研ぎ澄まされた音楽世界の中で淡い情景や物語を歌うシンガーソングライター、尾崎リノ。
大学生時代に友人のラジオで曲を披露したことをきっかけに2017年から本格的な音楽活動を始めたという尾崎リノは、
東京を中心に活動し、音楽の他に詩集など幅広い表現を手がけてきた。
ソロシンガーソングライターとしてこれまでに2作のEPを発表し、2021年8月18日には音楽集団aireziasを
編曲・プロデュースに迎えたソロプロジェクト「尾崎リノと幽霊」としてのEP「幽霊たち」をリリース。
また、ライブハウスシーンでも精力的な活動を展開しており、2021年6月にはソロワンマン「尾崎リノと幽霊」を
下北沢MOSAiCにて開催し、即完&大盛況で終えた。
現在はシンガーソングライターとしての活動の他に男女5人組ロックバンドCody・Lee(李)のメンバーとしても活躍中で、
2020年代の邦楽シーンを牽引する要注目アーティストの一人となっている。
・尾崎リノ-部屋と地球儀 (Music Video)
尾崎リノの代表曲として、YouTubeでのMV再生回数は30万回を突破している「部屋と地球儀」。
シンプルなアコースティックギターの音色と呟くような彼女の歌唱が一体になって、
窓から日差しが降り注ぐ穏やかな昼下がりのような、素朴で温かくてどこか寂しげな空気感が漂っている。
情景が鮮やかに浮かぶ歌詞は当時に共同生活を送っていた人へのメッセージも込められているそうで、
等身大の感情と言葉が、楽曲の持つ優しい雰囲気に確かな体温を注いでいる。
ポエトリーリーディングの表現が好きだという尾崎リノ。
この曲にもその表現が取り入れられていて、飾らないリアルさを感じさせてくれる。
・尾崎リノと幽霊-湾岸線 '21 feat.仲川慎之介(時速36km)
ソロプロジェクト「尾崎リノと幽霊」としてリリースした3rd EP「幽霊たち」の収録曲「湾岸線 '21」は、
ロックバンド時速36kmのボーカリスト、仲川慎之介とフューチャリングしたナンバー。
もともと尾崎リノが時速36キロの楽曲にゲストボーカルとして参加した際に、
「自身の楽曲にも中川さんにゲストボーカルとして参加してもらえないか」という提案から実現したという。
掛け合いの歌唱とミニマルなサウンドからは、夏らしい風が感じられる世界観の中にも
どこか淡く涼しげな空気が漂っていて、アンニュイな諦念を含む詞世界が心地よく感じられる。
二人の歌い手の個性と魅力が絶妙にかみ合った一曲として聴いてみてほしい。
・尾崎リノと幽霊-羊を抱く夜に(Music Video)
こちらも3rd EP「幽霊たち」に収録された楽曲「羊を抱く夜に」。
もともと2年ほど前に作ってライブでも何度か披露した楽曲を、
今回のEP制作にあたって昔からのファンへの感謝も込めて収録曲に選んだそうだ。
この曲でも尾崎リノらしい、何気ない日常の風景の中から独特の視点で見出す幻想的なストーリーが綴られている。
アコースティックサウンドも繊細にそのストーリーを彩っていて、静かに丁寧に聴き手の感情を揺さぶってくる。
時速36キロの中川とのフューチャリングやソロプロジェクト「尾崎リノと幽霊」の活動で、
他のクリエイターと一緒に作品を作り上げる楽しさに気づいたという尾崎リノ。
アーティストとして新境地を切り開いた彼女が、今後どのような表現を見せてくれるのかますます期待が高まる。
まずは最新作「幽霊たち」を聴いて、尾崎リノの最新形を体感してみよう。