エモーショナルな楽曲とSeshiroXの歌唱力で人気を集めるバンド、SILHOUETTE FROM THE SKYLIT。

メンバーチェンジを行って新体制となって以来初のリリースとなるシングルは、その名も『いいからテーピングだ。』。



初となる日本語タイトルを取り入れた今作の表題曲は、分厚いギターが掻き鳴らすリフが印象的。それを支えるドラムとベースは勿論のこと、シンセサイザーがその厚みをさらに増し、うねるような力強いサウンドを創り出す。

〈いいからテーピングだ〉とは、某有名マンガの登場人物のセリフでネット上ではネタ扱いされがちなセリフの一つである(勿論、某マンガでは胸を打たれる場面なんだけれども…)。傷を負ってもなお立ち上がり、立ち向かおうとするその姿を体現するかのような楽曲は、ただただ格好良いと思える。

〈ごたくはいいからテーピングだ!〉と叫ぶように歌うSeshiroXの真っ直ぐな声も、この曲の迫力をますます加速させる。


SILHOUETTEの何が凄いって、リリースするたびに表題曲以外にもキラーチューンと言えるようなキャッチーな楽曲を取り揃えていることだと思う。

2曲目に収録された「Beyond Six Degrees」は、心地よい疾走感を持つ曲。ピコピコと動くイントロと、跳ね回るベースラインが心地良い。

当然、SeshiroXの歌だって負けていない。〈We’re blind and deaf.But we can take our hands.〉と祈るように歌うその声は、どこまでも伸びていくかのようで、終始気持ちいい楽曲である。


そして、今作のラストを飾る「モーゼの海割れを防ぎたい君に贈るたった3つの解」は、歪んだギターも重たいドラムも、歌詞もめちゃくちゃ格好いい(特に2番の〈万事受容の覚悟を神に誓約せよ〉という詞に痺れる)。

けれど、この曲は、実は身近な"あるもの"を巡る仁義なき戦いを歌っている。一度聴いたら、この先"それ"を目にする度にこの曲を思い浮かべてしまうだろう。

三者三様のキラーチューンを取り揃えた『いいからテーピングだ。』。

《ごたくはいいから》、とにかく聴いてみていただきたい。どの楽曲もライブ映えすること間違いない。そして、何よりあなたの琴線に触れること間違い無しだ。

(文・小島沙耶)


【プロフィール】

SILHOUETTE FROM THE SKYLIT SeshiroX (Vo)、Kiyo(Gt)、廣田哲朗(Ba, Cho)、K.O.U(Dr)。

福岡発、渋谷を拠点に活動するエモーショナル・ロック・バンド。 2011年、1st EP『The Great and Desperate』、2012年、1stアルバム『Arche』をリリース。2013年、Red Bull 主催バンドコンテスト“Red Bull Live On The Road 2013”にて優勝。2014年、2nd EP『THE WORLD WILL NEVER SAVE YOU』、2ndアルバム『The Reflections』、1stシングル「Blue Echo / Closer」を立て続けにリリース。3作品共に、インディーズオリコンウィークリーチャートへのランクインの快挙を達成。KNOTFEST JAPAN 2014のオープニング アクトとして、幕張メッセのステージにて、海外の名立たるアーティストとの共演を果たし、2015年には「NipponCon」(ドイツ)への出演も果たす。

2016年に自身の集大成となる3rdアルバム『Heracles』をリリースし、オリコンインディーズチャート6位、オリコンチャート14位を記録。同年5月に行われた同アルバムのリリースツアーファイナルではTSUTAYA O-WESTをソールドアウト。

8月には初の台湾の大型ロックフェス「No Fear Festival」に出演しSPYAIRらと共演。初の台湾公演にもかかわらず現地のファンが物販に長蛇の列を作るほど認知が広がっている。また、サンリ オ無料音ゲーアプリ「SHOW BY ROCK!!」(190万ダウンロード)のキャラクター(デモンズベノム)へ楽曲提供しており、2015年のSHOW BY ROCK!! テレビアニメ放映、2016年テレビアニメ二期放映により、音楽業界・ゲーム界のみならず、各界からの注目が高まっており、さらには2017年より新メンバーKiyoをギターに迎え、自主企画「SILHOUETTE FEST(通称:汁フェス)」をソールドアウトするなどさらなる精力的な活動を見せている。


【オフィシャルホームページ】http://silhouettefromtheskylit.com/home/