北海道出身の4人組ギターロックバンド・プルモライト。 瞬く攻撃的なロックサウンド×哀愁のフィーメイルヴォイスを武器としている。 2011年に音楽専門学校の同級生を中心に結成し、同年、ヤマハが主催する日本最大規模の音楽コンテスト&音楽オーディション「Music Revolution」にて北海道予選・札幌市Linkʼ s大会でグランプリを獲得。 2012年には「Music Revolution」北海道大会オーディエンス賞を獲得、2013年には島村楽器コンテスト「HOTLINE」でも北海道ファイナル出場を果たすなど、多くの大会で実績を積んできた実力派だ。
昨年10月にリリースした2nd miniアルバム『リインカーネーション』収録の「8回目のマニフェスト」のMVはYouTubeで100万回近く再生され、大注目されている。 そんな彼女たちの魅力に音楽的観点から迫ってみた。
8回目のマニフェスト MV
導入は複音と単音を織り混ぜたギターリフから。シングルコイルらしい切れ味の良いサウンドだ。これにバスドラム、ベースと他パートが絡んでいく。さり気無く鳴らされるシンセのようなサウンドも良いスパイスとなっている。
Aメロではベースがスタッカートで演奏し、バスドラムとユニゾンしていく。リズム隊のグルーブが感じられ、ここで体を揺らすオーディエンスが目に浮かぶ。
Bメロでキメを設け緩急を付けたところで、サビへとなだれ込む。コードはダイアトニック上で"456"と上昇していく、サビの定番進行だ。 ここでイントロがサビの進行を引用していたことに気が付く。歯切れの良いベースのオクターブ奏法が一層体を揺らす。リードギターは耳に付き過ぎないバランスの良いフレーズで楽曲を彩る。
<人生はゲームだ!><死にたい死にたいでも...生きたい>という大胆な歌詞はどうしたって印象に残るだろう。2サビでこのくだりが逆転するのも面白い。疾走感と個性が溢れるギターロックチューンだ。彼らの代名詞といえよう。
間もなくフィクション MV
こちらはギターとベースのリフが一層前面に出たロックナンバー。 音使いは異なるものの、リズム面でユニゾンしているのが面白い。
<アクション リアクション フィクション>と、サビでは韻を踏んだ歌詞が繰り返され、耳に残る。コード進行は"4536"と称される王道的な進行が使われ、ベースはここでもオクターブ奏法。リフではフロアタムを、サビではハイハットを軽快に捌くドラミングが気持ち良い。バンドのアンサンブルを堪能できる一曲となっている。
ぼくのスペクタクル MV
更なる疾走感と哀愁感を打ち出したロックナンバー。
4つ打ちのバスドラムと、ボーカルから同時に曲がスタートする。自然と手拍子が巻き起こりそうだ。ギターリフはインターバルが大きく、これがトリッキーさを演出している。 このリフの裏では各パート激しく主張しているが、何処か散漫にはならず、アンサンブルが生まれている。全体的にコードの数は少なめで、2番Aメロでフランジャーを掛ける等して変化をつけている。ベースラインが細かく変わるのも印象的だ。
2サビ後に左右のチャンネルでうねるギターに耳を奪われ、ガツンとサビへ導入される。 ラストサビで<めぐりめぐっていく>とリフレインされる歌詞が聞き手の脳裏に刻まれていく。激しさと哀愁を強く感じさせる楽曲だ。
なんといってもハスキーで抜けのいい、ロックにぴったりの声を持つボーカリストが素晴らしい。このバンドに適任では無いだろうか。
楽器隊それぞれから「カッコいいことをしてやろう」という主張、遊び心を感じるが、それが散漫にならず上手く調和している。
音源リリースは現在2枚だが、これから更に台頭してくるバンドなのは間違いない。今のうちに是非チェックを!
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