345(凛として時雨、geek sleep sheep)と、なるけしんごによる
二人組アコースティックユニット、ti-ti.uu(てぃーてぃうー)。
アコギを弾いて歌ってみたいと思っていた345を、古くからの音楽仲間であるなるけしんごが
スタジオに誘ったことをきっかけに、2014年から活動が始まる。
作詞は345が主に担当し、自身の世界観を形にしているようなイメージで2人で音を作り上げていく。
それはまるで心の内側に溶け込むような、心象風景を想起させるような、丁寧で心地の良い音楽。
2021年5月29日にはミュージックブック(ダウンロード音源付き64Pブックレット)
『dawn』をリリースしている。
・ゆうどき / ti-ti.uu Studio Movie
空間を覆うように鳴らすギターと、風景を描き出すもう1本のギター、
そして圧倒的な透明度に儚さをもって響く345の歌声。
それが三位一体となって奏でられるこの音楽は、それだけで一本の映画のよう。
リリックをすべて書き起こしてしまうことも出来るほどに、言葉数は少なめ。
音数も決して多くない。しかし細部にまでしっかりと空気感が乗り、心の奥底に深い余韻を残す。
その余韻は、楽曲の終わり方によっても濃くなっているといえるだろう。
いつまでも聴いていられそうなほどに心地よい空気感をもって鳴らされていたその音は、
最後にはまるでバツッと途切れるように終わりを迎える。
それが独特なコントラストを生み、強い余韻に繋がっているのだ。
そしてまた、始めから聴きたくなる。
・たんたん / ti-ti.uu(short version)
2021年5月リリースのミュージックブック『dawn』収録曲。
フルートに山本紗織氏、チェロに吉良都氏を迎えて制作された同作。
この楽曲でもそんなフルートの柔らかくも華やかな色味や、
チェロのふくよかな心地よさが発揮されている。
まるで、ぼやけた景色の中に差し込んでいる木漏れ日のように、
揺れるカーテンを擦り抜けて届く優しい光のように、そっと日々を照らす。
それは日常のサウンドトラックにもなりえ、
あるいは自身を淡い色味の非日常へと連れて行っていってくれることもある。
聴く人それぞれに合った聴き方が出来る1曲だ。
・夜の灯り / ti-ti.uu Studio Movie
こちらも同じく、5月リリースのミュージックブック『dawn』の収録曲。
メロディックなアルペジオと、優しく儚く、そして美しいメロディーラインが印象的な1曲だ。
心の中にしまってあった想いにそっと触れるようなそのサウンド感に、胸がぎゅっとなる。
この映像は二人によるスタジオ音源盤となっているが、
『dawn』に収録の音源盤ではチェロがそこにさらに色を加える。
人の声と近い音色と言われるチェロの音色が、この楽曲に元々ある
ぐっとくる雰囲気をより高めていることは間違いない。
先日リリースしたミュージックブックには、「マイペースにやっていきたい」と話す
345となるけしんごの対談も収録。
さらに、『dawn』からインスパイアを受けて書かれた短編集やセルフライナーノーツや
結成から現在までのライブ写真・オフショットなども掲載された、見応えのある作品となっている。
それを見れば、ti-ti.uuというユニットのことがもっと深く分かるだろう。
もちろん収録曲自体も魅力的で、『たんたん』『夜の灯り』に加えて、
チェロとフルートと歌とギターで空間を上手く分けあうサウンド感の『白い月』、
過去と現在と未来を繋ぐように懐かしく響くフルートが印象的な『ゆくさき』、
冒頭から軽やかで惹きつけられる『material』、まさに日常に寄り添うな『今日も』と、
おぼろげながら彩色豊かでメロディックな、
自身でも「過去のti-ti.uuにはないような感じ」と話す全6曲を収録。
音源としても読み物としても満足できる同作から、
ti-ti.uuの世界観に触れてみるというのはおおいにおすすめできる。
【Official Site】
【Twitter】
https://twitter.com/titiuu_official
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http://shopping.deli-a.jp/artist/item_Info.php?itemID=11914
1.白い月