幼くあどけない声が澄み渡り、鋭く刺さる。 最近ある知り合いの言葉にハッとさせられた。 「パンクバンドって解散前提で結成してるよね。激しかった怒りや反抗、向こう見ずな青年期特有の爆発力が歳を取るにつれ無くなり、歌う事が無くなってしまうから。」 みきなつみの歌を聴いたときに、彼女の歌も同じだなと思った。 彼女のシンガーソングスタイルは理想や未来の事ではなく、とにかく今の目の前の景色、感情を描き出すことに全力を注いでいる。だから変な話、彼女が明日引退すると言われても驚かないし、今ここにある感情を燃やし尽くすことが出来たんだなと自然に納得してしまうだろう。
彼女は若さが、今の彼女を通して描く景色が武器になっていることを知っている。 しかし青年期が過ぎた後、彼女は何を思い、何を歌うのか。
私はそれを見てみたい。
彼女は今“みきなつみ”として歌う意味を知っている。
まずは「赤裸々白書」から。 突き抜けるあどけないひねくれボイス。その不安定で予測しきれない声は青年期の葛藤をダイレクトに私達に伝えてくる。 本人の実体験が込められた悔しかった思い出の日々を歌い上げる。 音楽活動の苦しみは多くのアーティストが隠してしまう部分だ。歌詞にしたところで活動を辞めればいいと言われるだけだし、自分で選んだ事だろうと突き放されてしまうから。 それに恐れず、悔しさも、恥ずかしさもさらけ出して歌う彼女。何故なら自分の小ささや未熟さを知っていて、等身大で発展途上なその感情も“みきなつみ”の武器になると分かっているからだろう。
赤裸々白書
次に「君へ送る唄」を。 大好きな人を思い浮かべて聴いてほしいという思いが込められたこの曲。 ストレートな飾らない思いを切々と歌い上げる。 何気ない日常のままを歌う意味が分かっている大人びた所と、(誰にどう言われようが)歌い続ける少女のひた向きさが感じられる。
君に贈る唄
your song MV
最後に「your song」という曲を。 この曲は彼女が憧れのアーティストを思って書いた曲だ。 羨ましい、悔しい。 ネガティブな感情も素直に吐き出す彼女の歌に共感を覚えるリスナーは多いだろう。 これだけ辛いんだ、ねえ分かってほしいとリスナーに媚びる様子もなく、ただありのままを歌い描くところは流石だ。
【ライブ情報】
2017/11/22 渋谷PLUG IN STUDIO
18:30開場/19:00開演
前売り2,000円/当日2,500円
2017/12/2 北浦和KARA
時間未定
前売り2,000円/当日2,000円
w/
Freebee Minato
アルキツカレテ
山形りお
Quint Ghost Sense