岩手県は盛岡市出身のウクレレ弾き語りシンガーソングライター、シモムラナナ。
ウクレレと言われて想像するであろう牧歌的でハワイアンな音楽。それとは一線を画す、現代的なグルーヴ感を持つ音を鳴らす。
そんなサウンドの上で奏でられるメロディーラインに、頭に残る耳なじみの良さがあるというのも特徴の一つだ。
19歳の時にウクレレを始めると、それから3年後の2019年には初のワンマンライブを開催。大成功に収めた。
2021年10月、眠れない夜に聴きたくなるような楽曲群を収録したミニアルバム『sleepless』をリリース予定。
自身は、普段のおっとりした性格や楽器がウクレレという部分で、ゆったりした雰囲気と捉われがちだが、
心のどこかに真のブレない強い部分がある。
“油断ならない”という意味も持つ“sleepless”というタイトルは、
そうした自身の特徴を表し、最初のアルバムとしてまさにうってつけ。
そんな同作のリリースに向けて、さらに注目度を高めているシンガーソングライターだ。
・so what?
ウクレレが用いられていることは間違いないが、鳴らされている音はHipHopのそれで、
アーシーなウクレレとの融合が聞ける。
スピード感豊かなアレンジも魅力的で、端的に言い表せばお洒落なムードの溢れる1曲となっている。
それはまさに新しいサウンド感で、ウクレレという楽器のイメージが覆されることは間違いない。
透明感に満ちた歌声で描かれる歌詞は、「聞き手によって様々な捉え方ができる」もの。
そんな言葉たちが生み出すリズムもまた楽曲に疾走感を与えていて、
単純に音として捉えることが出来るというのも印象的だ。
・Dream of little boy
「全世代の、夢を持っている人に聞いてほしい」と話す、
小さい時の夢に向かって芯をもって突き進んでいく様が描かれている楽曲『Dream of little boy』。
この楽曲も、ミニアルバム『sleepless』収録曲だ。
サウンドは、R&Bを彷彿とさせるようなグルーヴ感で描かれる。
しかしメロディーラインはポップ。いうなれば、ポップバラードに仕上がっている。
ウクレレの優しい音色もあって、描かれる言葉はすっと心に届いてくる。
それでいて音楽的なノリの良さもあるから、どんな層にもどこか引っかかるところがあるだろう。
まさに全世代に届きうる音だ。
実は今作は所属するハンサムレコーズの姉妹レーベル「湘南レコーズ」とのダブルネームリリース第一弾。
このMVは湘南レコーズの拠点となる「茅ヶ崎ベース」の近くの海岸でも撮影され、
オーガニックなアコースティックサウンドとクラブミュージックの融合を目指す湘南レコーズをまさに具現化した1曲。
・かぞえうた
耳に残りやすい、口ずさみやすいメロディーラインが特徴的な楽曲『かぞえうた』。
こちらもやはり、10月リリースのミニアルバム『sleepless』収録曲。
懐かしさを覚える穏やかなサウンド感とそんな耳なじみの良いメロディーラインが、
ウクレレの音色とマッチ。自身でも「ウクレレの音色が一番合う」と話す1曲だ。
そんな穏やかなサウンド感に乗せて描かれているのは、切なさの香る恋愛だ。
明るいメロディーラインなのにどこかセンチメンタルな雰囲気があるのは、
そんな歌詞のムードがメロディーラインにも乗っているからだろう。
同曲は、ライブ活動を始めた頃からあった曲であり、自身の代表曲でもある。
それを今のシモムラナナが奏でるから、ある意味彼女の成長を感じられる1曲にもなっている。
「ウクレレの弾き語りは少ないので、ウクレレで新境地を開きたい」
「ウクレレといえばシモムラナナというような存在になりたい」と話す彼女。
さらに「ゆくゆくは日本だけじゃなくて、アジアでもライブをしていきたい」と海外進出も視野に入れる。
ウクレレという楽器のイメージを良い意味で変える存在であることは間違いなく、唯一無二の存在ともいえる。
是非様々な年齢層の方に聴いていただきたいミュージシャンの一人だ。
【リリース情報】
・11/24(水)湘南bit
・12/20(月)下北沢Laguna