色彩作家・すみあいかと、音楽作家・ko shinonomeによるオルタナ的藝術徒党、文藝天国。
ボーカルはハルが務める。
・文藝天国「マリアージュ」
2021年の7月にシングルとしてリリースした楽曲『マリアージュ』。
それを今回、2月リリースの3rd album「花咲く君の滑走路」収録用にリアレンジしてMusic Filmも撮影。
同曲は元々、avex主催のDCC全国高等学校ダンス部選手権(https://dcc.jsda.info)のイメージソング・PRソングとして書き下ろした楽曲だ。
ダンス部選手権=団体で行う競技ということもあり、テーマにおいたのは、“人と人との交わり合い”や“人間関係”。
それを、青春を駆け抜けていくような瑞々しい疾走感で描く。今回のリアレンジバージョンでは、そこにさらにロック色が増している。
曲内では、「現在進行形の人間関係(いま影響を受ける関係)」を表し、映像では「時が経つことで変わりゆく、変わってしまった人間関係(その当時の関係、そこには戻れない)=自分の記憶の中にしか存在しない人間関係」を表しているのだ。
それはまさに、“様々な感覚器官を通して天国をつくり続けている“文藝天国ならではの表現だろう。
是非、目と耳の両方で楽しんでいただきたい作品。
ちなみにタイトルであるマリアージュは、フランス料理などで使う“組み合わせ”という意味を持つ言葉。
・文藝天国「シュノーケル」(Music Film)
「他メンバーが大学受験で文藝天国の活動をおやすみしていた時期に、映像をたくさん撮っている時期があった」という、すみあいか。
その時期に撮った映像が、このシュノーケルのMusic Filmだ。
「撮影後、何度編集をしていても、自分のなかで、これで良いんだろうか…となんだか腑に落ちなかった。自分のこれまでの貯金からかなりの投資をし、一世一代の決断くらいの気持ちで撮った映像だったのに、このままでは納得して出せないと思い、お蔵入りにしていた」という。
しかし文藝天国の活動が再開し、その映像をko shinonomeに見せたところ、「『良い映像なのに世の中に出さないのはもったいない。俺がこの映像に曲を書くよ。』と言ってくれて、映像を観ながら曲を作ってくれた」。そして「楽曲がついて、ようやく自分の中で附に落ちた感覚があった」そうだ。
楽曲は、シュノーケルをつけた状態を人生に例えたもの。
感情の乗ったバンドサウンドと、繊細な歌声、そして映像の全てに、どこか溢れ出す寸前のようなヒリヒリしたものを感じる。
きっとそれに、共鳴する人もたくさんいることだろう。
・文藝天国「メタンハイドレート」(Music Film)
高校を卒業したあとに制作した楽曲『メタンハイドレート』。
「コロナ禍が始まり、自粛生活などもあり、この曲を書いた当時は社会とか色んなものに憤りを感じていた」と ko shinonome は語る。
そんな怒りとか憤りとかを昇華させるロックを書きたいという思いで描かれたのが、この楽曲だ。
タイトルである『メタンハイドレード』とは、化石燃料の一種であり、燃える氷とも呼ばれる。
それは「怒りや憤りを外に発散するのではなく、内省的に炎があるイメージ」で、「当時の自分のロックに対する姿勢は、メタンハイドレードだと思った」というところから、このタイトルがつけられた。
サウンドもどこか内側から燃えるような、繊細な荒々しさを感じる。
攻撃的でありながらも、当たり散らすようなものとは異なる。しかし、誰かを確かに奮い立たせるものだ。
そんな同曲は「ko shinonome にとっての文藝天国を表した楽曲」でもあるという。
「現在は音楽と映像が主軸だが、今後はさらに活動の幅を広げていきたい」という文藝天国。
香水をつくるなど、すでに様々な表現を見せているが、「こういうものがあったら嬉しい、を文藝天国で実現したい。自分たちの心休まる場所をつくる」「文藝天国がひとつの集合地点となって、いろんな人に生活が心温まるものとなる文化や良いものが伝わる場所になれば。それが文藝天国の作るものだと、もっと嬉しい」という彼らの、今後の展開はとても楽しみになる。
2月23日に6曲入り3rd album「花咲く君の滑走路」をリリース。
あわせて『マリアージュ』のMusic Filmが公開になるなど、その注目度はさらに高まっている。