2013年9月に結成したバンド、ノウルシ。
元々オルタナ志向の音楽を奏でていたが、徐々に現在の、儚さを感じさせる世界観の
ドリームポップ・シューゲイザー寄りのサウンドへと変化していった。
サウンドの変化と同時に、「尖っている人をターゲットにしていた」意識も、
「自分が思ったことを人に伝えにくい不器用な性格の方に共感してもらったり、寄り添うような曲を作りたい」
という意識に変化。
その浮遊感のある美しいサウンド感、頭に残るメロディーラインで、聴く人の日常に彩りを与える。
2021年7月には、2年ぶりとなる3枚目のミニアルバム『結晶標本』をリリース。
まるで標本箱のように一つ一つの曲が異なる輝きをもつ、自分たちにとっての非常に
切実な思いを詰めた作品で、過去作含め厳選した6曲が収録されている。
・ノウルシ 「水のOFF」 (Official Music Video)
2021年7月リリースのミニアルバム『結晶標本』の1曲目に収録されている楽曲。
オルタナとポストロック、そして無機質な同期エレクトロサウンドと
生っぽいバンドサウンドの組み合わせにこだわり創り上げた1曲だ。
同期サウンドはバンドとして新たな試みとなっているが、
それで滴る水の音を表現するなど、さらなる進化が感じられるのも印象的。
それでいてもちろん特有の浮遊感と余韻を残すメロディーラインは健在で、
いつまでもその世界観の中に浸っていたくなるような作品となっている。
また、ノウルシとは4作目になる重浩介監督が撮影したMVでは、
様々な感情が溢れてくる様を描き出している表現が巧みだ。
もちろん映像そのものの美しさと音とのリンクも注目ポイント。
・ノウルシ「Good-Bye My Bloody Days」 (Official Music Video)
シューゲイザーを強調した1曲で、その感覚は、最初の一音からしてこれでもかと伝わってくる。
シューゲイザーサウンドの代表的存在であるMy Bloody Valentineからもじったタイトルもまた然りだ。
自分のなかで苦しかった時期に書いたと話すこの楽曲で表現されているのは
「時間が過ぎ、先に進んでいくという意思」。
時間が経てば思い出は色褪せるし、寂しいと思うこともある。
でも逆に、時が経ったからこそ、傷がいえて、笑い飛ばせるようになることもあるもの。
もちろん傷跡は抱えながらも、そうして人は前に進んでいく。
そんな世界観もまた、美しい。
・ノウルシ「クリームソーダに沈めて」 (Official Music Video)
自身たちでも「夏っぽい曲」だと話す楽曲、『クリームソーダに沈めて』。
そんなこの楽曲は、≪あの夏に僕を置き去りにして世界は変わってしまった≫という歌い出しで始まる、
一つの物語のような構成になっている1曲だ。
覆われるようなサウンドでそんなストーリーを描くから、物語への没入感も極めて高い。
重浩介監督が手掛けるMVも、その高い没入感の一因となっていることは間違いない。
女性が見ている“アルバム”の写真のプールから実際のプールに映像が切り替わったり、
店員が持ってきた“クリームソーダ”から映像が切り替わったりと、
画面のつながりにこだわりを持っているというのが一つのポイント。
“物”と過去の思い出がリンクしている部分にノスタルジーが感じられるそんなMVも、あわせて堪能したい。
「今回のリリースとは別に、今までとはテイストの違う曲を作ってみたい」
「いつもミニアルバムだったからフルアルバムを出してみたい」という彼ら。
「今後はサブスクなどで、完成した曲から順に頻度を上げてリリースしたい」
とも話してくれたので、早くも、今後のリリース展開に期待が高まる。
「とにかくバンドを続けたい」という思いがあり、
「定期的に自主企画をやりたいし、新曲披露もしたい」と、
熱をもって活動していく彼らの今後には、要注目だ。
【Official Site】
【Twitter】
【リリース情報】
2021/07/14(水) release.
購入はこちら
https://nourushi.thebase.in/items/46851191
【ライブ情報】
2021/07/31(土) 高田馬場CLUB PHASE
チケット予約
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSf9Y7gE5xfz1KMpWqYOA6qkPg_O0E8glVfIxPMRC6yiybou-A/viewform
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