2009年から活動しているヴィジュアル系ロックバンド、ギャロ(THE GALLO)。
元々それぞれが別のバンドで活躍していたメンバーが集まって結成された彼らは、2019年の5月で結成10周年を迎えるベテランバンドであるとともに、ヴィジュアルシーンの中でも独特の存在感と立ち位置を確立してきた個性派バンドだ。
そのビジュアルはどこか道化師のようなおどけた雰囲気をもっていて、ゴシックでほの暗い暗黒色を漂わせている。一方で、サウンドは古き良きオルタナティブロックやハードロックの色味が強く、初期のムックやLUNA SEAといったバンドを彷彿とさせる音楽性が、一度聴いただけでガツンと脳裏に響くインパクトを作り出している。
そんなイメージにグロテスクな歌詞も合わさって生まれた、カオスとシュールを絶妙なバランスで織り交ぜた世界観こそが彼らの最大の魅力と言えるだろう。
そんなギャロの楽曲を実際に聴いて、衝撃を実感していこう。
●INCUBUS
「INCUBUS」は、2015年5月にリリースされたシングルの表題曲だ。
古代ローマ神話にも登場する悪魔「夢魔」の名前をタイトルに冠したこの曲の歌詞では、背徳的で怠惰なストーリーが描かれている。甘美な雰囲気の情景描写が聴き手の脳の髄までとろけさせる、激しくて情熱的なロックナンバーだ。
そして、西洋的なメロディから歌謡曲のエッセンスまで巧みに取り込んで展開されるサウンドは、そんな曲の世界観に毒々しく鮮やかな色味をもたらしている。ベテランバンドとしての演奏力も惜しみなく発揮されていて、王道のロックソングとしても聴きごたえのある一曲に仕上がっていると言えるだろう。
●PLUTO
続いて紹介するのは、2018年6月にリリースされた現時点でのギャロの最新作「PLUTO」だ。
カオスとグロテスク、そしてエロティック。そんな生々しい言葉で表現される空気感をごちゃ混ぜにミックスさせた歌詞は、どこまでもダークな雰囲気を漂わせて、人間の欲望やエゴをむき出しに描き出す。
疾走感のある8ビートから2ビート、ハネたリズムまで取り入れて表情を変えていくアンサンブルも、そんな楽曲の色味において需要な役割を果たしている。攻撃的で刺激的な歌詞を確かな重さをもったサウンドが包み込むからこそ、そこには嘘くささやチープさのない、ピリッと張り詰めた緊張感が生まれているのではないだろうか。
●KERBEROS
2018年3月にリリースされたシングル「KERBEROS」も、ギャロのゴシックで残酷な世界観が色濃く押し出されたキラーチューンだ。
彼らの最大の個性でもあるグロとエロを織り交ぜた世界観はそのままに、メタルなどの要素がより強くなっているこの曲。どす黒いデスボイスや速弾きのギターソロ、それを支える重くタイトなリズム隊は、長年ヴィジュアルシーンで活躍してきたギャロの高い技術を裏づけている。
インパクトの強いビジュアルイメージや過激な音楽性の裏に、ひとつのバンドとして積み重ねてきた実力や実績が垣間見える一曲と言えるだろう。
間もなく結成10周年を迎えるギャロは、確固たる世界観と確かな演奏力、そして独特のセンスによって、ヴィジュアルシーンの中でも唯一無二の個性を示してきた。
そして2018年9月19日には新しいシングル「VELTRO」もリリース。先日MVも公開されたので、ぜひこちらもチェックしてほしい。
●VELTRO
9月22日からはヴィジュアル系バンドREIGNとの2マンツアーも予定されている彼ら。活動10年目にして、ますますその注目度は高まっていると言える。
そんなギャロのこれからの活躍は、公式HPやTwitterからしっかりとチェックしていこう。
【公式HP】http://9allo.jp/
【Twitter】https://twitter.com/9alloxNero
【リリース情報】
『VELTRO』
平成30年09月19日発売
品番:EMR-018
価格:1,500円(税込)
1.VELTRO
2.黒鶏論-再生篇-
3.黒鶏式葬送曲第弐番-メラク-
4.VELTRO(オリジナルカラオケ)
発売元:ヱンペラーレコード
販売元:ONG DISTRIBUTION