なめらかな指使いで息を吐くように音を零し、時には軽やかに鍵盤を叩いて明るい音が弾けてゆく。
兵庫県出身の南紗椰(みなみさや)はピアノとギターを駆使して活躍するシンガーソングライターだ。
関東を中心に全国でライブ活動を行い、編曲家の一面も持つ。2014年から現在に至るまで数多くのワンマンライブを成功させており、一昨年の2016年にはミニアルバム『Cosmos』を全国リリース。その後も東京のみならず大阪でもワンマンライブを開催するなど、活動の規模も大きい。また、積極的なのは自身のライブ活動のみではない。 劇団の舞台音楽への楽曲提供、市川うららFM83MHzでレギュラー出演するなど幅広い場で活躍している。
そんな多彩な南は、「何年経っても時を越えて大切な思いを伝えることができる歌を作り、届けている。」と語り、時代を超えて受け継がれる音楽を目指していると言う。シンプルな歌詞とメロディー、澄み渡る彼女の歌声はどこまでも尊く、美しい。大切な思いを自分に言い聞かせるように、そしてリスナーに優しく歌う南紗椰の音楽には、人々の心を癒す力が秘められている。今回は、チーム・ギンクラ第9回本公演『あまんじゃく!~いつかのあなたの物語~』に楽曲提供した2曲を通して、彼女の神秘的な音楽に迫る。
●あまのじゃく~愛を奏でて~
あたたかさが染み渡るような優しいピアノの旋律に乗せるのは、過去の思い出と南が感じた愛だ。酷いことをしたあの時。その時は自分に必死だったけれど、今ならわかること。 その一つ一つを彼女は優しく透き通った声で振り返っては愛おしく歌い上げる。 この歌詞のような感覚はきっと誰しもが過去に経験したものであり、大人になった今感じることでもある。これは一世代の経験や話ではなく、どの世代にも通ずる無償の愛についての歌なのだ。そして、この曲をきっかけに自信を顧みるきっかけとなるに違いない。 愛を教え、愛を伝える一曲となっている。
●舞台「あまんじゃく!~いつかのあなたの物語~」オープニング映像(チーム・ギンクラ)
ささやかな歌声と爽やかなポップチューンがきらめく一曲。
この曲では、涙を誘うようなスローテンポの曲の時とはまた違い、ハリのある美声が堪能できるだろう。なめらかに伸びる色っぽい歌声に、時折甘い可愛らしさが見えるところにも耳と心が引き寄せられる。そんなギャップも南の魅力のひとつだろう。
光が降り注ぐ新緑のように爽やかなメロディは、どこまでも心地よく、これからへの希望に満ち溢れた歌詞がとても映える。透明度の高さや南の美しく凛とした歌声はそのままに、心が弾むような明るいポップソングは彼女の得意分野だ。 ワクワクして元気になるようなこの一曲は、リスナーにとって元気をくれる太陽のような存在となり得る楽曲に違いない。
時代や世代を問わず、人と人を繋ぐ愛や絆という目には見えない大切なものをじっくりと見つめて、余計な着飾りをせずに歌う南紗椰。
彼女の音楽の神秘さは、大人になるにつれて見えた限りない愛ゆえの純粋な思いにある。
「これから大人になる人に聴いてほしいです。」そう語る南。
大人になっていく楽しみをも教えてくれるような彼女の輝かしい楽曲たちを、ぜひ生音で体感してほしい。
3月16日には東京・五反田にて初のクラシックホールでのワンマンコンサートが決定している。
クラシックホールでのワンマン公演は貴重なイベント。 これを機に、ぜひ時代を超える美しい音楽に触れてみてほしい。
【Twitter】@minamisayasaya