2000年生まれの若干19歳とは思えないような、中音域にふくよかな響きを持つ歌声の持ち主、有澤百華。ややハスキーさを感じさせる声質は、切実さをもにじませる。その声のトーンは、力を込めてまさしく「かき鳴らす」ような音を響かせるギターの音とマッチし、よりエモーショナルな雰囲気を放つ。
ギターは独学で学んだという彼女。それがギターを感情豊かに響かせることに繋がっている。綺麗な音を出せるだけではなく、時にがむしゃらさまで感じさせる。そんな独特な雰囲気のギターだからこそ、声との親和性が感じられるのだ。
元々カバー動画をあげていたこともあり、人の曲を歌って褒められるのも、うれしいことは間違いないという。だがよりうれしく感じるのは自分の曲を聞いてもらった時。今後ますます精力的に発表されていくであろうオリジナル楽曲から、目が離せない。
・有澤百華 - 理想郷
ナイフのような鋭さを持つイラストと、同じく突き刺さるような歌声やギターがマッチした一曲。そんな鋭さがまた切実さをにじませる。
「理想郷」というタイトルや「自分だけのためでもいい、無理して潰れなくていい、輝ける場所があってほしい」と歌う歌詞からは、「どんな自分でも受け入れてもらえる、受け入れられる居場所」について歌っているように感じられるが、歌詞の意味は聴く人それぞれの解釈で良いという。自分の歌ではあるけれども、聴いた人のものであってほしいというその姿勢もまた、聴く人の心に刺さる理由だ。
・有澤百華 - 群青ソース
アカペラで歌い上げる冒頭部分でまず世界に引き込まれる。ふくよかな中音域を響かせる歌声の魅力に変わりはないが、この楽曲では時に消え入りそうな弱弱しさやまっすぐ突き抜ける高音部も堪能できる。アコースティックギター1本に歌声1つ。そんなシンプルな構成であるにも関わらず最後までその世界観から逃れられないのは、そうした声の響きやギターの音の魅力のたまものだろう。
こちらの楽曲でも、「理想郷」同様に鋭さを持ったイラストを使用したMVが制作されている。
元々こうしたMVは「同い年のイラストレーターと一緒に作っていこう」という気持ちで制作がはじまったという。音楽だけでも十分な鋭さを放つがそこに映像が加わることで、より雰囲気を高めることに成功している。
YouTubeのチャンネル登録者数は3万人以上と、すでに多くの固定ファンを獲得している彼女。11月中旬にはサブサクも解禁されるとのこと。
今後は、とにかく自分の曲が広まってほしいと望む。自分の作った音楽が広く知れ渡り、誰かの行き場のない辛さや悲しみのはけ口になったり、そんな思いを抱える人たちの支えになったりしてほしいという。より有名になりたいという思いももちろんある。だが、自分の曲が誰かを前向きにさせたり、気持ちの変化をつけさせたりすることができるようにやっていきたいと語る。
存在感のある歌声とギター、両方ともに魅力があるアーティストは決して多くはない。人を引き付ける世界観の楽曲も魅力的で、これから先何かのタイアップに使われたり、ガツンとより多くのファンを獲得するきっかけを得る可能性も高い。今のうちから目をつけておいて損することないだろう。
まずは2019年12月7日に行われるワンマンライブに注目だ。
【公式HP】
https://arisawamomoka.jimdofree.com/
【Twitter】
https://twitter.com/momoka_ari_
【Instagram】
https://www.instagram.com/bump_momo_buta/
【ライブ情報】
2019/12/7(土)
有澤百華ワンマンライブ@心斎橋AtlantiQs
『ブルースストラグラー』
開場 16:30/開演 17:00
前売り/当日 ¥3,000(+1D)/¥3,500(+1D)
〇学生証提示で500円オフ
〇バンド編成アリ
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