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挫・人間 ━━ 溢れ出る言葉が止まらない!愛と皮肉をこめたシティポップ

挫・人間 ━━ 溢れ出る言葉が止まらない!愛と皮肉をこめたシティポップ

muevo編集部にリクエストが寄せられた「気になるアーティスト」を紹介するmuevo pick up。今回は熊本県出身のロックバンド、挫・人間の登場です。



2008年、下川リヲ(Vo&Gt)を中心に結成。過去にGalileo Galileiを輩出したラジオ番組「SCHOOL OF LOCK!」主催の10代限定音楽ロックフェス・閃光ライオット(現・未確認フェスティバル)の第二回決勝大会に進出し、同大会のキャンペーンガール・夏未エレナの選出する「夏未エレナ賞」受賞。挫・人間の名前はインディーファンから注目を集めることとなった。翌年2010年に、下川と当時のメンバーが高校卒業を機に上京。都内で活動を始めた。たび重なるメンバーの加入と脱退により、オリジナルメンバーは下川一人となったが、状況時にアベマコト(Ba)が、ファーストアルバム『苺苺苺苺苺』リリース時より夏目創太(Gt)が。加入し、現在はこの3人で活動を続けている。その後、彼らは活動を飛躍させる。

 

NHK Eテレのテレビドラマ「念力家族」のテーマソングとして起用された「念力が欲しい!!!~念力家族のテーマ」を収録したセカンドアルバム『テレポート・ミュージック』、ファーストミニアルバム『非現実派宣言』、昨年にはサードアルバム『もょもと』など、作品をリリースした際にはインストアライブ、全国ツアー、ワンマンライブを敢行。多い時では全国13カ所を巡る大規模なものとなった。 


ドラム不在の現メンバーだが、今日に至るまで、爆弾ジョニーのタイチサンダーや、元ドレスコーズの菅大智をはじめ、ベストドラマーをサポートに迎え、活動を継続してきた。自身の活動の飛躍はもちろん、多彩なアーティストとの共演も目まぐるしい。自主企画では大槻ケンヂと共演し、バックバンドとして筋肉少女帯の楽曲を演奏。音楽×映像の祭典・MOOSIC LAB2014にて、「おばけ」にて坂本悠花里監督とコラボレーション。当作品でミュージシャン賞を受賞するという快挙まで。セクシー女優・南梨央奈や、risette、you & me togetherなどバンドのボーカルやゲーム音楽への歌唱提供も多数行っているボーカリスト・常盤ゆうなど、豪華ゲストを迎え配信限定シングルをリリースしたり、愛媛発アイドルユニット・めキュンフルーツ缶に楽曲提供を行ったりと、様々なコラボレーションを果たしている。中でも、フロントマン・下川の多彩な活動にも注目されており、ロックバンド・OKAMOTO’Sのアルバム『欲望』に口琴で参加、CM歌唱や月刊文芸誌『群像』にエッセイを寄稿するなど、マルチな才能を広げつつある。


「うまく折り合えない自身の姿と、折り合わせてくれない社会へのルサンチマンを歌い続けてきた。」そう語る彼らの音楽は、皮肉に満ちた泥臭いシティポップだが、潔く気持ちが良い。言葉に宿る魂はそのままに、楽曲には変化を重ね、よりキャッチーに、よりポップに昇華してきた。そんな挫・人間の音楽を3曲ピックアップし、彼らの変わらぬ思考と進化していくバンドスタイルを追ってみようと思う。



●挫・人間「セルアウト禅問答」


まずは、彼らのタイアップ曲が収録されたセカンドアルバム『テレポート・ミュージック』より、リード曲「セルアウト禅問答」をご紹介しよう。

昔から知るファンにはまさに挫・人間らしい一曲であり、彼らのベースとなるものがこの楽曲でしっかりと理解できる。まず、早口で進むボーカルが、挫・人間といえば欠かせないポイント。まるで下川から言いたい言葉が溢れ出るかのようにつらつらと並べられていく歌詞には、心の内側にある野心や願望を余すことなくさらけ出している。この素直さ、意地の悪さの両方が活きている歌詞には「俺の歌を聴け!」と勢いよく迫るかのような、強いインパクトがある。メッセージ性というよりも、ファンキーな叫びに近い。下川という人間のロック魂が宿る言葉は、挫・人間の音楽にとって重要な存在だ。

また、これをゴリゴリとしたロックミュージックで押し切るのではないところがまた面白い。まさに、エレクトロポップとロックンロールのコンビネーションプレー。おしゃれなリズムやサウンドがベースだが、時折ヘヴィーなロックサウンドが垣間見えて、一向におしゃれにまとまらない。しかし、キャッチーなサウンドで耳に残りやすい。いい塩梅に練られているのだろう。音像、歌詞、そして挫・人間そのものに漂う“おしゃれにまとまらない気持ち悪さ”が、最大のチャームポイントなのだ。



●挫・人間「ゲームボーイズメモリー」



ミニアルバム『非現実派宣言』より、子供と大人を照らし合わせた面白みある一曲。きれいな音と、歪んでいくサイケデリズムが共生し、独特な世界を生み出している。ボーカル・下川のハイトーンキーが相まって、耳や脳にこびりつくように音楽が離れなくなる。どことない気持ち悪さと認めざるを得ないハイセンス、繰り返して聴いてしまうほどの魅力だ。サビがとびきりキャッチーなところが、いい意味で裏切られるのも良い。

また、このバンドにおいて、下川の絶対的ボーカルが欠かせない。不安定な声はぐらぐらと揺れ、地面を這いずってくるようなうねりを見せる。しかし、その声が紡ぐ詩的な言葉がとても心をくすぐるのだ。ピュアな言葉を選りすぐっては、曲のポップさと裏腹に、ノスタルジーな雰囲気を醸し出している。

最後に「届きませんように」と残す歌詞が、とても奥深い。一つでは答えられないストーリーを思い浮かべさせるのだ。



●挫・人間「品がねえ 萎え」



今年リリースされたファーストシングル『品がねえ 萎え』から、タイトル曲をご紹介。おそらく最新の挫・人間を知ることができるだろう。岡村靖幸の「愛はおしゃれじゃない」を彷彿とさせる泥臭いシティポップ感がたまらない。エレクトロ×ドリームポップ×サイケデリックなサウンドで、ダンスミュージック色が強いのに、これまた下川のボーカルがおしゃれを良い意味で格下げする。ダミ加工をしたようなハイトーンボイスは、味わい深い。時折可愛らしさや色気を含むたびに、より彼に夢中になってしまう。声色の使い方も格段に上手くなり、その巧みな使いこなしがより洗練された曲へ仕上げているのだろう。 皮肉めいた歌詞は、どれもストレートで、陰湿というよりも爽快。ハイテンションなレスポンスを挟みながら、ポップな仕上がりとなったこの一曲は、聴く人の範囲を大きく広げただろう。今までの挫・人間ファンはもちろん、大人世代にも聴きやすく、ティーンエイジャーには刺激的なワルい大人を楽しむことができる。幅広いリスナーを獲得すること間違いなしの一曲だ。


今までのリリース曲を重ねて、心のままに叫ぶロックな魂はそのままに、ポップな音楽へ昇華させてきた挫・人間。メインストリームに躍り出るほどのパワーと実力が備わっている彼らの、今後の活躍は大いに期待できる。変わらぬ思考と、研ぎ澄まされたハイセンスを武器に、彼らがどのように進化していくのか。とても楽しみだ。 今月末より、東名阪の3都市にてワンマンツアーを開催する。シングルリリースで、さらに開花した挫・人間をぜひチェックしてみてほしい。


【CD情報】

2018.05.23 Release 

1st Single 「品がねえ 萎え」

RCSP-0090 / ¥1,000(本体)+税

M-01. 多重星

M-02. ダンス・スタンス・レボリューション

M-03. 品がねえ 萎え


【ライブ情報】

2018年6月21日(Thu)

梅田Shangri-La

東名阪ツアー2018〜人間合格〜

開場/開演:18:30 / 19:00

前売/当日:¥3,000 + 1Drink / ¥3,500 + 1Drink

お問い合わせ:清水音泉(06-6357-3666)


2018年6月22日(Fri)

名古屋APOLLO BASE 東名阪ツアー2018〜人間合格〜

開場/開演:18:30 / 19:00

前売/当日:¥3,000 + 1Drink / ¥3,500 + 1Drink

お問い合わせ:JAILHOUSE(052-936-6041)


2018年6月24日(Sun)

恵比寿LIQUIDROOM 東名阪ツアー2018〜人間合格〜

開場/開演:17:15 / 18:00

前売/当日:¥3,000 + 1Drink / ¥3,500 + 1Drink

お問い合わせ:LIQUIDROOM(.03-5464-0800)


【Twitter】https://twitter.com/za_ningen

【HP】http://za-ningen.xyz

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