大阪発のギターロックバンド、ニアフレンズ。
元々は4人で活動していたが、2019年1月よりVo.Gt.池田篤のソロプロジェクトに。それによって「”バンドとはこういうものだ”という固定概念がなくなった」といい、楽曲制作も「一人で好きにできるようになった」という。もちろんライブではサポートが必要になるといった難点もあるものの、吹っ切れて音楽ができるようになっていった。
「ニアフレンズ」というバンド名の通り、そばにいてくれる友達のように語り掛けるかのように詩を綴るバンドで、「パンクというと少し背伸びしている感じがする」「軸にあるのはJ-POP」と語るそのサウンドは、J-POPにも負けず劣らずの耳なじみの良いメロディーを、パンクにも通ずる熱量の高い音で鳴らす。
「音楽を身近に感じて欲しい」「≪頑張ろうぜ≫ ではなく≪そんな日もあるさ≫と言ってくれるような歌を書きたい」という言葉が、ニアフレンズの音楽を端的に言い表しているといえるだろう。詩においては「ムカつくことや、悔しいこと、悲しいこと」を多く歌にしているというのも特徴の一つ。
ライブへの熱量も高く、「毎回同じライブはいらない。毎回ドキドキできるようなライブができるように心がけています」というそのライブパフォーマンスは、≪1回のライブでぐっとオーディエンスの心を掴む≫と、評価は高い。




・ニアフレンズ【エバーユース】Music Video 




「安い酒を飲んだり、レンタルビデオ借りたり、数100円でできる幸せを伝えたかった」というこの楽曲。≪なんでもないことを幸せと呼ぼう≫というサビの歌詞に特にそんな思いが詰め込まれているといえる。 

ついつい誰かや何かと比べてしまい、目の前にあるはずの幸せに気が付けないことも多い。特に現代ではSNSなどで比較も容易になっている分、余計にそんな幸せには目が向かないもの。この楽曲で綴られている優しい世界観によってそんな幸せに気が付いた時、きっと今より少し生きやすくなるはずだ。
鳴らされているサウンドは決してやさしいだけのものではなく、時に激しい歪みを聴かせる。しかしそれでも全体的にとてもやさしさに溢れた世界に感じられるのは、彼の歌声の力によるものだろう。




・ニアフレンズ【ボーイズノーアンビシャス】Music Video 




2000年代を思わせるようなスピーディーなギターロックサウンドが鳴り響く1曲。冒頭のギターフレーズやその後の展開はまさに王道ギターロックといった展開やサウンドで、ギターロック好きは間違いなくアガるだろう。1サビ後に左右で交互に鳴らされるギターの絡みもまた、気持ちが良い。メロディーラインは例によって耳なじみの良いメロディーラインで、それもまた気分をあげてくれる要因の一つだ。 

歌われている内容は≪生きていたいよな/ただそれくらいのこと≫≪ずっとそばにいて/誰も見なくていいのに/ずっと≫と、ささやかな希望や光を感じるよう内容。それもまた、誰かの心を少しアゲてくれるものだといえるだろう。




・ニアフレンズ【オールタイムラバー】Music Video 




「ラブソングではないけれども、誰かのことを思って作った曲」という楽曲「オールタイムラバー」。 

≪僕らは今日でお別れなのさ/どうかまた会えたらいいね≫といった歌詞は、別れた恋人への言葉のようにも思えるし、道をたがえた友への言葉のようにも感じられる。実際自身でも「人によって捉え方が違う風になって欲しい」と語っており、解釈は人それぞれだ。
サウンドや歌声はそんなセンチメンタルな歌詞の雰囲気とリンクするように、感情があらわになった質感。まさしく心の琴線に触れるような、音や歌声となっている。



「自分が作る音楽はない方がいい」「売れたい、人気出たい は二の次で、 

届く人がいなくなることが幸せ」「まあ、楽しく酒が飲めたらそれでいいのかな(笑)」と語る彼。その言葉には彼の優しい心が凝縮されている。
ただ、少なくとも現時点では彼の音楽が支えになる人も多いはず。心にすっとはまる音楽を探している人は、是非ニアフレンズを追いかけていってほしい。




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