareyes

24浜松Hermit Doiphin

29六本木Claps(Project M)


11月

04銀座SWING

14小山Fellows

15水戸GirlTalk

20渋谷JZbrat

23お茶の水NARU (Project M)

26ラドンナ原宿(Trilogic大感謝祭)


12月 

04横浜Dolphy

11原宿ラドンナ

23お茶の水NARU (Project M)