北海道出身のPARADE PARADE。大松沢ショージ(Vo&Key)、松本晃貴(Gt)、三浦光義(Ba)のスリーピースバンドだ。 2012年.北の国・北海道は札幌にて、大松沢と松本が中心となり活動を開始。
1年後には自身初のワンマンライブを開催。同年8月には蝦夷地で開催される大型夏フェスイベント「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2013」の新人枠RISING★STARに出演。耳の早い音楽メディアの人間から注目を浴びる。
その後も彼らの飛躍はとどまらない。翌年2014にはヤマハ主催コンテスト「The 7th Music Revolution」にてグランプリを獲得。
大阪のFM802が主催する「MINAMI WHEEL」に2年連続出演、名古屋のZIP-FMが主催する「SAKAE SPRING」 出演など、大型サーキットイベントへの出演を続々と果たす。 全国区の活動を見据えて拠点を東京へと移行するために上京。
ライブハウス限定、北海道限定と、数量や場所を限定して自身のミニアルバムをリリースしてきた彼らだが、ここで初の全国流通版『Squall』をリリースすることとなる。
それに伴い、全国30カ所を巡るツアーも敢行。着実に全国にその名を広めつつあるのだ。
80年代、90年代を中心とした日本のニューミュージックにブラックコンテンポラリーなどのソウル、またはR&Bを掛け合わせた懐かしくも新しい独自のスタイルを貫く彼らから待望のニューリリースの情報が届いた。
昨年3月にシングル『Stella』をリリース以降、一年の時を経た彼らが、満を持して4枚目のミニアルバム『Dawn In Blue』を6月27日にリリースすることとなった。
この作品で、彼らは“PARADE PARADE”という存在を確立させることとなる。
収録楽曲3曲のMVと共に、今作で見せるPARADE PARADEと彼らの音楽の魅力についてお届けしたい。
●PARADE PARADE/Get Out Tonight【MV】公式
アルバムのトップナンバーを飾る「Get Out Tonight」は、はじまりに相応しく爽快なキラーチューン。
ニューミュージックから影響を受けたような、甘酸っぱくて鮮やかなメロディ。甘く伸びてはさらりと舞う大松沢のボーカルは、とても味わい深い。
Aメロ→Bメロ→サビを繰り返し、Cメロ→ラストサビというジャパニーズポップミュージックのド定番を外さず押さえているからこそ、聴き馴染みも良く、耳と頭に残りやすいキャッチーな印象だ。
正統派シティポップと言えようか。煌びやかなおしゃれ感や余計な小細工といった個性の色づけよりも、ストレートさに重心を置き、余計なものを削ぎ落としたシンプルさが彼らの特徴である。
これが今のティーンエイジャーにはある種新鮮に聴こえ、とびきり爽やかな印象を受けるだろう。逆に、大人世代には懐かしく、心地よく聴きやすいのではないだろうか。 聴く人の年齢層を選ばないところもPARADE PARADEの強みだ。
●PARADE PARADE/Sugarless【MV】公式
ブラックコンテンポラリー感のあるムーディーなグルーヴに、ほど良いビート感が愛に満ちた夜を連想させる。
甘いカッティングギターは胸のドキドキを奏でるように刻まれ、理屈じゃないときめきや愛を撫でるようにうねるベースライン、愛を急かすように軽やかな音を細かく刻んでいくドラムシーケンス。
なめらかに転調していくにつれて、夜の闇に溶けていくようにこの曲へ夢中になっていく。
そんな深い夜へ誘うようなギターソロが、これまたとびきりスイートで心地よい。
終わり間際のファルセットや、フェードアウトで終わり余韻を残すところに90年代を強く感じるが、これぞPARADE PARADEらしい。
ボーカルや展開は極力シンプルかつわかりやすい作りに。そしてブラックコンテンポラリーをはじめソウルやダンスミュージックの身体を揺らしたくなるようなリズムや艶やかなサウンドメイクをエッセンスとして加えることで、2018年に古き良き音楽を昇華させ、“新しい音楽”として繰り出している。
これはPARADE PARADEらしさの追求でもあり、彼らの挑戦なのだ。
●PARADE PARADE/みつめていたい【MV】公式
ここまで3曲が続き、PARADE PARADEの楽曲への一貫性が見えてきただろうか。
おそらくあなたが感じたもので間違いない。このゆったりとしたテンポ感や甘くて滑らかな音たちが彼ららしさであり、一度曲を聴けばわかってしまうほど。 この統一感も、今作では最初から最後まで見事成し遂げている。
R&B色が強く、スローテンポに美しく揺れるメロディがとてもおしゃれで、メロウな空気が漂っている。
また、歌詞がしっかりと聴きとれるのがなお良い。
隠し事のような秘めた恋というストーリーを、切なく優しい大松沢の歌声が描いていく。
マイルドな音像の中で見えるものは、まるで夢物語のような、淡くて美しい情景。
雨が落ちる音を合図に、夢にトリップしてしまいそうなほどのめり込んでしまう。
ちょっと状況はこじれているけれど、純愛ラブストーリーそのものだ。
秘密の恋をせつなく、艶やかに描くこの楽曲は、音像含めてハッピーソングのイメージが強い彼らの中では一味違うアプローチで挑んだ結果ではないだろうか。
こういった彼らのアプローチの差というのも、楽曲を聴いていくうえでの楽しみだ。
今作は統一性の中に違いが散りばめられている。例えば、ラストナンバーである「INNOCENT BLUE」ではよりR&Bとポップミュージックを深く掛け合わせ、爽やかなボーカルラインと深みあるメロディラインのコラボレーションが面白い。
一見シティポップと言えば同じ括りをしてしまいがちだが、今作ではその違いをしっかりと感じることができるので、何度も聴いてはじっくり探っていくのも良いだろう。
どこか懐かしく鮮やかな世界を描き続けるPARADE PARADE。
彼らはまだ、全国へ足を踏み出したばかり。これからがとても楽しみな存在だ。
バンドのエンジンを更に加速させるだろうミニアルバム『Dawn In Blue』は、もうすぐ発売。それに伴いリリース記念のワンマン公演「PARADE PARADE oneman live 『DAWN IN BLUE』 in Tokyo」を開催予定だ。
自分たちの音楽の確立、それを全国へアピールする重要な作品に違いない。 ぜひ、彼らの雄姿をライブで見てほしい。
そして、このアルバムで彼らの挑戦を楽しんでほしい。
【ライブ情報 】
PARADE PARADE oneman live 『DAWN IN BLUE』 in Tokyo
日時:2018年6月29日(金)
19:00開場/19:30開演
会場:代官山LOOP(渋谷区鉢山町13-12 B1)
http://www.live-loop.com/access_daikanyama.html
料金:前売1,500円(+1drink) / 当日2,000円(+1drink)
【リリース情報】
『Dawn In Blue 』2018.06.27 release
YMHS-0001 ¥1,900(tax in)
M-1 : Get Out Tonight
M-2 : Sugarless
M-3 : みつめていたい
M-4 : overagain
M-5 : 果てる迄
M-6 : INNOCENT BLUE
【Twitter】https://twitter.com/PARADE2official