滋賀県出身のシンガーソングライター瀬戸香好美は、「『リアル』なことしか歌わない。」をモットーに活動している。劣等感やコンプレックスを源とした女性視点のメッセージソングを基軸とし、そこには「こうなりたい」という強い思いが込められている。
滋賀県から上京し、音楽学校に入学。在学中はキーボード弾き語りというかたちでライブ活動を行ってきた。その後現在のギター弾き語りというスタイルに転向。
瀬戸香好美の歌声は、一言でいえば鋭利な歌声だ。絞り出したような歌声で歌われることもあれば、音やリズムに乗りたゆたうような滑らかな歌声のこともあるが、基本的には歌声に強く感情が込められているように感じる。それが特有の鋭利さを生んでいるのだ。そしてその鋭利さがまたリアル度を濃くしているといえるだろう。
2019年には千葉テレビの音楽番組にレギュラー出演するなど徐々に注目を増す中、2020年1月18日には北参道GRAPESにてバースデーワンマンも決行。同日、8月29日(土)に横浜O-SITEで行われる「夏の100人ワンマンライブ~三度目の正直(仮)」という企画が発表された。今回で3回目を迎えるこの企画は、動員「100人」を目標にしている。2回目までは目標を達成することが出来なかった分、3回目にかけるモチベーションは高い。さまざまなわくわくする仕掛けが瀬戸から発表されていく予定なので、ぜひTwitterで情報を追っていってほしい。
・瀬戸香好美 – あの夏の君は誰よりも輝いていた
2019年8月31日に発売された自身9枚目のシングル、「あの夏の君は誰よりも輝いていた」の表題曲だ。
この曲はタイトルからも分かる通り、ノスタルジック感を強く覚える楽曲だ。誰にでもあった「あの夏」を思わせるような歌詞は勿論のこと、全体のサウンドもどこか郷愁的。90年代のポップソングを思わせるような音作り、メロディー展開で、それもまた「あの夏」感を強くしている。
そんな楽曲を鋭利な歌声で歌い上げているので、あの頃の青春がダイレクトに胸に突き刺さるように感じられるだろう。
・瀬戸香好美 – going my way
2018年5月19日にリリースされた8枚目のシングルの表題曲。「誰だってカッコよく生きていきたいはず 昨日より今日が最高であれ」と歌う詩は、聴く人に力を与えてくれる。
サウンドは軽快で、ところどころスカを思わせるようなサウンド運びだ。ホーンセクションが入っているというところにもそれが感じられるし、途中裏拍で入ってくる歪んだギターとカッティングの絡みにもそれは感じられる。
「背中を押してもらいたいけど、暗い気持ちにはなりたくない!」という人に是非聞いてもらいたい1曲だ。
・瀬戸香好美 – 妄想少女
6枚目のシングル「妄想少女」表題曲。タイトルからも連想されるが、比較的にじっとりと歌い上げるタイプの楽曲。それゆえに歌声も、これまでに紹介してきた2曲と比べると切実さがこもる。感情を絞り出しそのまま歌を歌いあげているような雰囲気さえ感じられ、実に刺さる。
かき鳴らされるギターのサウンド、バックで鳴らされる歪んだギターのサウンドも荒々しく、それもまた感情を揺さぶってくる。誰かを思う気持ちが爆発しそうになってしまった時、この曲はぴったりはまるだろう。
劣等感やコンプレックスを歌っている曲が多い瀬戸香好美。だからこそ、自分に自信がない人にこそ聞いてもらいたいという。誰にも共感されないと思っていた辛い気持ちや苦しい気持ちが、彼女の音楽によって解放されるということもあるだろう。
2020年には春夏秋冬でプチワンマンを行う予定だという彼女の動向に、ますます注目だ。もちろん、8月の企画については特に注目しておきたい。
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