今井里歩　透き通りながらも太く響く歌声で優しく寄り添う

神奈川県出身のピアノ弾き語りシンガーソングライター、今井里歩。

「花王ピュオーラ」のテレビCMにおける歌唱や、ニコニコ動画公式番組内で結成されたそうそうたるメンツのバンド「セッション・マスターズ・バンド(B a:佐久間正英氏、K e y:浅倉大介氏、D r:S A T O K O氏(FUZZY CONTROL)、Gt:加茂フミヨシ氏）に参加しボーカルを担当するなど、確かな評価を受けるミュージシャンだ。

そんなミュージシャンとしての活動と並行して、ボーカル&ゴスペル講師としても活動中。そんな活動には、「ボーカル＆ゴスペル講師として人に教える中で、さらに自分を成長させよう」という意図もある。

これまでに1stアルバム「DAYS」、2ndアルバム「ミチ-sunlight to moonlight」などの6枚のCDをリリース。透き通るようでありながらも、しっかりと太く響いてくる歌声が特徴だ。ウィスパー調の声質で届けるような曲においても、決して声がか細くなりすぎることがなく、常に芯のある雰囲気を放つ。それはやはり、ボーカル＆ゴスペル講師として働くほどの音楽的な素養から来るものだろう。

2020年3月には初めてのファンミーティングも開催するなど、2020年も精力的に活動中だ。

・今井里歩 – good day

2020年1月8日に四谷天窓.comfortで行われたばかりのライブから、楽曲「good day」の模様だ。

「ありふれた日々に起こるちょっとした愛おしい出来事こと」や、そんなことがあったから「今日は良い日だ」と歌うこの曲の世界観は実に温かい。それにつられるように、ゴスペル調の強い歌声で歌い上げる今井の歌声も実に温かみを孕んでいる。サビの入り、「good day」と歌うシーンの歌声はふっと力が抜けていて、また違った調子の温かさが感じられるなど、とにかく楽曲全体を通していろいろな角度から温かい雰囲気を味わうことが出来る楽曲となっている。

また特筆すべきはこれがライブ映像だという点だ。太い歌声や抜け感のある歌声をライブにおいてもきちんと正しい声量で使い分け、さらにはピアノも抜群のリズム感で響かせる。歌声の音のずれもない。ライブであっても音源と変わらないクオリティでパフォーマンスが出来る、レベルの高いミュージシャンであることが分かる映像だ。

・今井里歩 – 2ndアルバム『ミチ-sunlight to moonlight-』トレーラー

2017年6月に発売された2ndアルバム「ミチ-sunlight to moonlight-」の全曲トレーラー。

1曲目「アルミカン・ドリーム」は、『ニコニコ軽音部』のテーマ曲のリアレンジだ。より疾走感のある雰囲気のサウンドになっており、ややダンサブルな雰囲気が強いオリジナルバージョンとはまた違った味わいになっている。

一転2曲目の「新しいキセツ-ミチ-」は古き良きポップソングの雰囲気をまとったバラード調の楽曲。3曲目「rainball」は90年代から2000年代頭の雰囲気を感じる、懐かしいムードの楽曲と、楽曲ごとにそれぞれ曲調が大きく異なり、聴いていて飽きない。

そんな中特に異彩を放っているのが5曲目。バッキングがカントリー調の「頑張れOle!」だ。小気味よいサウンドの中で歌われているのは、タイトルからも分かる通り、「頑張れ」「あなたはあっぱれ」という誰かを応援するような内容。カントリー調でサウンドに適度な軽さがあるから、より言葉が心に届きやすくなっている。そんなふうに特に大きく雰囲気が異なる楽曲でありながら、メロディーや歌声の気持ち良さはやはり今井里歩調だと思わせるところに、力の高さが感じられる。

しっかりしたボーカルの実力と、いろいろな曲調の楽曲を生み出す音楽性の高さを持つ今井里歩。特にライブでも全く聴き劣りしないボーカルは、彼女の大きな武器であり、魅力だ。

ライブは月に数本程度は行っているというから、そんな歌声を聴くことが出来る機会もまずまずある。まずはライブに足を運び、そんなボーカルを直接聞いてみるのも良いだろう。

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