2014年から活動している女性シンガーソングライター、mekakushe(メカクシー)。
元々は「ヒロネちゃん」名義で活動していたが、「この先、いろいろなことに縛りなく取り組んでゆけるよう」という思いから、2018年に入って現在のmekakushe名義に改名した。
「ヒロネちゃん」名義の頃から作品リリースをメインに活動していた彼女は、自主製作・全国流通合わせてこれまでに10作以上の作品を発売するというハイペースな活動をしてきた。どの作品も、少女らしいかわいらしさとどこか影や闇を抱えたような暗さがうかがえる、オリジナリティあふれる名盤となっている。 mekakusheの音楽の特徴は、ピアノを基調とした耳に優しいサウンドと、そこに乗る少女らしさを前面に出したボーカルだ。ポップセンスあふれるキャッチーな雰囲気を持ちながら、なぜか不気味に感じられるような表情も垣間見えて、ただかわいらしいだけではない独特の世界観が作られている。
そんなmekakusheの音楽の魅力を知るために、改名後の最初のリリースとなるこの曲を聴いてみよう。
●mekakushe『真冬の熱帯夜』Music Video
2018年2月から新しい楽曲のハイレゾ配信がはじまり、3月のライブでは会場限定CD-Rの発売も行われたmekakushe。そのリードトラックとなったのが、「真冬の熱帯夜」だ。 「真冬」と「熱帯夜」という、本来なら並ぶことのないワードによるタイトルが印象的なこの曲。歌詞でも「真冬に熱帯夜なんて 可笑しいな」と歌われているが、この2つの言葉が並ぶからこそ、非現実的で空想的な空気感が演出されている。
歌詞は少女の空想がそのまま吐露されたようなかわいらしい比喩表現やおとぎ話のような情景描写が並んでいて、mekakusheのかわいくて少し不気味な世界観をしっかり感じさせてくれる言葉選びが印象的だ。
さらに、ミドルテンポで軽快なリズムにやわらかいキーボードとクリーンギターの音色が乗ったサウンド面にも注目。歌詞の雰囲気も合わさって、まるで夢の中に浮いているようなふわふわとした浮遊感を感じさせてくれる。 曲が見せる不安定な表情を描いた、ハツミテンシによるアニメーションにも注目だ。
改名後第一弾の作品から、これまでの「ヒロネちゃん」らしいポップセンスをベースに、さらに世界観の奥深さや輪郭を強めてきたmekakushe。たくさんの決意を抱えて新しいスタートを切った彼女は、これからもそのポップで個性的な音楽で多くのファンを楽しませてくれるだろう。
mekakusheのこれからの活動は、公式Twitterアカウントで随時チェックしていこう。
【Twitter】https://twitter.com/_mekakusi