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小林未季 研ぎ澄まされた旋律。深く広がる情景。そこから生み出されるのは、生きた人間の息づかいとストーリー

小林未季 研ぎ澄まされた旋律。深く広がる情景。そこから生み出されるのは、生きた人間の息づかいとストーリー

muevo編集部にリクエストが寄せられた「気になるアーティスト」を紹介するmuevo pick up。今回は小林未季の登場です。


埼玉県出身の女性シンガーソングライター、小林未季。

2013年に活動をスタートさせた彼女は、「聴いてくれる人の心を包み込むような音楽家に」という目標のもと、独自のスタイルで音楽活動を展開してきた。

彼女の活動の最大の特徴は、シンガーソングライターという枠にとどまらない、幅広い分野での活躍だ。アーティスト活動を開始する以前から、映画の主題歌や挿入歌を制作し、音楽祭や芸術祭にも参加するなど、作曲家としても多くの実績を残してきた。

2012年には中野森監督による短編映画「ツメがアマイ」で主題歌と挿入歌を担当。2014年にも中野森監督「SUPI-スーピー-」で主題歌を担当し、こちらでは出演もこなすなど、役者としても実績を残した。

さらに現在、映画監督の川崎僚の最新作「wasted eggs」でも劇中音楽を担当、また後に紹介する楽曲「あお」が主題歌として抜擢されている。同作品はエストニアのタリン・ブラックナイト映画祭にノミネートされ世界的に注目を集めている。

映画だけでなく、「グスコーブドリの伝記/宮沢賢治」や「星の王子さま/サン・テグジュペリ」など、舞台の劇伴音楽を務めたこともある小林未季。さらにはBGMやテーマソング制作、アーティストへの楽曲提供など、作曲家としての活躍は、既に業界でも広く知られるところとなっている。

「トマトちゃんズ(仮)」【萩谷至史(作家)、いとうしゅん(絵描き)、小林未季(朗読と音楽)】という制作チームで、絵本の制作に取り組んだり、さいたま国際芸術祭への参加など、ユニークな試みの数々も注目のポイントだ。

そんな小林未季だが、今回はアーティストとしての彼女の活動に着目していきたい。

作曲家としての活動の一方で、シンガーソングライターとしてもこれまで数多くの音楽イベントに出演してきた彼女。2017年には「セルディヴィジョン」のMV制作のクラウドファンディングで200%を達成するなど、その支持は着実に大きくなっている。

そんな小林未季の楽曲を、実際に聴いていこう。


・スクリーン



2019年2月に公開された楽曲「スクリーン」は、ピアノ弾き語りスタイルを基調とした、シンプルなバラードソングだ。

葛藤を抱えながらもゆっくりと前を向いて歩み出す様を静かに描く歌詞は、決して激しくはなく、それでいて力強く背中を押してくれるようなメッセージ性が感じられる。小林未季の歌声は心の奥深くまで染み入るような伸びやかさで、そんな言葉のひとつひとつを聴き手に届けてくれる。

洗練されたサウンドとどこまでも心地のいいメロディ、研ぎ澄まされた世界観。その全てをもって、シンガーソングライターとしての彼女の魅力を体感させてくれる名曲だ。


・あお



こちらもピアノバラードとして響きつつ、バンドスタイルのサウンドも印象的な「あお」。心情描写が印象的だった「スクリーン」と比べると、この曲はより壮大な情景とストーリーの描写が記憶に残る作品だ。

タイトルにもある通り、柔らかくもひんやりとした質感が深い「青」を連想させるこの曲。繊細なバランスで成り立つアンサンブルは、各パートが一体となってゆったりとした時の流れを見せる。

もの悲しく、そんな中にも不思議な優しさがかいま見えて、聴き手を静かに包み込んでくれる一曲だ。


・キャスタウェイ



2015年に公開された「キャスタウェイ」は、流れるような曲展開が印象的なミディアムバラードだ。

切ない泣きのメロディが耳に残る前半から、雰囲気をガラリと一転させ、最後には再びサビが壮大な感動を描く。そんな緩急のついたストーリーは、楽曲の描く情景をよりドラマチックに魅せてくれる。

目が覚めるような映像の並ぶMVと合わせて、オーガニックな世界観をじっくりと味わえるこの曲。小林未季の魅力がよりダイレクトに伝わる真っすぐな一曲としても注目したい。


・液体



そして2019年3月23日には、最新楽曲「液体」のMVが公開された。

そのサウンドはより洗練されて透明感を増し、不安定に揺らぐ人間の心情を「液体」に例えた歌詞は、そんな旋律と合わさって触れたらかたちを失ってしまいそうな繊細な美しさを見せる。アーティスティックなMVも合わさって、幻想的なドラマを描く一曲だ。

小林未季のアーティストとしての個性、世界観がより色鮮やかに見えるこの曲に、注目してほしい。



圧倒的な「歌」の表現力と、純度の高いストーリー性を見せる歌詞。小林未季の楽曲が持つそんな魅力は、彼女が作曲家としても広く活動してきたことによる、確かな技術とセンスに裏打ちされている。

その深みのある世界観は、一度聴き惚れると、いつまでも浸っていたくなるような魅力がある。

ひとつの枠にとどまらない、広い活動を見せてくれる小林未季。彼女がこれからどんな風に活躍し、そこからどんな情景やストーリーが生み出されるのか、注目していこう。


【公式HP】http://kobayashimiki.com/


【Twitter】https://twitter.com/utautai_mikki


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