Sabão ━━ 元Hysteric Blueの2人が描く、新たなポップワールドの魅力

1998年にメジャーデビューを果たし、2004年の解散まで邦楽メジャーシーンの最前線で活躍したバンド、Hysteric Blue。

その元メンバーであるVo.TamaとDr.楠瀬タクヤによって、「新しい表現のかたち」を求めて2011年に結成されたのが、音楽ユニットSabão（シャボン）だ。この2人以外に正規メンバーを定めず、作品ごとに様々なミュージシャンとコラボしながら独自の世界観を構築している彼らは、音楽界の第一線で培ってきたセンスと技術で多くのファンを魅了してきた。

これまでにパチンコ「CRセクシーフォールセカンドシーズン」やドラマ「イタズラなKiss〜Love in TOKYO」などとのタイアップを果たし、MVでも様々なクリエイターとコラボするなど、幅広いジャンルで活躍しながら知名度を高めてきたSabão。2018年8月22日にはHysteric Blue時代から数えてデビュー20周年を記念したアルバム「MeRISE」（ミライズ）をリリースし、その注目度は最高潮に達していると言えるだろう。

そんな彼らの楽曲を聴きながら、その魅力を体感していこう。

●春[jazz piano remix] byござ

Hysteric Blueの「春〜spring〜」といえば、1999年の邦楽シーンを代表する大ヒットソングのひとつとして記憶している方も多いのではないだろうか。

Hysteric Blue、そしてそのメンバーであるTamaと楠瀬タクヤの名前を一躍世に知らしめたこの曲は、活動20周年記念ベストアルバム「MeRISE」にて新たにアレンジされ、「Sabão ver.」「jazz piano remix」の2バージョンで収録されている。

今回紹介するこのjazz piano remixでは、流れるようなポップなメロディが、リズミックで繊細なピアノサウンドによって新しい色味に彩られている。シンプルなピアノと耳に残るメロディの組み合わせは、音楽ファンに広く知られる名曲を新鮮な気持ちで楽しませてくれる。

Sabãoの2人にとっても特別な思い入れのある曲であり、20年分のテクニックや知識、想いが込められて進化を続ける「春〜spring〜」。特にHysteric Blue時代からのファンの方は、今回のアルバムに収録されている2バージョンも是非一度聴いてみてほしい。

●‖:Repeat:‖

2016年7月にリリースされた「‖:Repeat:‖」（リピート）は、Hyesteric Blue時代からの彼らの持ち味である疾走感あふれる曲調とキャッチーなメロディに、アニソン系のノリが加わった現代的な邦楽ロックナンバーだ。アレンジメントはBiSH、BiS等のサウンドプロデューサーとして知られる松隈ケンタが担当している。

配信楽曲としてリリースされ、パチンコ「CRセクシーフォールセカンドシーズン」（豊丸産業㈱）のタイアップ曲としても注目を集めた。

Tamaのエモーショナルでストレートな歌声と楠瀬タクヤによるテクニカルなドラムプレイ、そして重厚でパワフルなサウンドが合わさって、聴き手の感情を強く揺さぶってくるこの曲。彼らの変わらない個性と、さらに磨きのかかったセンスがうかがえる一曲に仕上がっている。

●アソビ