フランスはパリに拠点を置き活動中のフルート奏者、今井貴子。 

3歳でピアノを始め、10歳よりフルートを始める。その後、東京音楽大学付属高等学校を経て、桐朋学園大学音楽学部管楽器専攻卒業。2005年に渡仏。パリエコールノルマルにて第六課程を修了し、2007年より国立オルネイ・スー・ボワ音楽院において世界的フルーティストのパトリック・ガロワの元で鍛錬を積む。2011年、同音楽院最終課程を一等賞であるPrix d'Excellenceを得て修了。2009年から2011年までディジョン国立地方音楽院の最終課程に在籍、同じく一等賞を得て修了。また同時期にフランス国立音楽教育者養成学校PESM Bourgogneにて二年間の研修を経て、2011年音楽教育国家資格であるDiplome d'Etat d’Enseignement Artistiqueを取得。

現在はフランス国内のオーケストラの客演や室内楽奏者として演奏活動を行うほか、パリ近郊音楽院にて後進の指導にあたっている。

フランスでも新型コロナウイルスの感染は拡大しており、外出制限は日本よりも厳しめ。それゆえフランスの日本大使館で行った無観客コンサートでは、リハなしで当日に少し合わせるだけで演奏するということも経験した。生音が重要なクラシック、しかも単独で演奏するタイプの楽器ではないフルートの場合、SNSなどを活用した配信ライブを一人で行うのは難しい。その分コロナ禍での活動はなかなか難しいところもあったが、フランスでもようやく少しずつコンサートなどが再開。これからの活動に期待が高まっている。




・グリフィス(グリフェス): ポエム pf.筑波和音:Tsukuba,Kazune fl.今井貴子 : Imai, Takako 出典:全日本ピアノ指導者協会(ピティナ) 




アメリカの作曲家チャールズ・グリフィス作「ポエム」。 

ピアノとフルートの二重奏という編成であるにも関わらず、少しも音に寂しさがないのが印象的な演奏だ。フルートは芯があって伸びやか、空間をぎゅっとつかみ取るような存在感でメロディーを奏でている。ピアノの表現力も見事で、時に全体に彩を加えるように、時に全体を鼓舞するように音を奏で、世界観を作り出す。

普段よりクラシックを聴いている人でない場合、つまり主としてポピュラーミュージックを中心に聴いている人の場合、11分という曲尺は間違いなく長尺だ。しかし二人の演奏によって、そんな長尺の曲に対してもずっと聞き入ることができるようになっている。高いスキルがあることは勿論のこと、人を引き付ける演奏をすることができる両名であることが分かるだろう。




・ラパキヴィの花「Möwe」 




音楽家・ふくいかな子(https://rapakivi.amebaownd.com/)によるソロプロジェクト“ラパキヴィの花”の作品「Möwe」。 

全体のサウンドをふくいかな子が手掛け、映像を近藤央希(https://kondohiroki.com/)が。そしてフルートを今井貴子が担当している。 

浮遊感のある独特の音が四方八方をたゆたい、その中を今井貴子のフルートが奏でるメロディーが突き抜けていく。様々な音の絡み方、それぞれの楽器の音色の響き方がとても心地よく、いつの間にか非日常に連れていかれるような趣がある。この楽曲の力を借りればどこまで飛んでいけそう。そんな思いにさせてもらえる1曲だ。



今後どういったことをおこなってみたいか尋ねてみると「友人との多重録音などをしたり、コロナがなかったらやっていなかったことをやっていきたい。また、クラシック以外の仕事もやっていきたいです」と話してくれた。 

もちろんクラシックでの演奏も魅力的だが、それ以外での演奏もまた魅力的であることは間違いない。今後様々なシーンでその音を聞くことになる可能性も高い今井貴子というフルート奏者は、今改めて要チェックな存在だ。




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