都内を中心に活動している4人組バンド、Clematis(クレマチス)。

2014年、Vo.&Gtくぬ、Gtチェンダ、Ba佐藤の高校の軽音楽部仲間で結成。 
2017年にDrナギサが加入し、現編成に至る。
2016年にVo.Gtくぬが事故で右手に大怪我を負い、活動が一時ストップ。 
ギターが弾けるか危ぶまれる程の事故だったが、その後手術を経て一定のレベルまで回復。
現在も一般的なピックを持つことは出来ないが、Ba佐藤作のひも付きピックを用いた独自の演奏方法を見出した。


音楽的な特徴は、いい具合に力の抜けたローファイ感と、音楽的に高いセンスを発揮していたといえる2000年代のオルタナサウンドが抜群のバランスで交じり合い、抜け感を演出している点にある。ある種その抜け感の高いバランスは、今メディアで注目されている「お笑い第7世代」に近いものが感じられる。 

誰もが共感できるような切なさや寂しさを歌い上げていても、歌声やサウンドにエモさを全面に押し出しすぎると、切なさや寂しさはかえって薄れてしまう。 
しかし、Clematisのように適度な抜け感を持って奏でられると、むしろやりきれなさが増し、センチメンタルは加速するのかもしれない。 
2018年夏にEP「あしたには」をリリース。2019年にはシングル「サンダーソニア 」「ロストソング 」2曲を発売。
リリースされた楽曲は全てサブスクで配信されている。

2020年現在、彼らはアルバムを制作中だという。今後の彼らの活躍に注目したい。




・Clematis – サンダーソニア 



あえて音数を減らし、それを四方八方に散りばめたようなUSインディー感のある楽曲。その中で現代的なディレイをかけたサウンドや、強めにディストーションがかかったサウンドが存在感を放つ。やはりローファイ感とオルタナ感をうまく絡み合わせた、Clematisらしい一曲だといえるだろう。 

基本的にほとんどの作詞・作曲はVo.Gtくぬが担当しているが、サンダーソニアに関してはBa佐藤が作詞した後に楽曲が乗せられた。

初期にできた曲だが、今でもライブのリアクションが一番良いという。




・Clematis – ロボット 




激しくファズがかけられたグランジ感のあるギターサウンドが特徴的な一曲。 

しかし乗せられたボーカルは、ややリバービーなシューゲイザー感のある歌声だ。
一般的にはシューゲイザー感のある歌声はやはり、同じくシューゲイザー感のあるウェットなギターサウンドの上に乗せられる。しかし、この楽曲のギターサウンドは、歪み具合こそシューゲイザーのそれと遜色ないが、質感が極めてドライなのだ。ドライなサウンドの上にウェットなボーカルを乗せているから、面白い。

歪んだギターの対比のように、さりげなく鳴る澄んだ透明度の高い音のアコースティックギターが、楽曲のセンチメンタルを増大させている点にも注目だ。




・Clematis – 「遠くで雨の音がする」Live at 下北沢GARAGE 




2019年12月15日に下北沢GARAGEにて行われたライブでの一コマ。2020年1月時点では音源未制作となっている楽曲「遠くで雨の音がする」の演奏模様だ。
楽曲全体に漂うのは、90年代後半から2000年代頭のギターポップサウンドだ。誰もが好きになれるようなメロディーのポップさが、歪んだギターに乗せられて歌われているあの雰囲気。それをClematis調に現代化していて、抜群にセンチメンタルな仕上がりとなっている。

ギターロックが好きな人からJ-POPしか聞かないという人まで、多くの人に届く楽曲だといえるだろう。



2020年夏頃にはアルバムのリリースを考えているという彼ら。 

「混沌とした世の中で、僕たちの音楽を見つけて、聴いてくれた誰かの何か励みになれると嬉しい」
「自分の心の中にあるものをちゃんと整理して音にしていきたい。そうしてできたものを聴いてほしい」という。
新たなアルバムが新たなステージに導き、2020年を彼らにとっての飛躍の年にしてくれる可能性も高い。

そんなアルバムの発売まで、サブスク等でこれまでの活動を追いかけてみるのも良いだろう。




【サブスク配信サイト一覧】 https://www.tunecore.co.jp/artist/Clematis


【YouTube】 https://www.youtube.com/channel/UCcAQcLU3htyPYXbVpn3b66w


【Twitter】 https://mobile.twitter.com/clematis_joho