ここ数年で勢いを増し続けている「音楽フェス」。空前のフェスブームの中、定番の大規模フェスばかりでなく、全国各地で特色のあるフェスイベントが開催されてきた。
そんな中でも、特に独創的なフェスとして密かに注目を集めているのが、新潟県十日町市で開催されてきた「豪雪JAM」だ。
そのタイトルどおり、「雪」をテーマに持っているこのフェス。開催のきっかけになったのは、「十日町を盛り上げたい」という主催者と仲間たちの率直な気持ちだった。
最初から音楽フェスが前提にあったわけではなく、「市外からも人に来てもらうには?」を意識したときに出た結論が、音楽フェスだったそうだ。主催者がFUJI ROCK FESTIVALにフード出店してフェスの熱量を体感したことがあったのも、開催に至った理由のひとつだという。

初の開催は2008年。「自分たちでイベントを作り上げ、たくさんの人に来てもらう」ということを実現した喜びが保たれながら、10年に渡って続いてきた。




●「自然の中のフェス」が似合うアーティストが多数集結


「豪雪JAM」の特徴は、音楽フェスイベントの中でも珍しい“冬に開催されるフェス”という点だ。十日町市の最大の見どころでもある壮大な雪景色が見られる時期に開かれるこのフェスでは、自然が似合うアーティストが数多く出演してきた。
これまでの出演者にはjizueやCaravan、七尾旅人、toconoma、YOUR SONG IS GOODなど、インディーミュージック、インストゥルメンタルミュージックを主体としたアーティストが多く並んでいる。穏やかでオーガニックなサウンドとメロディは、“自然の中のフェス”というシチュエーションとマッチし、好評を呼んできた。

2019年の出演者には、LUCKY TAPESやMONO NO AWARE、切腹ピストルズなど、今インディーシーンで話題のアーティストが並んでいる。ポップスやファンクから和楽器演奏まで、多彩な音楽を楽しめること間違いなしだ。





●音楽以外にも!雪と町の特色を活かした個性が盛りだくさん

雪の中の音楽フェスということで、“雪”そのものと、冬の観光地としての“町”の特徴を活かした企画にも注目だ。
もともと雪まつりなどを開催してきた十日町市。そのノウハウを生かしながら行われる豪雪JAMでは、アーティストの転換時間に、「豪雪運動会」「豪雪WARS」など、降り積もった雪を最大限に使ったレクリエーションがくり広げられる。
また、フェス終了後には越後妻有花火とコラボした雪花火の打ち上げもあり、独特の風物詩になってきた。
さらに、フェス会場が観光地のリゾートホテルということもあり、温泉宿に宿泊できるバスツアーがセットになったプランもある。ローカルフードを楽しめる地元の出店も多数あり、音楽ライブと花火、温泉を楽しめる冬の旅行イベントとしても、要注目だ。


特色のある風景と個性的なアーティスト、数々の企画によって、長く好評を博してきた豪雪JAM。その裏に主催者たちの「十日町市を盛り上げたい」という純粋な想いがあるからこそ、これほどの盛況を続けてきたのだろう。
最新回である「豪雪JAM2019/雪花火2019」は、3月2日の土曜日に開催される。まさに「豪雪」の見られる地域ならではの音楽フェスに、ぜひ足を運んでみてほしい。

【公式HP】http://gosetsujam.com/