圧倒的な演奏技術とセンスによって2010年代の邦楽シーンで独自のポジションを築き、確固たる世界観で注目を集めてきたバンド、パスピエ。
2009年に始動した彼らは、音楽のみならずアートワークなどさまざまな要素を合わせた表現によって、ポップカルチャーシーン全体で支持されている。
2011年のアルバム「わたし開花したわ」は新人インディーズバンドとしては異例のロングヒットを記録し、2012年にはアルバム「ONOMIMONO」でメジャーデビュー。以降も精力的なリリースやタイアップ、大規模なツアーによって着実に存在感を増してきた。
2015年には単独での日本武道館公演「GOKURAKU」を開催し、2018年には東京と大阪での野音ワンマンも達成。結成10周年となる2019年現在、その人気は不動のものになっている。
そんなパスピエの表現テーマのひとつが「印象派」だ。バンド名も印象派音楽家のドビュッシーの曲名からとられ、彼らの活動にも至るところで「印象」の文字が見られる。
世界観としての「空気」「雰囲気」に重点を置き、ニューウェイヴやテクノポップ、インディーロックなどの要素を混ぜ合わせて芸術性を高めながらも「ポップミュージック」を成立させているのが、パスピエの最大の魅力だ。
2019年5月22日には5thアルバム「more humor」のリリースも控え、さらに研ぎ澄まされた表現への期待が高まっている。
・グラフィティー
「more humor」のリードトラックとして先行配信されている「グラフィティー」は、どこかサイケデリックで鮮やかな中にもパスピエらしいポップセンスを感じさせる一曲だ。
大胡田のボーカルは無機質だからこそ曲全体の「印象」を際立たせて色づける役割を果たし、主張の強いシンセサウンドとタイトなバンドサウンドの融合が心地いい。大胡田が自らアートワークを手がけるアニメーションMVはどこか初期の彼らの楽曲を彷彿とさせ、パスピエならではのキャッチーさとアーティスティックな魅力を両立させている。
・ONE
こちらも「more humor」への収録曲となる一曲「ONE」。ここでは疾走感のあるポップサウンドというよりは、生のバンドサウンドにシンセの色味を加えて現代の海外バンドシーンの要素を取り入れたようなアプローチが見られる。
ダンスビート色の強い洋楽ポップスとRadioheadやKasabianのようなオルタナティブインディーロックのエッセンスがパスピエの個性のもとに昇華されて、洗練された情景を見せるミディアムナンバーだ。
・「パスピエ 野音ワンマンライブ “印象H” 2018.10.6 at 日比谷野外大音楽堂」ダイジェスト映像
「more humor」の初回限定盤とP.S.P.E盤では、2018年10月の日比谷野外大音楽堂でのライブ映像を収録したDVDも付いてくる。広大な屋外ステージがパスピエのサウンドとカラーに染まる模様は圧巻だ。
音源とはまた違った、生々しい熱量を感じさせるパスピエのパフォーマンスにも注目してほしい。
前作「&DNA」からおよそ2年ぶりとなるアルバム「more humor」で、バンドとしてさらなる進化を見せるパスピエ。タイトル通りよりユーモアを増した世界観は、これまでのファンはもちろん、広くポップカルチャーシーンの層にインパクトを残すだろう。
6月からはリリースツアーとなる「パスピエ TOUR 2019 ”more You more”」も開催されるので、その音楽を間近で体感するチャンスだ。
さらなる躍進を続けるパスピエから、目が離せない。
【公式HP】http://passepied.info/
【10周年記念特設オフィシャルサイト】http://passepied.info/feature2/p/10th_anniversary
【Twitter】https://twitter.com/passepied_info
【「ONE」デジタル配信】
Amazon MUSIC:http://amazon.jp/dp/B07QJZTWY9
【リリース情報】
パスピエ 5th Full Album「more humor」
2019.05.22 ON SALE
ATLANTIC JAPAN / WARNER MUSIC JAPAN
<通常盤>CD ¥2,500(本体)+税 WPCL-13027
<初回限定盤>CD+DVD ¥3,241(本体)+税 WPZL-31587/88
CD:通常盤共通
DVD:「パスピエ 野音ワンマンライブ “印象H” 2018.10.6 at 日比谷野外大音楽堂」