2020年の春と夏の間くらいに東京あたりで結成したバンド、killmilky。
メンバーは、Vo.&Gt.『小森まなこ』、Gt.『中野ち子』、Ba.『わだ』、Dr.『ほし』という4名編成。
極度に歪んだギターと前衛的かつ望郷を呼び起こす音、女性ボーカルが特徴。「自分が美しいと思う曲をつきつめて今の音楽になった」というだけであり、自分たちではその音を“シューゲイザー”とは言っていない。しかしそのサウンドは90年代のシューゲイザーを想起させ、ある層には懐かしく、ある層には新鮮に響いてくる。
結成同年の2020年7月7日、初めての楽曲『誘蛾燈』を公開。続く9月には楽曲『白昼夢』を公開。現在はアルバム制作を見据え活動を展開中の、要注目のバンドだ。
・killmilky - 白昼夢
『白昼夢』というタイトルがこの上なくしっくりくる、真っ白なシューゲイザーサウンドに包まれる1曲。
シューゲイザーサウンドには、大きく分けて2種類あるといえるだろう。今でいうドリームポップさながら、歪み切った音というよりは夢遊感あるふわふわサウンドで覆うもの。そして荒々しい歪みで真っ白い世界を描き出す原体験的シューゲイザー。彼らの音は後者だ。荒々しさ、勢い、リバーヴ感、録音の質感、どこをとっても完璧な、原体験的シューゲイザー。
その真っ白な音の中に響くポップで美しいメロディーと、愛らしい歌声の相性も抜群。この楽曲で一気にその世界観の虜になる人もたくさんいるだろう。
・killmilky - 誘蛾燈
バンド結成後、初めて発表した楽曲『誘蛾燈』。
最初のギターの音で一瞬にして、荒々しい歪みの渦の中に意識を持っていかれてしまう1曲だ。
そこはもう一面真っ白な霧の中。そして青白かったり、ぼんやりとしたオレンジだったり、遠くの方に柔らかくておぼろげな光が見えてくる。目を閉じてこの楽曲を聴けば、そんな感覚を味わうことが出来るはずだ。
ギターの荒波に覆われてはっきりとは見えてこないボーカル。シンプルで心地よいドラミング。音空間を広げてくれるベース。そして圧倒的に荒々しいのに心地よいギター。それぞれの音作りも抜群なので、その空間への没入度も高い。きっといつまでもその空間の中に浸っていたくなるはずだ。
音楽好きに深く刺さること間違いなしなその音楽は、今後どんどん広がっていく可能性も高い。将来的に、実際に大きなレーベルからリリースするという展開になることも想像できる。
今後、注目して追いかけ続けておきたいバンドの一つであることは確かだ。
【HP】
【Twitter】
https://twitter.com/killmilky_band