仄暗い音像の中で強烈な詞世界を描くコンポーザー、皆川溺。 
2019年から「23次元P」の名義でVOCALOIDを用いたオリジナル楽曲の投稿を開始した皆川溺は、2020年7月に現在の「皆川溺」へと改名。もともとは野外フェスやライブハウスなどで音楽に触れてきたことが音楽的なルーツとなっているそうで、自身で作詞作曲を行い世界観を表現するためにボカロPの道へと進んでいったという。

間もなく活動2年目に入る中で、完成されたサウンドと独特の感性でますます支持を広げているクリエイターだ。




・生活/GUMI 




「23次元P」時代の楽曲「生活」は、現在まで皆川溺の代表曲のひとつとなっている。

「生活を営む部屋」という何気ない光景の中に諦念と自己嫌悪を見出し、それらの感情を詩的に綴っているこの曲。シンプルなトラックの中央では低体温な中にもキャッチーさを併せ持ったメロディが流れ、無機質な調声のされたGUMIのボーカルが灰色の情景を映している。

儚くて心地のいい音の中に沈み込みながら、いい意味でネガティブなストーリーに浸りたくなる一曲だ。



・ニヒリズム - flower・結月ゆかり / Nihilism - obore 




「皆川溺」への改名後、第一弾作品となった「ニヒリズム」。ビート感の強いアンサンブルとアッパーなメロディ展開が合わさって、ソリッドな音像でありながらキャッチーに聴かせてくれる。
また、言葉遊びのように皮肉を散りばめた幾何学的な詞世界も注目ポイントのひとつ。音としての心地よさと難解なパズルのような言葉の構成が両立されているのが印象的だ。

重厚なサウンドとテクニカルなワードセンスで聴き手を圧倒しながら2分31秒を駆け抜ける一作として聴いてほしい。


 

 ・ペシミズム - 結月ゆかり / Pessimism - obore 




2020年9月に公開された現時点での最新曲「ペシミズム」。皆川溺の持ち味であるダークな音像がより強調され、ゴシックでどこかシアトリカルな世界観に仕上がっている。
「ペシミズム(悲観主義)」というタイトルに表れているように、仄暗い感情を描く詞世界も大きな魅力。哲学的な言葉選びで内省的な絶望感をひたすらに綴る歌詞と結月ゆかりの冷たい歌唱、疾走感のあるサウンドが一体になって、ゾクッとさせられるインパクトを生み出している。



11月で活動1周年を迎え、「活動2年目という大事な年で、聴き手の皆さんの期待に応えたい」と語っている皆川溺。今後はニコニコ動画での殿堂入りなど、ボカロPとして大きな目標も見据えているという。
また、11月には前名義での楽曲をすべて収録したアルバム「23次元P」をTHE VOC@LOiD M@STER45やBOOTHで頒布する予定だそうだ。

自身の音楽を「大衆的な部分から離れている」と捉えており、そうした部分を好んで聴いてくれるリスナーを増やしたいと考えているという皆川溺。今後その世界観がどのように広がっていくのか、注目してほしい。




【YouTube】

https://www.youtube.com/channel/UCAFdAoSrsbf7IZvcAzny6ug


【Twitter】

https://twitter.com/23dimensionsP



【リリース情報】

Full album『23次元P』

11/15(日) THE VOC@LOiD M@STER45 ぼ19-20(キュア吐息)にて頒布予定(通販も予定)

23次元P名義で投稿した「パンジー・ダンス」から「ダウンダウンラヴグロウ」までの全9曲を収録