インターネット音楽シーンを中心に活動し、強烈なリリックとメロディアスな表現で注目を集める実力派ラッパー、VACON。
2012年にニコニコ動画へのオリジナル曲投稿から活動をスタートさせた彼は、以降ニコニコ動画やYouTubeなどのネットシーンを中心に活動を展開。オリジナル曲の発表や配信、他アーティストや歌い手とのコラボを行ってきた。
これまでの投稿動画の総再生回数は300万回を突破するなど、ネット音楽ファン、ラップファンを中心に圧倒的な支持を獲得。2020年の3⽉には元SOUL’dOUTのBro.Hi率いるミクスチャーバンドE.P.Oとコラボしたりと、ますます活動の幅を広げている。
その確かな表現力は「⽇本一のラップスキル」とも評されており、2010年代以降のラップシーンを支えるホープとして話題を呼んでいる存在だ。
・HATED JOHN / VACON
VACONの活動のスタートとなった投稿曲が、この「HATED JOHN」。シニカルなリリックと流れるようなフロウが、圧倒的なスピード感で聴き手の脳内に流れ込んでくるキラーチューンに仕上がっている。ダークでどこかシアトリカルなトラックも合わさって、強く惹き込まれる一曲だ。
ラッパーとしてのVACONの魅力が3分29秒の中に濃く詰め込まれていて、この始動当初からすでにアーティストとしての個性を確立していたのが分かる。彼の代表曲として、まず聴いてみてほしい。
・Afro Man / Vacon
2017年に公開された「Afro Man」。先に紹介した「HATED JOHN」と比較してもよりメロディアスに聴かせるこの曲は、ミディアムビートと遊び心に満ちたアレンジがファンキーなムードを漂わせる。心の内面を鮮烈に歌い上げる詞世界も大きな魅力だ。
ダンサンブルで艶やかで、どこかセンチメンタルな響きも感じさせるナンバーとして、一度聴いたら忘れられないインパクトを持っている。その圧巻のリリックに酔いしれよう。
・ElecTravel / VACON
アグレッシブに畳みかける表現を研ぎ澄ませた「ElecTravel」は、ハイスピードなビート感と軽快に駆け抜けるメロディが、否応なしに聴き手のテンションを突き抜けさせる一曲に仕上がっている。
「⽇本一のラップスキル」という声が上がるのも納得の圧倒的な説得力を感じさせるフロウが、エモーショナルに響きながら心地のいい高揚感を見せてくれている。
ラップファンはもちろん、ライトなネット音楽ファンからも注目を集めているのが彼の特徴のひとつ。YouTubeのコメント欄にも絶賛の声が集まっていて、ネット音楽界のラップリスナーの幅自体を広げているのが印象的だ。
確かな説得力を感じさせるテクニカルなリリック、そして聴き手を選ばずキャッチーに魅了するフロウ。それらを武器に勢いを増しながら支持を集めるVACONが、今後インターネット音楽シーンでさらに話題を呼んでいくのは間違いないだろう。
2020年前半は多数のコラボを実現してメモリアルな上半期を過ごせたと語る彼だが、下半期となる現在は自身初となるアルバムの制作を進め、年内のリリースを目指して準備しているという。収録曲には過去曲のリアレンジ、リマスター、さらに完全新曲までさまざまな要素を盛り込み、「おもちゃ箱をひっくり返すような一枚」を目指すそうだ。
活動の記録、足跡を残すための準備を今まさに進めているVACON。その音楽に、ますます注目してほしい。
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