アニメやマンガの世界を表す2次元と、現実を表す3次元。その狭間に生きる一輪の真紅の薔薇。

逢瀬アキラはシンガーソングライター兼2.5次元ロックアーティストだ。 

昔から好きだったというアニメやマンガを通して音楽の魅力に触れたことをきっかけに、音楽の道へ進むことを決めた彼女。 

『奇異太郎少年の妖怪絵日記』のエンディングテーマに起用されたことで、当初から夢だったアニソンシンガーとしてのデビューも果たし、その後数々の作品のタイアップも務めている。 ライブやイベントの出演にも力を入れており、徳島で行われているエンタメイベント”マチ★アソビ 2016”をはじめ国内のアニメにまつわるイベントに多数出演するだけでなく、ドイツで開催された”Nippon Con 2016”、オーストリアで開催された”Ani Nite”に出演するなど海外での活躍も目まぐるしい。

海外でのステージでは2500人以上を動員するなど、自身の活動を飛躍させると共に、日本のアニメ文化を世界中に発信している。 

アニメ・音楽の両文化を掛け合わせて世界へ挑む彼女は、自身を“アキラ帝国赤い彗星軍の女帝”と表現する斬新かつ強烈なキャラクターで、各イベントを赤いライトで染め上げてきた。

そんな女帝・逢瀬アキラのその魅惑的な音楽について迫ろうと思う。


 ●BIND



2014年に両A面シングルをリリースし、デビューを飾った逢瀬。そのシングルより現在公式に公開されている唯一のMV「BIND」を。 

ゴリゴリのロックチューンの合間にやってくるギターアルペジオのみ浮き上がる歌い出しやサビ前の無になる一瞬など、緩急をつけて展開されてゆく。 

官能的なフレーズは、傷つくほど綺麗に彩られていくかのような罪深き美の世界を見せている。

歌詞が細い指と化して、心をゆっくりと撫でて、愛に満ちた闇に誘っていくようだ。 

その歌詞を紡ぐ逢瀬のボーカルは、同じくアニソンでの活躍も華々しい力強さを持ちつつ、どこか儚げな弱さやしおらしさが垣間見えるところに、身も心もまるごと支配されてしまう。

また、声優のようにさまざまな表情をフレーズごとに見せるところも魅力的で、彼女の培ってきたものやパーソナルな部分が反映されているのではないだろうか。


 ●ORANGE 



続いてはライブ映像より「ORANGE」を。

〈私の大切な人はもういないんですけど〉というMCから始まり、会場から空高く届けたいと歌いだすこの曲は、MCのハスキーボイスとは打って変わって、エフェクトをかけたハイトーンボイスから始まる。 

憂いを含んだ切ないボーカルが大切な人をいとおしく思いながら歌い上げる姿に涙を誘われる。 ハイテンポの楽曲のイメージが強い中、こういったミドルテンポでしっとりとした楽曲にも強いところが逢瀬の限りない実力が伺えるだろう。 

曲終わりには、冒頭のハイトーンボイスをエフェクトなしに歌い上げ、まるで心から叫んでいるように強く心に響く。 

激しいロックサウンドだけでなく、誰かを強く想う女の子としての逢瀬アキラが聴ける一曲となっている。 


●GALE 



続いてもライブ映像より。

待ってました!これぞ、逢瀬アキラ!といっても過言ではない圧倒的女帝ワールド全開の楽曲だ。 

ヘヴィーなロックチューンに甘くひっかかるような色香をまとう逢瀬のボーカルは、甘くてとろけるのに、情熱をはらんでいる。胸を射抜くようなバンドアンサンブルの勢いに乗るように、彼女のボーカルはどこまでも果てしなく飛んでいくように響く。 

赤い彗星軍の女帝な彼女はそのまま現実に君臨し、見事赤い彗星軍であるファン一同を魅了しており、ロックと愛に満ちた赤い世界を作り上げている。 

この映像を見ると、思わずペンライトを高く掲げて振りたいと思ってしまう。 また、「GALE」はインターネットラジオの人気番組「ほめられてのびるらじお」のOP主題歌であり、パーソナリティを務める風音に提供した楽曲でもある。番組では風音が歌っているため、逢瀬アキラバージョンはライブでしか聴くことができないそうだ。 


アニメとロックへの愛、そして確固たるキャラクターに、生き様と魂を宿した音楽たち。 これからも逢瀬は音楽を通して、彼女ならではの女帝ワールドを炸裂し、日本のアニメやゲームを世界へ発信し続けるだろう。 今後はライブ出演のみならず、映画出演も決定している。 世界へ活躍の場を広げていく逢瀬アキラに、大注目である。


【Twitter】@ouse_akira