世界一引退した数が多いボカロP(本人談)、SLAVE.V-V-R。(スレイブブイブイアール)
小学校4年生の時からジャズピアノの教室に通っており、ピアノの弾き方はその時に習ったという。そんなピアノを駆使した楽曲「このピアノでお前を8759632145回ぶん殴る」はYouTubeでの再生回数が120万回を超えており、SLAVE.V-V-Rの代表作の一つとなっている。
高校卒業後、バンド活動をしていたがそれでは芽が出ずボカロPの道へ。リリックビデオとして見られる映像も自身で作成しているといい、それも「ボカロPになろうと思って1から準備した」と語っている。
そんな真面目な部分もありながら、楽曲の詩や本人のキャラクターは斜め上をいく。たとえば学生シリーズと題した楽曲群には「女子中学生、禁断の事情」「追跡!家出少女の実態!」といった衝撃的なタイトルの楽曲が並ぶ。他の楽曲も「お前がメシにありつくなど56876423年早いわ」「ブスに巨乳って意味あんのかよ」といった攻めたタイトル・テーマの曲が多い。
楽曲のメロディーはポップながら、その構成からはポストロックやノイズミュージック的な、ある意味では難解な音楽性を感じるから面白い。
ふざけながらもカッコイイというその姿勢はもはや現代J-POPへの反逆のカリスマだ。ただ、部屋は汚いとのこと。
・SLAVE.V-V-R – このピアノでお前を8759632145回ぶん殴る
独特なリズムのピアノフレーズやポストロック感のあるバンドサウンドが印象的なこの曲。それぞれの楽器の圧倒的な音の勢いに耳を奪われる。
英語詩で作られている曲だが、ビデオでは日本語で表現されている部分も多い。映像から日本語を見るととても意味が理解しづらいが、言葉だけを聞こうとすると、それはそれで英語なので簡単には聞き取れないという混乱が発生する。ただそんな、何を言っているのか理解しづらいというのもまた、この楽曲を独特な雰囲気に仕上げている、魅力の一つだといえるだろう。
ちなみにこの曲をカラオケで「8759632145回歌うとピアノを片手で持てるようになる」とのことだ。ピアノは1台約200キロから400キロ程度。…筋トレするよりはギリギリ早いだろう。
・SLAVE.V-V-R – 追跡!家出少女の実態!
学生シリーズからの一曲。タイトル通り、家出した少女がなぜ家出をしたのかというその理由・ストーリーをそのまま歌詞にしたような曲となっていて、妙なリアル感がある。そんな理由やストーリーが、まるで目の前で語られているように口語調で歌詞にされているという点が、余計にリアル感を高めているのだろう。
家出少女が家出した理由というとすごく重たいものを想像してしまいがちだが、ここにあるのはどこにでもある家族の風景だ。またこの家出少女も、≪今日「は」帰らない≫とわりとすぐに帰る感じを醸し出すかわいらしさがある。そして実際本当にすぐ帰る。むしろ今日帰る。そんなところも含めて全体的にとても微笑ましいといえる一曲だ。
・egg crazy – その劇場の名はデスペラード・ウイズ・ジェラート
こちらはボカロ楽曲ではなく、ギターにピアノ、作詞作曲をSLAVE.V-V-Rが務め、ボーカルはたまごちゃんが務めるというユニットの楽曲だ。
英語に聞こえる日本語で歌われているという歌詞のおふざけ感はやはりSLAVE.V-V-Rのそれだが、全体のサウンドはよりジャズの要素が強い。また人間がボーカルということもあってか、持ち前の激しいドラミングは多少抑えられ、よりメロディーが強調されているようにも感じられる。
ちなみにegg crazyはこの楽曲をもって解散している。通算5度目の解散だ。それによって、解散が2019年11月1日で、1stフルアルバムのリリースが11月11日という謎の展開になっている。そんなわけで今後も6回目・7回目とどんどん解散と再結成は繰り返されるだろう。
2020年1月からはオンライン販売も始め、ダウンロードで楽曲を購入することも可能になった。さらに、即売会で売るということもしていくというから、リスナーは楽曲を購入するというかたちで、楽しんだ分を還元することも出来るようになった。
今後もまず間違いなく引退回数の記録を伸ばしていってくれるであろうSLAVE.V-V-Rの動向は、Twitterなどでこまめにチェックしていこう。
【HP】
https://slave-vvr.jimdofree.com/
【Twitter】
https://twitter.com/SLAVE_V_V_R?s=20
【YouTube】
https://www.youtube.com/channel/UCptMKQqJMdDXUoiEbYlAozg
【Booth】