人気ゲーム・アニメ「うたわれるもの」シリーズの楽曲を多く歌い上げているシンガー、Suara。シンガーとして歌唱を担当することが多い彼女だが、アルバムでは作詞や作曲をすることもある。芸名となっているSuaraは、インドネシア語で「声」という意味だ。

2005年、PCゲーム「鎖 -クサリ-」のオープニングテーマ「睡蓮-あまねく花-」、エンディングテーマ「星座」でデビュー。以降、「ToHeart2」「あさっての方向。」「キミキスpure rouge」「ティアーズ・トゥ・ティアラ~花冠の大地~」「WHITE ALBUM」「カードファイト!!ヴァンガード」「フューチャーカード!バディファイト」など数多くのゲーム・アニメでオープニングテーマやエンディングテーマ、挿入歌の歌唱を担当。
歌唱の際に気を付けていることは、アレンジなど楽曲の持っている要素をなるべくフラットに捉えていくことだという。そこから作品イメージに近づけるよう、プロデューサーと共に調整していく。その分歌唱のために多くの引き出しが必要になってくるが、Suaraはしっかりとそれぞれの作品にあった歌唱を披露してきた。それは彼女がプロフェッショナルなシンガーであることの証拠だ。
すでにアニメ・ゲーム業界に欠かせない存在であることは間違いないが、今後の更なる活躍が期待されるシンガーである。




・Suara – 天命の傀儡(マリオネット) 




現在配信中のスマートフォン向けゲームアプリ「うたわれるもの ロストフラグ」の主題歌。 

うたわれるものシリーズの楽曲らしい壮大さはありながらも、これまでのシリーズの楽曲と比較すると和風なアレンジは少ない印象がある。これまでのシリーズはメロディーやサウンドなどにぐっと和風さを感じさせる要素が盛り込まれているように聞こえたが、この曲はそれが薄く、より洋風な雰囲気だ。その分神秘性が高くなっていて、神々しさすら感じられる。
この曲の主人公は、運命や天命を≪疑わず逆らわず従うわ≫という思いと、≪悲しき天命を書き換えることができるの≫という思いの両方を抱えて生きている。そんな複雑な感情の中にある気持ち良さを表現しているというSuaraの歌唱は、神秘性の中に爽快さも感じられ、その複雑な感情を見事に表現できていると思わせられる。




・Suara – 不安定な神様 




2015年に放送されたTVアニメ「うたわれるもの 偽りの仮面」の前期オープニングテーマだったこの曲。 

「天命の傀儡」と同じくうたわれるものシリーズの楽曲ではあるものの、こちらはアニメのオープニングテーマということもあって、高い疾走感を感じる仕上がりになっている。全体的に特有の壮大さは感じられるものの、より前に向けて強く音が飛んでくる。そんな疾走感ある曲なのでSuaraの歌声も、より前に向かって抜けていく、まっすぐな歌声になっているのが印象的だ。
また例によってこの楽曲にも和のムードが漂っている。バッキングで鳴っている音の中に和の雰囲気を感じるサウンドが聴けるし、そもそものメロディーラインもどことなく和のムードだ。とはいえ和がすごく強いわけではなく、あくまでもエッセンスとしての和だ。だから和風のムードが苦手な人でも違和感なく聴くことが出来るだろう。



曲やイメージに合わせて色々な表現が出来るシンガーで、シンプルに歌唱力も高いことは間違いない彼女。 

これまではアニソンやゲーム主題歌を担当しているシンガーは、一般層に名が知れ渡ることはそこまで多くなかったように感じられたが、今の時代はそういった垣根はなくなってきている。実力のあるシンガーは、きちんと評価される時代だ。
今後ますますアニメやゲームでの歌唱を聴くことが多くなっていた先で、Suaraの名が一般層にまでより広く轟いている可能性は極めて高いだろう。




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