楽しい時間を共有していきたい
昨年、仮想現実ライブ空間SHOWROOMにてmuevoが主催したイベント「Music Evolution2!!!あなたのその想い、歌にしませんか?」にて3位を獲得したSHOWROOMERふうかさんにお話を伺った。大学に通う傍ら配信を続けていると言う彼女は、「プロになること」や「売れること」をあえて念頭に置かない自由で柵のない楽しみ方を見せてくれた。
ーー普段SHOWROOMで配信ってどんなことしてるんですか。
ふうか 実は私、もともとあんまりしゃべるのが得意じゃなくて……。どっちかっていうと絵をかいたり歌ったりした方が人に伝えられるかなっていうのがあったので、もちろんトークもするんですが、配信でも歌を歌ったりしています。
ーーじゃあ今後は音楽活動をがっつりやっていくつもりですか?
ふうか がっつりやっていうこうって気はそんなにはないんですけど、うちに使っていないギターがあるんです。弾けないのにアコギとエレキが家にあってもったいないし、「配信で練習したら?」って言われたので今少しアコギの方を配信で練習してみてます。
ーーおお、コードは弾けますか?
ふうか コードはなんとなくわかってきたんですけど、なかなか難しいですね。
それでもちょっと楽しいなって思いながら、配信中にちょっとずつ音楽してるって感じです。
ーー今はネットで活動してるけど、これからはどんな活動したいですか?ライブとか路上ライブとか?
ふうか それはまだちょっと考えてはないですね。ただ、曲を作るのはちょっと興味あって、配信始めてから友だちに「インターフェイス買った方がいいよ」っていわれて購入したらソナー(DTMソフト)のライセンスが入っていたので、それを登録して頑張って作ろうかなって思ってます。コード理論とか全然わからないけど、これをいいチャンスだとおもって「機械難しいな~」って思いながら頑張ってます。作曲はわからないことだらけなんですが、昔から思いついたことをノートに書くということを習慣的にしてたので、作詞をするのは慣れているっていうのもあって好きです。
ーーでは基本的にSHOWROOMの配信を続けるっていう方針なんですね。そもそもSHOWROOMを始めたのはいつですか?
ふうか 去年の8月に、夏休みに入ったのと同時に始めました。ちょうどオフィシャルで配信している友人のSHOWROOMをみていて楽しそうだなって思ったのがきっかけですね。最初はただ話すだけでした。SHOWROOMっては配信初心者には「初めての人です」って言うのが視聴者にわかるように表示されるから、思ったより人がたくさん来てびっくりしました。モニター越しだと対面して話すのと違うので話しやすかったです。最近は配信者の友だちができて仲良くなって、アニメとかボカロが好きなので、その子と一緒にこれ歌おうってひっぱってきて、定期的にコラボしています。夏頃は時間に余裕があったので結構な頻度で配信できたんですが、今は学校もあるので週に2、3回程度ですね。
ーーSHOWROOMをやる前と後で変わったことってありますか。
ふうか 一番変わったのは人と話すことが前よりもうまくなったような気がします。配信だとコメントがない時はずっと一人で喋り続けていなきゃならないですしね。それにいつもラジオ配信しているんですが、声を褒めていただけることがすごく増えて「声優にならないの?」って言ってもらえたことでそういう世界にも少し興味が湧くようになりました。とは言え、なかなか挑戦する決意は持てないんですが(笑)
もう一つは、SHOWROOMを通して友だちができました。同じく大学生の配信者の方と仲良くなってネットでデュエットしながら配信してみたり、いろんなお話してみたりとか、そんな中でどんどん関係が広がっていくのがすごく楽しいです。
ーーそれは楽しそうですね。今後の夢ってありますか。
ふうか 私、演技の世界を目指してたことがあって、お芝居のお稽古をやっていたんですが、一度諦めたんですよ。でも、例えばプロになれなくてもいいけど、何かしら表現することを人生のなかで続けて行って、少しでもそういう時間を作りたいなって思っていますね。演技とは限らないですけど、歌とか絵とか、卒業したら地元の小さい劇団に入ってみたいなって。
ーーへえ、演劇をはじめたきっかけはなんですか。
ふうか きっかけは……普段あんまり自分のことを表に出さない分、自分自身そのものを表現するより、他人を演じる方が楽しいなって思いがあったのかもしれないですね。
ーーそのキャラクターになりきりたいってことですね。
ふうか そうですね。私は男兄弟の末っ子で、昔からお人形ごっこでいろんな役をやるのが楽しかったっていうのが根底にありますね。
ーー演劇を始めたのはいつ頃ですか?
ふうか 大学入ってからですね。母からは、そういうことやりたいなら自分でお金を貯めて大学生のうちだけ好きにしていいよって言われてて、それでお金貯めて19歳の時、2年生になる前の春休みからはじめました。今は稽古を辞めちゃったんですけど。
ーーやめちゃったんですね。演技以外に好きなことありますか。
ふうか 絵を書くのが好きです。今もアイコンを自分の絵にしていて、他の作品も定期的にネットにあげています。
ーーなるほど、絵はどうやって描いてるんですか?
ふうか 絵はスマホで書いてて、最近ペンタブを購入したんですけど使いこなせてないですね(笑)ちょっとシュールな絵が好きで、ちゃんとした人型よりも変な絵が多いです。最初の頃は配信の中でも絵のリクエストをもらって書いていたりしていました。落書きが趣味なので。
ーー音楽を聴くのもやはり好きですか。
ふうか 好きですね。兄はミスチルが好きだったのでよく聴いたり、最近だとUNISON SQUEAR GARDENとか、男性バンドも聴きます。あとは特に黒木渚さんがすごく好きです。私の周りでなかなか趣味の合う子が居なくて黒木渚さんの話をできる人がすごく少なかったんです。
ーー学校は女子大だとお伺いしましたが、まわりのみなさんはバンドというよりポップス好きが多いんですかね。
ふうか そうですね、私は全然聴かないので話についていけてなくて、話を合わせるために頑張って最近の流行りの音楽も聴いてます(笑)
ーー学校の方々はSHOWROOMの配信をしていることは知ってるんですか?
ふうか 誰にも言ってないですね、一人だけ知ってるくれている友だちがいるんですが、本当にその子以外は恥ずかしくて言えてないです。顔出ししてないのに、声で結構バレちゃうことが多いじゃないですか。なのでリスナーさんに偶然知り合いが居たらどうしようってドキドキしますね(笑)
ーーふうかさんのファン層ってどんな方が多いんですか?
ふうか 大人の人が多いですね、私より年齢の高い方々が多いです。たまに同じく大学生ですって方にもお会いします。
ーーそうなんですね、幅広そうですね。では、なにかファンの方に伝えていきたいことありますか。
ふうか 配信始めてからリスナーさんに励ましてもらったり元気をもらったりすることが多いので、これからも感謝の気持ちを伝えていきたいですね。あとはこれからも一緒に楽しい時間を共有していきたいです。もっと楽しい配信ができるようになって、リスナーさんにも楽しんでもらえるようになることが一番の目標ですね。
活動の中でも顔を公表していないという彼女だが、彼女の独特の「声」がより一層彼女の魅力を引き立たせる。彼女の声にはどことなく時間を忘れてしまうような、吸い込まれるような引力を感じる。SHOWROOMというネット上での活動の中で「プロ」や「一流」という目標を公言していなくてもリスナーとのコミュニケーションそのものを楽しんでいる姿が伺えた。「ネットでの活動にはたくさんのチャンスがあると思います」と語るふうかさんは、人を癒やすその声とキャラクターで着実に自らの目指すゴールへと進んでいるだろう。ぜひ、あなたも声に癒されてみてほしい。