池田夢見 ━━ アコギの弾き語り＋ベルベットボイスで日本を元気に！

大阪・泉州出身の、自称：チアリングソングライター、池田夢見。

あのお祭りシンガーで有名なIKECHANは彼女の父親で、彼女自身も“だんじり祭り”好きを公言している。

そんな音楽と共に育った18歳の頃、オーディション通過で制作したミニアルバム「Daily life」が京阪神限定で見事1000枚を完売。その後、2008年に上京してからはアコースティックギターでの弾き語りという現在のスタイルを形成、ソングライティングをスタートさせた。2011年には、なんとクラウドファンディングでわずか1ヶ月で目標額の120万円を達成し、2ndアルバムを作成。タイトル曲「やれるって」は、100人以上のサポーターからのワードを繋いで完成させたという、たくさんの人の愛が詰まった作品となった。

その後、楽曲提供やボイストレーナー、アコギレッスンの講師といった音楽活動の幅も広げながら、生の歌声を届けることにも力を入れている、ポジティブシンキングな音楽人である。

●手をつなごう

今年2月にリリースされた4曲入りシングル「手をつなごう」のリード曲である今作は、CDのリリースより1ヶ月早く先行配信を実施。2020年パラリンピックに向けて書き下ろした応援歌というだけあって、できないことを嘆くよりも自分にできることから始めよう！という背中を押してくれる言葉であったり、同じ人間同士国境なんてないんだ、共に助け合って喜び合って生きてゆこうよ！というメッセージがふんだんに込められている。

軽快に刻むアコースティックギターに乗っかる透明感のある歌声がとても耳に心地よく、MVのビル屋上というシチュエーションと合わせると、まるで大きな空にその声が広がってゆくようで、より開放的な清々しい気持ちにさせてくれる。そして単純に、手を取り合いたくなる。すぐ隣にいる人とも、海の向こうの誰かとも。そんな簡単なことに気づかせてくれるナンバーだ。

●ふるさと

さきほどの「手をつなごう」と同じシングルの4曲目に収録されている「ふるさと」。

ふるさとを思い出すときって、帰りたいなと思うときって、どんなときだろう。進学や就職で地元を離れて日々楽しい毎日を送っているときには、もしかしたら思い出すこともないのかもしれない。それでも壁にぶつかったり立ち止まったとき、ふと思い出す場所なのだろう。それはきっと、いつでも自分を受け入れてくれるよりどころのようなもので、待っていてくれる人のいる場所。

2018年、東日本大震災から7年が経過し、改めて“故郷”というものに想いを馳せながら作ったというこの曲。消えてったものもたくさんあるだろうし、あれから取り戻しつつあるものもあるだろう。それでも、いつも胸に抱いている風景こそがその人にとっての“ふるさと”なのだ。

とても優しい声で歌う彼女の表情もとても優しく、東京からさほど離れていないとは思えない小湊鉄道のノスタルジックさが“ふるさと”というコンセプトにとってもマッチしている。

「町を出て歩けるのは戻れる場所を知ってるから」聴き終わったら会いに帰りたくなる珠玉のバラードだ。

●がんばりや

2016年7月発売の3rdアルバム「夢色」に収録されている「がんばりや」。

“とにかく応援したい、音楽で人を元気にしたい！”という気持ちで、自ら“チアリングソングライター”を名乗って走り続けている池田夢見らしい、ザ・応援ソング。

「ふるさと」とも通じる部分があるが、やはり彼女自身が地元・大阪を離れて夢のために上京してきたという背景が、同じような境遇の若者たちの気持ちに共感して「一緒に頑張ろうよ！」という思いを込めて歌っている部分も大きいのではないだろうか。そして、そんな歌声に励まされて奮い立たされて、若者たちはまた頑張るのだろう。

「裏をかいで人を選んでそんなめんどくさい街」だけど、そここそが「夢あるこの街」。

「がんばりや」とエールを送り続けてきた言葉が最後に「がんばるよ」に変わったのは、この曲が自分へのエールでもある証ではないだろうか。

すべての人たち、そして自分自身への力強くも優しいメッセージ。もしも、それでも頑張れそうにないときは、“ふるさと”を思えば心が強くなれるかも？

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