4人組のロックバンド、ソウルフード。
その音楽の特徴は、エモさにある。むしろ「エモい」という言葉では軽く聞こえすぎてしまうくらいに、感情や生活、もっと言えば人生そのもの、魂そのものを音楽にのせて叫んでいる。そんな彼らの音楽に触れると、否が応にも心が奮い立たされてしまうだろう。心に直結するような音といえば、eastern youthを思い浮かべる人も多いはずだ。彼らのサウンド・言葉は、あの重さにも全く引けを取っていない。
メンバーは、ボーカル「前田典昭」、ギター「藤村優」、ベース「安井卓也」、ドラム「田中智裕」という4人組構成。ディティール感を出すことに力を入れたり、ありきたりに「愛してる」というのではなく、別の言い方を考えてそれを伝えるようにしているという歌詞は、多くのリスナーの心に突き刺さる。
メンバーそれぞれの音楽歴は長く、ボーカルはメンバーたちの音楽的なスキルを信頼し、メンバーたちもまたボーカルをリスペクトする。実際ボーカル前田は、「自信があるとするならば、メンバー3人に信じてもらえること」と語る。そんな確固たる信頼関係があるからこそ、しっかりと心まで届く、人生を乗せたようなサウンドを届けられるのだ。
・ソウルフード – チャプターソング
2018年9月2日にリリースされた3枚目のミニアルバム「Daddy's Rock Star」の1曲目に収録されているのがこの楽曲だ。
ハイに特徴のあるギターバッキングと、リズミカルに単音を奏でるギターリフが印象的。魂を全身全霊で鳴らすだけではなく、日本のロックサウンドとしっかり融合することも出来るということが、この楽曲を聞けば分かるだろう。
もちろんソウルフード特有の熱や魂は失われていない。抑えられ気味に奏でられる冒頭部分でも、歌詞は「下手くそな生き方だと思う」とらしさにあふれる言葉で始まり、サビ部分では全体の音が爆発し、感情の中に飲み込まれる。魂とポップな音楽性を見事に調和した一曲だといえるだろう。
・ソウルフード – 筆を執れ
「筆を執れライター」と印象的なフレーズでサビが始まるこの楽曲。「評価が欲しかったわけじゃない」「理由が欲しかったわけじゃない」「このまま続けてく」と叫ぶその言葉に、迷いながらも何かをやり続けている人は力をもらい、また歩き出すことが出来るだろう。声の出し方や鳴らされるサウンド、そしてMVでしっかりと目と目をあわせて何かを伝えようとしているその様は、いつにもまして熱を帯びている。
その歌詞から何かを感じ取るかは、基本的にリスナーの解釈に任せているという彼ら。実際にこの楽曲でも十人十色、耳に入る箇所や聞く人の状況によっていろいろな解釈ができるだろう。それでも一つだけ間違いなく言えるのは、この熱に心を動かされない人はいないということだ。
・ソウルフード – 結局、
2015年9月にリリースされた初めてのミニアルバム「じゃあさ、どうする」からの1曲。1stミニアルバムからの楽曲ということもあって、より勢いやパワフル感を強く感じるところもあるが、根本的な熱やサウンド姿勢は今鳴らされている音楽と変わらない。今と同じく魂をそのまま音にしているような熱を持っているし、それでいてメロディーセンスは抜群でシンガロングだ。
ソウルフードはこれまでも誰かの心を震わせてきたし、これからも間違いなく誰かの心を震わせていく。それを改めて確認させてくれる一曲だ。
音源でも十分に熱さは伝わる。実際レコーディングでもニュアンスの出し方にはかなりのこだわりがあるという。でも彼らの真骨頂は間違いなくライブだ。ライブでは、音楽に乗せた言葉だけではなく、実際にMCでも言葉をたくさん届ける。音楽に乗せた言葉、それ以外に伝えたい言葉。それらすべてを堪能出来れば、間違いなくより心を奮い立たされるだろう。心にぐっとくる瞬間を味わいたいという人は、ソウルフードのライブに参加してみてもまず損はない。
【公式HP】http://www.soulfood.biz/
【Twitter】https://twitter.com/soulfood_jp?s=20
【リリース情報】
3rd mini album 『Daddy's Rock Star』
01. チャプターソング
02. 春夏連覇
03. スノースタイル
04. ラフクオレル
05. バイタルグラフ
06. プライシス
2018.09.02 RELEASE / ¥1,500 (Tax in) / SFBZ-0006
2nd mini album 『沈黙は金、雄弁は銀』
01.筆を執れ
02. サンタクロース
03. オキシペトリム
04. エビデンス
05. ライプニッツ
06. 銅の日々
2017.08.04 RELEASE / ¥1,500 (Tax in) / SFBZ-0004
1st mini album 『じゃあさ、どうする』
01. ツァイガルニク
02. 結局、
03. ジョハリの窓
04. ココロサマ
05. リテラシー
06. 月と樹
2015.09.22 RELEASE / ¥1,500 (Tax in) / SFBZ-0002
【ライブ情報】
Paddy field presents 『V.A. to the next field 3』発売記念レコ発イベント大阪編
2020/02/23 [Sun] 【大阪】福島LIVE SQURE 2nd LINE
Dear Chambers / Negative Campaign / the paddles / Halujio / kiseki / ココペリドット / ソウルフード
開場 : 16:30/ 開演 : 17:00
前売 : ¥2,500/ 当日 : ¥3,000/ DRINK :¥600