EVERSSIC (エバーシック)は、masaya(Vo)、薫(Gt)、Daiju(Gt)、ゆづき(Ba)、ケイタ(Dr)の5人で結成されたヴィジュアル系ロックバンドだ。

元BLESSCODEのmasayaを中心に結成され、活動開始したのはなんと今年の5月。

5月12日にはリリースに先駆け、主催ライブイベント「Journey to El Dorado」を開催。お披露目と共に本格的に活動をスタート。その2日後である5月14日にファーストミニアルバム『SAIL ON MUSIC』をリリースした。

活動開始時から様々なメディアに取り上げられ、華々しいデビューを飾ったEVERSSIC。

バンド名には、“EVER”“MUSIC”“CLASSIC”のキーワードを掛け合わせ、「ずっと聴き継がれる、残る音楽」という意味を込めたという。

その名にふさわしく、彼らのバラエティに富んだ音楽はどれもキャッチーで、一度聴くと耳に残り、瞬時に記憶に焼き付いてしまうほどだ。

永遠に生きる音楽を求め、新たな旅立ちを飾ったEVERSSIC。『SAIL ON MUSIC』のリード曲と、シングル収録曲2曲を用いて、EVERSSICが打ち出す新型ヴィジュアル系ロックについて追求したいと思う。



●EVERSSIC 「SAIL AWAY」MV FULL



デビューミニアルバム『SAIL ON MUSIC』のリードナンバーである「SAIL AWAY」は、バンド始動時に作った曲とのことで、「船出」がテーマとなっている。

今後、彼らの名刺代わりとなる今作は、全編“歌モノ”の楽曲で統一されている。そう、EVERSSICはヴィジュアル系では珍しい歌モノロックバンドなのだ。

自慢のニュースタイルは「SAIL AWAY」を通して、しっかりと伝わるだろう。

AメロからBメロ、そしてサビにかけてどの部分をとっても聴きやすく、すっと耳に入ってくるのだ。

まずはこの爽やかなバンド・アンサンブル。ストレートなアプローチを崩さないリズム・セクションと爽快に駆け抜けるギターソロが交わり、耳障りな音を完全に取り除いた美しく軽やかなサウンドで統一されている。きらめきを集めたバンド・サウンドは、清々しい風を感じるような疾走感と共にリスナーの心に、希望の光を届ける。

そして、このバンド・サウンドを仕上げるのはmasayaの美しいボーカルだ。

彼の歌声は、とても軽やかに靡き、やわらかく伸びていく。

遥か広大な海を渡り、風を切って、どこまでも飛んでいってしまいそうなほど身軽で、凛々しい。この高い歌唱力があってこそ、実現したスタイルである。

ダークで妖しいヴィジュアル系という概念を覆す爽やかな楽曲と、どんな言葉もどんな音もすべて聴き取れるほど明瞭なメロディライン。良い意味でクセがなく、フラットであるからこそ、彼らの個性がぐんと際立ってくるものだ。この曲はきっと、幅広い世代の耳に受け入れられ、心に届くだろう。彼らの楽曲はヴィジュアル系ファンを越えて、多くの人に迎えられるものとなるに違いない。

また、メンバーとの決意と絆を歌った歌詞にもぜひ注目して聴いてほしい。



●EVERSSIC 「STORMY」



もちろん彼らはおしとやかなポップバンドではない。

続いては、CDショップで無料配布を行ったファーストシングル『STORMY』のリードナンバーをお聴き頂こう。

元気がない音楽シーンに嵐を巻き起こす存在になりたいというメッセージを込めて作ったという「STORMY」は、パワフルなバンド・アンサンブルで織りなすアグレッシヴなパワーナンバーだ。王道ヴィジュアル系ロックでありながらも、歌モノらしさは健在。しっかりと歌がメインとなっている。

正統派ロックサウンドを貫き、先述の楽曲に比べ全体的にヘヴィーなサウンドが牛耳っている。しかし、聴き心地の良さは抜群。

ヴィジュアル系ファンにはたまらなく痺れる楽曲になっているのはもちろん、ロックファンをも唸らせるストレートなロックミュージックとなっている。

個性を強調してややこしい一面を押し出すなど、わざわざ壁を立てる必要はない。心をさらけ出し、ナチュラルかつ素直で音を奏でること。その限りなく真っ直ぐな姿勢が、新しい波を呼び、大きな嵐を巻き起こすことになるだろう。



●EVERSSIC 「トライアングル・パラドクス」



こちらもファーストシングル『STORMY』収録曲のひとつ。

「トライアングル・パラドクス」のテーマはラブホリック。ドロドロとした三角関係を表現している。女性目線でフィクションを描くことが昔から好きというmasayaならではの詞だ。女性から見る愛を巧みに表現し、甘くて苦しい物語を描いている。

恋愛模様をなぞる艶やかなmasayaの歌声は、物語の深みを引き出し、中毒性を生み出す。

その後ろで奏でられるバンド・アンサンブルにも注目したい。

間奏では、スラップベースはときめきや苦しさで跳ねる心臓を、ヘヴィーなドラミングはとめられない恋の引力を、ユニゾンするギターソロでは燃え上がる愛をそれぞれ表現し、すべてが合わせることで“三角関係の愛”が完成するのだ。

甘美なロックサウンドも、彼らの持ち味のひとつ。遊び心がふんだんと入ったサウンドと妖艶な歌声はファンからも大人気で、ストリーミングサービス・Spotifyでの再生回数はトップを飾り、ライブでも盛り上がるナンバーだそうだ。

彼らの楽曲のポテンシャルの高さが伺える一曲となっている。



“ヴィジュアル系だから”という固定概念にとらわれず、「歌モノを流行らせたい」と新たなスタイルを目指すEVERSSIC。見た目から楽曲、言葉選び、手法。すべてにこだわることができるヴィジュアル系だからこそ求めることができる進化を、彼らは追い求め続けるのだ。

来たる来年2019年の予定もすでに決まりつつある。2019年1月4日に渋谷Star Laungeにてゆづき生誕ワンマン『ゆづば!』、2019年2月22日には高田馬場CLUB PHASEにてmasaya生誕主催 masaya birthday2019『絶唱日和』、3月5日には恵比寿club aimにて薫生誕主催『魔界』が行われる予定とのこと。3ヶ月連続生誕祭が行われるそうだ。ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。新年はEVERSSICからはじめよう。


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