2003年に結成したロックバンド、ピロカルピン。
2009年7月、タワーレコード限定『人間進化論』、HMV限定『京都』をリリース、
ライバル2社から初のシングル同時リリースという形でインディーズデビュー。
そして2012年5月、ユニバーサルミュージックより『蜃気楼』でメジャーデビューを果たす。
2014年末には自主レーベル『miracle oasis music』を設立。
2022年でメジャーデビュー10周年。
淡く力強いギターロックと、日常とファンタジーの狭間を切り抜く歌詞は、ファンの心を捉え続けている。
・ピロカルピン「メッセージ」MV
目には見えないものからのメッセージをテーマにした楽曲『メッセージ』。
2021年5月に発表された新曲だ。
≪君を放て 光など 追い越して≫≪右にならえ そんな奴ほっといて≫と歌うその言葉は、
今の時代を生きる多くの人、この国で生きる多くの人に突き刺さるのではないだろうか。
ボーカル松木のイノセントな歌声や、包容力を感じるサウンドもあって、
描かれている言葉の一つ一つがすっと胸に入ってくる。
だから聞いていて、じわじわとみなぎってくる感覚を覚えるのだ。
また、単純にメロディーラインが耳に残るというのもポイントだろう。
きっと聞き終えたあと、思わずサビのメロディーラインを口ずさみたくなるはず。
・ピロカルピン 「サマーデイ」Music Video
2020年9月に発表した楽曲『サマーデイ』。
子供時代の夏をテーマに制作した1曲で、≪カルピス飲み干して夜空を見上げたら時間がほどけた≫と、
いつかの自身の記憶とリンクするような言葉も描かれている。
淡い色味のサウンド感もまるで記憶の中の夏に触れるようで、聞いているうちに、
いつの間にか在りし日の夏にトリップしてしまう。
夏は夏でも、日本の夏特有ともいえるセンチメンタル感を内包しているというのも特筆すべき点だ。
そのセンチメンタル感もまた、トリップ感を生み出すのに一役買っていることは間違いない。
・ピロカルピン「グローイングローイン」MV
クラウドファンディングにより制作された2017年リリースのアルバム
『ノームの世界』に収録されている楽曲『グローイングローイン』。
リズミカルに鳴らされる鋭利なギターと、幻想的で淡い立体感を生み出すギター。そんな2本のギターの絡みがクールだ。
そして2本のギターサウンドだけではなく、全体の疾走感とサビパートのメロディーラインやコーラスの広がりなど、
他に例を見ないような相反する要素が上手く融合しているところに、オリジナリティとクオリティの高さが感じられる。
ピロカルピンが独自の音楽を描いているバンドだということが、この楽曲を聴けばきっとよく分かるだろう。
「焦りがないというわけではないが、焦って無理をするよりも、
地に足をつけた活動をして、自分たちの音を追求していきたい」と話してくれた。
さらに「2022年のメジャーデビュー10周年に向けて、新作を鋭意制作中」との情報も頂いている。