16歳、高校生でラップに出会いマイクを握ってから続けること20年。今では豊洲市場で働きながらラップをするという異色のスタイルも話題となっているラッパー、FRANKEN。

現代の日本HIPHOPを語る上では欠かせない番組といえる「フリースタイルダンジョン」にも出演。同番組の2017年「HIPHOP的流行語大賞」を自身の持つパワーワード「マジでそうさ」で獲得した。
そんなFRANKENの代名詞ともいえるのが圧倒的な早口ラップ。とはいえもちろん、早口でしかラップができないわけではなく、しっかりとリリックを聞かせるラップや、メロディックなフロウまで変幻自在。「期待されたらそれを超えて裏切る。期待値を超えることが大切。」と語るその言葉の裏には、確かなスキルがあるのだ。
ベテランだからこそ、自分にしかできないようなことをやろうという思いもあり、自身曰く「やりたい放題」やっている。
「嘘偽りがないように」「自分を作らない」という信条をもって活動するFRANKEN。そんな彼だから、「なんにもかっこつけない」というのも一つのモットー。しかしそんなFRANKENが唯一かっこつけるのが音源だ。「そのギャップが大切で、心の中の真面目な部分を出す」という音源も必見。
4月~5月頃にはFRANKEN & SYKでアルバムの配信リリースも控えている。二人のやりたいことをやったというこのアルバムでは、男女関係、ディスに対するアンサー、死んでしまった家族への曲などお互い自由に曲を書いた。「音楽を通じて繋がっている二人の、音を使った遊び。特に戦略を練らずに作ったが、かなり良いアルバムに仕上がっている」というので、こちらにも要注目だ。

 



・FRANKEN – POWER SONG(Prod by TOOSON) 




スぺ―シーな雰囲気のトラックに乗せて早口ではなくスローなテンポのラップを聴かせる一曲。≪やりたいようにぶちかませ≫≪恐れてばっかじゃやすらぎなんか一生見つけらんないから≫と、まさにタイトル通り、何かを頑張りたいときにぐっと力を入れてくれる言葉が満載だ。 

特に≪中途半端にやればすべて他人の真似になる≫≪とことんやると他人が真似できないものになる/のちにマネーになる≫という部分はパンチライン。自身の経験からくることを直球でつづった言葉だからこそ、しっかりと韻を踏みながらでも心に刺さるとリリックとなっている。

 



・FRANKEN – ごめん、凄い好き feat.SYK (Prod by Yuto.comトレードマーク) 




ニューアルバムでもコラボしているSYKをフィーチャリングに迎えた楽曲。BPM自体はスローなトラックだが、この楽曲では比較的に早口に言葉が詰め込まれている。とはいえフリースタイルバトルで見せるような圧巻の早口というよりは、しっかりと音を詰め込んでいるというイメージの早口。だから個性を出しつつも、音源としての完成度も失われていない。
内容は「ごめん、凄い好き」というタイトルからも分かる通り、ストーリーが伝わるようなストレートなラブソングとなっている。全くこうした楽曲を歌うイメージのないFRANKENが直球のラブソングを綴るというミスマッチ感が面白い一曲だ。

 



・ゆうま feat. FRANKEN 「イロモノ」 




下ネタをふんだんに取り入れたスタイルでお馴染みのラッパーゆうまにFRANKENがフィーチャリングした一曲。
POPな雰囲気のトラックに相反するような、強い思いを感じるリリックが印象的。ゆうまは「≪下ネタがテーマ≫のイロモノだから、バトルでも勝たせちゃいけない空気がある。でも俺は勝ちにきている。」という気持ちを表現し、FRANKENは持ち前の早口をふんだんに披露しつつ≪イロモノから本物へ進化途中≫なリアルな自分のストーリーや思想をみっちりと詰め込んでいる。
そんな強いメッセージ性やストーリー性から、≪無色透明な奴らと真逆のカラーをまとった≫ラッパーの芯の強さやカッコよさに改めて気づかされる。

 


「音源だけはカッコよくする」「体系維持はきちんとする」など、ふざけるにしても一定のルールを守っているFRANKEN。自分が一番面白いことや新しいことをしているという自負もある。 

「音源をたくさん出したい」「大きなフェスの常連になりたい」「ビッグヒットを出したい」とこれからやりたいことや叶えたいことも多い。「音楽をアツく頑張る人は多い。でも、僕自身は一度ラップから遠のいた身でそこからの再起なのでもはや失うものは何もない。だからこそ、他のラッパーがやりたがらない事や常に新しい事に挑戦して行きたい。そして可能性を広げて行きたい。これからもマイペースに時にハイペースに無理せず楽しみながらずっとラップを続けていくと思います。」という言葉通りの活動を続けていけば、一つずつそんな野望も叶っていくだろう。FRANKENは、そう感じさせるだけの力を持ったラッパーだ。

 



【読者に向けて一言】マジでそうさ!!︎

 

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