「サックスで歌う」誰もが想像しなかった新たな試みで世界に音楽を発信するサックス奏者・藤野美由紀。

1983年、チェッカーズのサックスプレイヤー・藤井尚之の影響により音楽にのめりこむようになった藤野は、生涯の相棒となるサックスと出会うこととなる。
一度は手にするも学生時代に挫折。しかし、その間もバンドブームをきっかけにロックバンドのボーカルを務め、バンドコンテストで全国大会に出場するなど、音楽と離れない生活を送る中で、再びサックスに向き合うこととなった。
再開後は、インストバンドDUNK!として大阪にてCDをリリースし、プロとしてデビューを飾った。
デビューから2年経った2003年に満を持して上京。翌年には石森管楽器にて念願のサックススクールを設立。サックス奏者のキャンディ・ダルファーを取り上げたものや、ファンクやディスコ・ソウルなどそれぞれのジャンルに特化したものなど、数々の教則本を出版、アーティスト業務と平行して、本の出版やスクールの講師など、教える立場としての仕事も増えた。


米米CLUBの金子隆博(フラッシュ金子)や、ゴスペラーズの村上てつやをはじめとした数々の名だたるミュージシャンとの共演や対談を重ねては、ツアーの同行含め全国各地でライブ出演を行い、プレイヤー藤野美由紀として現場に君臨し続けてきた。

その中でも、2007年にはソロアルバム『Stay Funky』、絵×小説×音楽のコラボを実現したバラードアルバム『Memories Story2』、福島の原発事故へのチャリティとしてオムニバスに参加するなど、楽曲としてのリリースも重ねてきた。

そして、藤野に大きなチャンスが訪れる。

2014年、音楽を始めたきっかけとなった藤井尚之と初共演、翌年リリースしたセカンドアルバム『LADY SAX』では、なんと藤井が本作品に参加。リスペクトする藤井とのコラボレーションが実現したのだ。

人生最大レベルの大役を果たした彼女は、さらにステップアップし、クラウドファンディングを経てサードアルバム『Right Time』のリリースとツアー完遂、数々のラジオ出演と、大忙しの日々を送っている。

それに加え、現在では、サックス&音楽関連の教則や楽譜の販売、レッスンを含む社会人の為の音楽生活コンサルタント、島村楽器と提携し全国セミナーや講演などを行い、サックスジュエリーを設立し、Maqueen社とコラボ商品スワロフスキーのリードケースを発表したり、幅広い分野で活躍している。


今回、5月2日発売の最新作『Right Time』収録曲の2曲を用いて、彼女の音楽の魅力をご紹介したいと思う。

1980年代のサウンドを追求し、ハリウッド映画の世界のような作品にしたいと挑んだ今作では、彼女らしいファンキー精神はそのままに、華やかで優雅な大人の世界を堪能できる一枚となっている。

藤野の作り出す懐かしくも夢のような世界へ、足を踏み入れてみよう。



●Bright Lights Big City



まずお伝えしたいのは、細かに息継ぎをしてはファンキーに歌いあげるようなサックスが藤野の持ち味。

まるで妖艶なアルトボーカルが聴こえてきそうなほど、女性らしい色香をまといながら伸びていく音色がとても魅惑的だ。今作では、ファンク&ソウルを根底に、あらゆる姿を追求している。

その中でも藤野を語る上で大切なものはすべて、1曲目の「Bright Lights Big City」に詰め込まれている。

まさに、藤野のアツいハードボイルドな一面を見せているこの楽曲では、なめらかなサックスメロディの中に確かな息遣いを感じられ、歌声をひねり出すようなパワーや情熱を散りばめている。パーカッションと甘いカッティングギターの上を滑るように奏でる藤野のサックスはとても活気に満ちいていて、聴いているととてもわくわくしてくるのだ。

アルバムの始まりとしても最高な展開となっている。



●Pacific Connection

ファンクの定番のようなメロで始まり、さっそく曲頭から繰り広げるツインサックスの掛け合いが盛大に繰り広げられる。渋いメロディを語り合うかのように互いが重ねていくのがたまらない。徐々に掛け合いがハードになっていき、サックスをサックスでハモる瞬間には、ボルテージが最高潮に達する。

まるで海外のバーやライブハウスで音楽をひたすらに楽しむような、音で満ちた空間がそこには待っているのだ。

呼吸の合ったサックスたちはバトルであり、共鳴である。互いが譲り合わず、ハイレベルなところでお互いをぶつけ合っている。激しいデッドヒートのようでもあるし、相手の目を見つめあっては互いを引き出すように鳴らしてもいる。この両側面が最大に活きているのも、魅力のひとつ。

取り上げた2曲のような華やかで盛大な曲はもちろん、様々なテイストを取り入れている。

4曲目「Who’s that girl ?」では夜のレディを思わせるようなムーディーで艶やかな楽曲もあれば、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のテーマ曲で、誰もが耳馴染みあるヒューイ・ルイスの「The Power Of Love」をカバーを原曲の華やかさはそのままに、独自の解釈と踏まえて壮大にスケールアップさせて彩っていたり、楽しみどころがたくさんだ。

終わりに近づくたびに、彼女のハートフルなサックスメロディに心躍ることとなるに違いない。



自身の音楽経験を活かして、サックスプレイヤー、アドバイザー、新しい形の音楽関連起業など、多彩な才能を開花させていく藤野美由紀。「同世代に届けて行きながら、若い世代を引っ張っていけるような存在になりたい。」そう彼女は語る。

ぜひ彼女の大人の魅力と80年代の懐かしく痺れるフランキーサウンドを堪能すべく、『Right Time』を手にとってほしい。ティーンエイジャーや若い世代の心にも響くアツい魂を持った作品だ。

現在ライブは7月に決まっているとのこと。至極のファンキーナイトを楽しんでみてはいかがだろうか。


【CD情報】

New Album『Right Time』


1. Bright Lights Big City/藤野美由紀 , 佐橋佳幸 

2. Down South/藤野美由紀 

3. The Power Of Love/Huey Lewis , Chris Hayes , Johnny Colla 

4. Who’s that girl ?/藤野美由紀 

5. Don’t talk to me/佐橋佳幸 , 藤野美由紀 

6. L.A. Revisited/スパム春日井 , 藤野美由紀 , 

7. Pacific Connection/藤野美由紀 

8. Make it easy/藤野美由紀 

9. Right Time Right Place/藤野美由紀 , 佐橋佳幸



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