基本的に立ち弾きでピアノを奏でながら歌うという独特のスタイルを持つ、杉野淳子。
独特なのは音楽の奏で方だけではない。そこから鳴らされる音楽もまた独特だ。自身曰く「歌謡JAZZ ROCK」。
歌謡JAZZ ROCKというのは言い得て妙だ。歌われているメロディーは実に歌謡曲的で、誰の耳にも気持ちよく届くだろう。しかし鳴らされているピアノサウンドはジャズのような跳ね感を持つ。そして歌詞や歌い方は実にロックだ。自身の思いをそのまま表現するような歌詞も多く、それを感情がこもった歌い方で歌う。そんな彼女の音楽を総合すると、まさしく歌謡JAZZ ROCKといえるだろう。
ライブの世界観の構築にも強いこだわりを持つ。時に着物を着てライブを行うこともある。一般的に考えて、着物は決して動きやすい恰好ではないだろう。むしろ圧倒的に動きづらい格好だといえる。しかし彼女の音楽とはとてもマッチしている。歌謡曲的なメロディーにロックな歌詞、そして跳ねるピアノ等、そのすべてに着物はマッチするのだ。
自己プロデュース能力も高く、生み出される音楽のレベルも高い杉野淳子は、間違いなく要注目株だ。
・杉野淳子 – リーゼ
自身が辛いときにできた楽曲で、その時の気持ちをそのまま歌詞にしているという。印象的なメロディーのイントロで始まる楽曲だが、その印象的なイントロはそのまま歌のメロディーにもなっている。それゆえに冒頭からメロディーや歌詞がすごく頭に入ってくる。そこで歌われているのは「薬をちょうだい」という歌詞だ。
タイトルからも分かる通り、ここでいう薬とは「精神安定剤(リーゼ)」のこと。現代の日本では、同じように精神安定剤に頼らないといけない人や、頼るギリギリのところで耐えているという人も多いだろう。そんな人にはこの曲がある種の精神安定剤になるだろう。そんなリアル感を覚える一曲だ。
・杉野淳子 – 白昼夢
歌いだしや終わりには白昼夢のように牧歌的で美しい音色のピアノを奏でるこの楽曲。しかしそれがずっと続くわけではなく、時に夢から醒めたような不穏な響きを聴かせる。そんな対比が印象的な曲だ。着物をまといながら奏でているという点にも注目。
歌のメロディーはやはり歌謡曲的で耳なじみが良い。時に椎名林檎のような独特のビブラートを聴かせる点も、この曲のメロディーとすごくマッチしている。
赤いライトに照らされているという点も彼女の世界観の演出に一役買っているだろう。改めてプロデュース能力、表現力の高さを感じさせられる映像だ。
音楽もデジタル化がすすむ昨今。ライブシーンというのは改めて注目度を増しているシーンだ。そんなライブシーンにおいて唯一無二の世界観を演出している彼女が、注目されるだけの理由は十分だ。
「東京でも精力的に活動しているので是非一度ライブに来てほしい」という彼女。まずはTwitterなどをしっかりチェックし、参戦できるタイミングを探ってみると良いだろう。
【Twitter】https://twitter.com/junko_sugino?s=20
【YouTube】https://www.youtube.com/channel/UCXhxzekZLUjTuwyQFJHVDPw
【リリース情報】
2nd mini ALBUM「生きる」Release
1白昼夢
2列車の女
3 I don't be your toy
4明けない夜がある
5赤く染まれ
【ライブ情報】