関西を拠点に活動するスリーピースロックバンド・aivolic。
2008年4月に結成。メンバー脱退と加入を経て、現在は望月 草介(Vo&Gt)、鷲尾 宙也(Ba&Cho)、高原尚斗(Dr&Cho)の3人で活動している。
2013年3月に会場盤としてシングルをリリースし、即完売。勢いをそのままに、同年6月にファーストミニアルバム『たとえばあなたの優しさに包まれて』で全国デビューを果たす。
その後もファーストシングル『涙がとまらない夜に』のリリースや、全国ツアーの成功を重ねるも、メンバー脱退により2016年4月のワンマン公演をもって活動休止を迎える。
約1年の休止を挟み、2017年1月、会場限定盤『この世界の始まり』のリリースと共に、満を持してaivolicは再び音楽シーンへ戻ってきた。
その後、自主企画イベント“aiFes”を開催。大盛況のまま、今年4月には第二弾を開催し、ソールドアウトさせた。
バンドとして様々な苦難を乗り越えてきたaivolicだが、音楽へ売った魂に揺らぎはなかった。その情熱が、彼らを待ち続けたファンの心を今も震わせているのだ。
荒波を乗り越え、辿りついたaivolicの音楽。それは、孤独や苦悩を包み隠さず歌うストレートなロックチューンに宿る、確かな希望である。
9月5日にリリースされた結成10周年にして初のフルアルバムとなる『encore』を通して、aivolicの音楽に秘められた希望に触れてみたいと思う。
●aivolic "アンコール" (Official Music Video)
まずは、今作のタイトルナンバー「アンコール」をお聴き頂こう。
クリアに道筋を刻むタイトなドラミングに、心の揺れを躍動感とともに描くベースライン、シンプルなリフから印象的なソロまで変幻自在のギター。三人だからこその音の明瞭さを上手く活かし、華やかながらもシンプルかつストレートなアプローチで描くところが、実にaivolicらしい。
そして何といっても、望月によるボーカル。崩れかけた自分から、未来へ向かって這い上がる歌詞を、彼の優しげな歌声が力強く押し出す。しかし、決して押し売りではない。望月はその声色のまま、キャッチボールをするかのように気持ちをふわりと投げてくるのだ。
「まだ見ぬ明日の自分へのアンコールを」という印象的なフレーズがある。“誰かの何かを変えさせたい”のではなく、“自分を変えたい”という目線であるからこそ、空想の希望の押し売りに終わらず、より現実的な希望を感じることができる。荒波の中生きてきた自分たちを例に、「諦めなければ未来へ繋がるんだよ」と、そう人生を交えて、伝えてくれるように。
現実に潜む悲しみや喜びを、望月のハスキーな歌声がまるく、やわらかく歌う。リスナーを日常のしがらみから救い出す。そんな力が、彼の歌声には秘められている。
「アンコール」は、生きる上で出会う喜びや悲しみを真っ直ぐに綴り、リスナーの心へ届けたいと、つくられたという今作を象徴するのにぴったりの一曲となっている。
彼らの魅力を活かすアップチューンなナンバーをメインに、12曲収録という大ボリュームの『encore』。
結成当初からの定番曲である「たとえばあなたの優しさに包まれて」をはじめ、既存曲もすべて現メンバーで再度録り直し、収録しているという。
日常から見える現実を歌うフレーズ、アグレッシヴなバンド・アンサンブル。すべての楽曲ともに統一性があり、“これぞaivolicだ”と世界へ届ける名刺代わりとなる作品となっているだろう。
また、ラストナンバーを「何気ない日常」というタイトルで締めくくるのも、彼ららしい。
現実社会で闘い、生きるしかない自分たち。みんな職業や環境が違えど、現実というフィールドに差はない。だからこそ、同じ希望を感じることができる。
彼らは力強く、そしてどこまでも真っ直ぐに音を掻き鳴らし、日常の最中に見える希望を信じようとしている。それこそがリスナーにとって勇気となり、希望となるのだ。
今日を捨てることなく、明日へアンコールする。その大切さを、aivolicは訴えているのだ。
現在も関西を中心に、名古屋や東京でもライブ活動を展開するaivolic。
12月1日には大阪・福島2nd LINEにて『encore』リリースツアーのファイナルが行われるという。その他にもライブも多数出演予定だ。
ぜひ今作をいち早くチェックして、ライブへ足を運んでほしいと思う。
その他詳しい詳細はホームページにて随時更新とのこと。ぜひともチェックしてみてほしい。
【Twitter】https://twitter.com/aivolic