2012年に結成されたメロディック/ポップ・パンクバンド、Castaway。
結成直後からコンスタントに活動をくり広げてきた彼らは、2014年にセルフリリース音源「The Way EP」と「On The Railroad」を立て続けに発表。ライブ会場と一部の専門店のみの販売ながら合わせて2000枚以上を売り上げたことで、大きな話題を集めた。
そこから彼らの注目度は飛躍的に上がっていき、2016年3月には初の全国流通盤となる「This Is What You Always Do」をリリース。その後も順調に作品リリースやツアーを重ねてきた。
これまでの共演にはCRYSTAL LAKEやMEANING、KOTORIといった国内の有名バンドの名前が並び、さらにはTURNOVERやBASEMENT、REAL FRIENDSといった海外バンドのサポート、ジャパンツアー帯同も務めてきたCastaway。現在の日本のパンクロックシーンにおいて、最重要のバンドのひとつと言えるだろう。
そんな彼らは、2018年10月11日には最新作「Paint It」をリリース。初期からの代表曲から盟友ボーカリストとコラボしたチャレンジングな一曲、そして彼らの”今”を描き出す新曲までが揃い、これまでの集大成と言える名盤に仕上がっている。
●Rain
「Rain」は、『Paint It』のリード曲となる一曲だ。
2分15秒を一気に駆け抜けるパンクナンバーとなっているこの曲では、Castawayの魅力であるエモーショナルなサウンドとストレートで力強いボーカル、それによって生み出される重厚なアンサンブルを存分に体感できる。
聴き手の脳内をガツンと揺さぶるイントロから激情をまっすぐに吐露する歌い出し、そして高揚感を生み出すサビまで、一瞬の隙もなくストーリーを形作っていく曲展開は、メロディックパンクの王道を突き進みながらも独特のセンチメンタルな響きも感じさせてくれる。
これまでの活動を通して進化を続けてきたCastawayの、最新形と言える名曲だろう。
●『Paint It』全曲レビュー
「Rain」以外にも、収録曲全てが必聴の名曲となっている『Paint It』。その全曲を紹介していこう。
まず、アルバムのスタートを飾るのは、Castawayの処女作でもある「The Way EP」に収録されていた初期からの代表曲「Through The Noise」だ。明るく疾走感あふれるサウンドで否応なしにこちらのテンションをあげてくれて、幕開けにぴったりの一曲となっている。
そこに今回の目玉でもある「Rain」が続き、勢いを保ちながらもピリッとした緊張感を加えてくれる。3曲目の「Sam」はそれまでとは打って変わって優しくゆったりとした空気感を描き、駆け抜けて汗ばんだ体をそよ風がなでるような清涼感を作り出す。
1分強ほどの「Sam」が空気を切り替えた後には、Castaway史上初の日本語詞を取り入れた新曲「Sway」が続く。エモーショナルなサウンドの中に独特のキャッチーさが顔をのぞかせるこの曲は、彼らの新境地を切り開いたロックナンバーだ。
そして5曲目「Float Away」は、盟友であるシカゴのパンクバンドKNUCKLE PUCKのボーカル・Joe Taylorをゲストに迎えた一曲となっている。タイプの違う2つのボーカルが合わさることで独特のエッジが生まれていて、より壮大に広がるストーリーが魅力の一曲だ。
アルバムの最後を飾る「Wendy」では、Castawayらしいエモさが表れながらも、その中には一抹の切なさも込められているように感じられる。一旦のエンディングを見せながらもその先に続いていく道を示しているような、ポジティブで多幸感あふれるパンクナンバーに仕上がっている。
渾身の楽曲たちによって名盤に仕上がった「Paint It」によって、また大きな注目を集めているCastaway。
現在はそのリリースツアーの真っ最中ということで、このツアーを通してまた一段と彼らの知名度が上がるのは間違いない。
さらにその後はBOSTON MAJORのジャパンツアーへの帯同も控えているなど、快進撃を続けるCastawayの今後に、ますます注目だ。
本日新MV「Sway」公開!
【公式HP】https://castawaytokyo.com/
【Twitter】https://twitter.com/castaway_jp
【リリース情報】
2018.10.10 RELEASE
Castaway 2nd Mini Album「Paint It」
IG-090 | ¥1,500+TAX
[収録曲]
01. Through The Noise
02. Rain
03. Sam
04. Sway
05. Float Away (feat. Joe Taylor of Knuckle Puck)
06. Wendy