役者×アイドルというハイブリットの道を生きる岡ちひろ。通称「おかち」。
二つの顔を持つ彼女は表現者としてアクティブに活動している。 役者としては舞台を中心にさまざまな公演に出演。昨年度行われた舞台『その錆びた冷たい鉄』では主演を務めていた。
現在は、劇団ぱすてるからっとに演出助手として参加。演者のみならず、舞台を作り上げる制作側にも携わるなど、演技という表現に対して精力的に取り組んでいる。
一方、アイドルとしての活動も負けてはいない。
青年漫画雑誌「漫画アクション」が主催するミスアクション2016では人生初のミスコンへの挑戦にも関わらず、ファイナリストに選出されるという功績を残し、現在はオリジナルを多数制作し、ライブ活動に励んでいる。
昨年2017年には、自身初のワンマンライブを開催、そして先月2月には二回目となるワンマンライブを完遂させた。
オリジナル曲も徐々に増えつつあり、作詞や振付も自身で行うという。 そして岡の魅力といえば、持ち前の輝かしい笑顔と丁寧に紡がれる清らかな歌声だ。
今回、muevoではアイドルとしての岡ちひろに注目したい。 様々な分野を通してパフォーマーとして活躍する岡ちひろが、今まで得たものをどうアイドルへ活かしているのか?
彼女の音楽性とは? オリジナルソングを用いて、彼女のアイドル歌手としての姿をお届けしたいと思う。
●岡ちひろライブ@渋谷Glad
こちらは昨年10月に行われたライブより。
この映像で披露されている3曲はすべて岡のオリジナル曲で、初めてのワンマンの為に作った曲だという。
リズミカルで晴れやかなメロディに、軽やかなステップをこなしながら明るく歌う「パステルイエロー」は岡ちひろのイメージにピッタリな爽快アイドルソングだ。 しかし、続く2曲目の「空白」ではアグレッシブなヘヴィーなサウンドに激しい振付、そして一見想像つかないアルトな歌声に岡の”ただのアイドルじゃない”感を強く知ることとなる。愛と虚無感を振り払うように激しく歌う様はアイドルとしては異例なほどの色気を醸し出している。
そのあとに挟むMCでは、再び明るくハキハキとしたキュートな姿を見せているのにも驚きだ。
爽やかなアイドルらしい姿も、激情的な姿もそれぞれ本気度MAX。演者として見せ方や表現の探求にいつも密接して生きているからこそ、どんな姿にもなれるのだろう。 3曲目、自身を歌ったプロフィールソング「君と人生共同体」でも歌っている通り、彼女は七変化していくのだ。
「洋菓子和菓子私おかち!」というお決まりの自己紹介フレーズをきっかけにおかちコールを盛り込んだアイドルソングで、しっかりとアイドルを見せる。
●岡ちひろ/新曲(ワンマンライブ映像)
今年2月に行われたワンマンライブの映像より、まだ名のない新曲を。 アイドルという枠を越えた力強いパフォーマンスと煽り方にはロックミュージシャンのような熱い魂が宿っている。
「アイドルはハッピーな曲を」という概念なんて叩き壊すように、悲痛な想いや拭えない不の感情を隠すことなく叫ぶ。アイドルの新しい道を切り開くことができる存在となり得るのではないだろうか。
胸に抱く感情を、目に見える形で放出する。演技から学んだ力を最大限に活かして、音楽へ反映させていく彼女の音楽スタイルは実に新しいものとなっている。
役者として学んだ感情の表現を用いて、ありのままの自分を音楽へぶつける新しいアイドルの姿を追求する岡ちひろ。
爽快ハッピーなアイドルソングから、胸に秘めた負の思考や虚無感を包み隠さず見せるリアリティある音楽まで、そのマルチな才能を活かした幅広い音楽性。
これからも彼女の飛躍はとどまらない。
6月17日には、岡ちひろ活動3周年を記念してワンマンライブを開催するとのこと。
定員50名というレアイベントとなっているが、ぜひともチェックしてみてほしい。
【Twitter】@0222okachi