透明感のある歌声と繊細なメロディ、飾らない詞世界で、聴き手を惹き込むストーリーを描き上げるシンガーソングライター、森田雛(もりた ひな)。
バンド活動を経て2015年からソロアーティスト「雛」として活動を開始した彼女は、関西を拠点に精力的なライブ・制作活動を展開。2016年にはそれまでの人生をノンフィクションで描く初のミニアルバム「21の私小説」を、翌2017年には2nd mini album「against」を発表するなど、着実に作品リリースを積み重ねて自身の世界観を築き上げてきた。
2019年5月には活動名義を現在の「森田 雛」に改名し、併せて初の全国デビューミニアルバム「trick」をリリース。実力派シンガーソングライターとして、確かな支持を集めながら前進を続けている。
・森田雛「5年」Music Video
全国デビュー作「trick」のリード曲となった「5年」は、ひとつの別れに思いを馳せる様を、ストレートな言葉選びで歌い上げたピアノバラードだ。
まだ鮮やかに思い出せる、けれど決して短くはない「5年」前の時間。その情景や感情をふり返りながら、それを「未練」ではなくひとつの「記憶」として抱えていく決意を示すストーリーが、彼女の優しくもエモーショナルな歌声と結びついて聴き手の心を揺さぶってくれる。
森田雛というアーティストの個性・魅力をダイレクトに伝える名曲として必聴だ。また、コーラスにシンガーソングライターのが藤田麻衣子が参加しているので、そこにも注目してほしい。
・森田雛 ニューアルバム『trick』全曲試聴トレーラー
代表曲として紹介した「5年」はじっくりと聴かせるバラードナンバーだが、それ以外にも多彩な曲調を見せてくれるのが森田雛の魅力のひとつ。「trick」のアルバムトレーラーでは、そんな彼女の表現力の幅広さを感じることができる。
明るく希望に満ちたオープニングナンバー「描いた地図」、そのポップさを引き継ぐ「%」、表題曲でもある艶やかで切ないミディアムナンバー「trick」、キーとなる1曲「5年」、キャッチーに跳ねながらもほろ苦い歌詞が響く「おとな」、ゆったりとしたメロディと重厚なピアノサウンドで聴かせる最後の曲「ポラロイド」。それぞれの楽曲の個性が光りながら、アルバム全体で見てもひとつの物語性を感じさせてくれる。
ぜひ1曲目から通して聴いてみてほしい。
・雛「against」MV
前名義「雛」の頃に自身初のMVとして公開された「against」は、疾走感のあるピアノロックサウンドと彼女の透明感に満ちたボーカルが融合して、青春の風とノスタルジーを強く感じさせるキラーチューンに仕上がっている。
アコースティックギターやピアノが主体の楽曲とはまた違った聴き味のナンバーとして、また彼女の初期からの代表曲として聴いてみよう。
普遍的でありながら確かな個性が光る楽曲、言葉とメロディを聴き手の心にまっすぐ届ける歌声。そんな魅力を持つ森田雛が、これからシンガーソングライターとしてますます支持を広げていくのは間違いないだろう。
現在は新しい作品制作の準備も進めているという彼女。そのさらなる躍進に、今後も要注目だ。
【公式HP】
https://hina-ssw.jimdofree.com/
【Twitter】
【ライブ情報】
7月12日(日)に自身の定期的に開催している企画「お雛祭り」を無観客配信ライブで開催。
場所:心斎橋歌う魚
ゲスト:奈良のシンガーソングライターやましたりな