宮崎県出身の4人組ギターロックバンドRadicalism(ラディカリズム)。
「忘れたものを想い起こす瞬間を」をモットーに、2011年、ボーカル・令を中心に結成。
その後幾度かのメンバーチェンジを経て2018年より令(Vo&Gt)、平 達彦(Gt)、ヨシダ マサト(Ba)、鈴木 遼(Dr)の4名で活動している。
関東や東北を中心に、関西方面でもライブを行ってきたという彼らだが、中でも彼らにとって大きい出来事となったのは2016年のことである。
Eggs主催によるオーディションを勝ち抜き、Mr.ChildrenやBank Band、ACIDMAN等の人気アーティストが出演した“ap bank fes 2016”に出演。地元宮城県・石巻市にて行われた大規模イベントにて、渾身のパフォーマンスを披露し、多くのリスナーを惹きつけた。
また、今年9月にリリースされた最新シングル『向日葵が枯れる前に』リリースの際には、Ivy to Fraudulent Game、CIVILIAN、Brian the Sun等のメジャーアーティストがコメントを寄せ、音楽関係者やアーティストたちからも高い評価を受けている。
様々な情景を想起させる純文学的な歌詞、それを乗せた美しくキャッチーなメロディー、複雑に絡み合う、時に感情的なギターサウンドがあなたの心を穿つ。
過激主義という意味の反面、急進主義という意味を併せ持つ“Radicalism”という単語が、バンドのコンセプトとも一致するということで、バンド名にしたという。
●Radicalism 「Good bye, kyanos」 (Official Music Video)
こちらはセカンドEP『lasting past』のラストナンバーを飾る「Good bye, kyanos」。
今楽曲はベースのヨシダが曲作りを担当し、10代の友情がテーマとなっている。
春風の如く爽やかに駆け抜けるメロディーと、変拍子で繰り広げるテクニカルなフレーズが、独特な世界観を生んでいる。
宮城県石巻市に住んでいたというヨシダが、親友が上京してしまった時の寂しさを歌にしたということもあり、歌詞では愛おしい過去と離れ離れになる悲しみが描かれている。
ノスタルジアな空気をかもす令の歌声が、全身全霊で“さよなら”を歌うのが、とびきり切ない一曲だ。
メロディアスなフレーズが、ストーリー性の強い彼らの楽曲の世界に導いていく。
特に、馳せる思いを描くようなギターソロは、鋭利な閃光を走らせ、曲の持つ真っ直ぐな想いを表現しているようだった。
歌詞からメロまで1人が作り、デモ段階からバンド・サウンドを構築することが、Radicalismの曲作りの方針だという。
そうすることで、メロディと詞にズレがなくなり、楽曲の統一感も生まれる。それぞれの楽曲による世界観が確立するのだ。
曲作りを主に担当するベース・ヨシダは詞先、ボーカル・令は曲先とそれぞれ違うスタンスで挑むからこそ、彼らの楽曲にはバリエーションが豊富なのである。
●Radicalism 「向日葵が枯れる前に」 (Official Music Video)
セカンドシングル『向日葵が枯れる前に』のリードトラックである今楽曲は、バンドとして今一番聴いてほしい楽曲だという。
今楽曲のテーマは「別れ」。忘れることに対する痛切なメッセージを込めたという今楽曲は、甘酸っぱい青春を壮大に描いている。
今までの疾走感あるメロディはそのままに、よりエモーショナルに開花したアプローチは、アグレッシブかつ潔い。
純正なギターロック・サウンドから、空間を揺らすシューゲイズサウンドまでアプローチが幅広くなったことで、世界観がより明確に広がったといえよう。
曲展開も華やかになり、曲後半にかけてドラマチックに、ダイナミックに盛り上がっていくのが、たまらなく気持ち良い。
そして、なんといっても曲最後の壮絶なるノイズ・サウンド。儚げなサウンド・スケープを見せるいとおしい記憶が走馬灯のように駆け抜けていく様を描いているようだ。
尊い思い出、ゆれる恋心、終わる夏。青春の甘酸っぱさを彷彿とさせるキーワードとともに、夏という絶好のロケーションをもとに、“さよなら”を悲しく美しく表現した曲で、今の彼らのポテンシャルの高さが焼き付いた渾身の一曲となっている。
忘れたものを想起させ、その悲しく美しい姿を音楽として蘇らせるRadicalism。
彼らの音楽がある限り、甘酸っぱい青春は終わらない。そして淡い憧れの記憶として、私たちは再び出会うことができる。忘れてはいけないものを、彼らは教えてくれるのだ。
年末には名古屋、東京とライブを控えており、まだまだ彼らの活動は止まらない。
年収めは、Radicalismのライブで過ごすというのはいかがだろうか?
【Twitter】https://twitter.com/radica_official
【ライブ情報】
12/28 名古屋新栄SiX-DOG
12/29 下北沢MOSAiC