四国、愛媛県松山市出身、19歳で上京してギター一本を片手に活動を続けてきたシンガーソングライター、阿部浩二。
世界中を旅し、現在は東京を拠点に活動している彼は、ライブハウスはもちろん、ストリートでも毎日のように歌い続けている。ライブ遠征では主にヒッチハイクで移動するなど、その活動スタイルはまさに“旅する歌うたい”と言えるだろう。
これまで手売りで販売してきた自主制作CDは6000枚以上。CDの売り上げと投げ銭のみで生活をしているという彼は、「音楽で食っていく」という生き方の、大手レーベルに頼らないひとつのかたちを体現している。
そんな彼の人柄が表れた楽曲たちは、飾らない言葉と素朴なメロディが合わさることで、じんわりと心に染み入るストーリーを生み出してきた。その音楽への支持は一歩一歩着実に広まり、これまで「吉祥寺STAR PINE’S CAFE」や「代官山 晴れたら空に豆まいて」、「池袋 鈴ん小屋」など、数々のライブハウス・ライブスペースでのワンマンライブをソールドさせている。
地続きの活動が2018年に大きく花開き、1月にはTAIL RACORDから初の全国流通盤CDをリリース、初のホールワンマンライブも大成功させた阿部浩二。圧倒的な「歌」の良さがあるからこそ、彼はギター一本でここまでの道のりを歩き切ったのだろう。
・夢のあとしまつ
阿部浩二の代表曲のひとつ「夢のあとしまつ」では、彼の歌がもつ圧倒的なパワーと、そこに込められた熱い感情を体感できる。
「夢を追う」という、多くの人が挑戦し、苦悩し、諦めて離れていく行為。その裏には一人ひとりのリアルな葛藤があり、ドラマがある。そしてそれは、阿部浩二にとっても同じだろう。この曲ではそんな「夢」について、彼自身の生々しいストーリーが描かれる。
思うようにいかず諦めかけ、それでもしがみついて、まるで「夢を追う」という若い日々のあとしまつをするような日々。酸いも甘いも経験してきた彼だからこそ、強い説得力をもってその言葉が響いてくる。
このストーリーは彼自身のものだが、誰もが共感できる部分があるのではないだろうか。
・大学芋
「大学芋」というかわいらしいタイトルで、「大学生」という独特の生き物について歌ったこの曲。コミカルな歌詞のストーリーが、軽快さを生み出している。
自堕落で自由気ままな大学生の日常を歌いながらも、そこには自分への小さな焦燥感、このまま平凡な大人になっていくということへの静かな不安が挟まれる。そんな心情を描きながらも、なんとなく生きていく大多数の人生のように、何事もなく曲が終わっていくのが妙にリアルだ。
さりげない物語の中に、はっとさせられるメッセージを忍ばせたこの曲。この地に足の着いた世界観こそが、阿部浩二の楽曲が多くの人に受け入れられてきた最大の理由だろう。
・遮光カーテン
「遮光カーテン」は、弥生会計のCMソングに抜てきされるなど、阿部浩二の中でも特に広く聴かれてきた一曲だ。その中には、彼の曲の中でも特に彼自身が生々しく刻まれている。
夢を追い、大人になり切れず、そもそも大人になるとは何か悩み、冷たく温かい社会に飲まれて生きてきた一人の歌うたい。その不器用さが時に彼を苦しめ、その純粋さが時に多くの人の心に届いて来た。
「遮光カーテンから漏れ出す光 睨みつけて眠りにつく」。
普通の生活とは真逆のその行動には、普通とは違いながらも、自分らしい生き方を続ける彼の人生が端的に表れているようだ。
阿部浩二の歌が多くの人に響くのは、彼の生き方そのものが、壮大で素朴なストーリーになっているからではないだろうか。そして、彼のそんなストーリーが真っすぐに描かれるからこそ、その楽曲は誰もが共感できる温かさを帯びているように思える。
2019年4月10日には、東京の赤坂BLITZでのワンマンライブを控えている彼。ソロ活動10周年を記念し、33歳の誕生日を祝う場もあるこの大舞台は、阿部浩二の人生のひとつの節目となる。
ぜひ足を運んで、彼の人生というストーリーに刻まれる大きなエピソードを目撃してみてほしい。
【公式HP】http://ucoa.web.fc2.com/
【Twitter】https://twitter.com/koujiabe1986
【イベント情報】
阿部浩二ソロ活動10周年&バースデーワンマンライブ
2019年4月10日(水曜)
東京 赤坂BLITZ(マイナビBLITZ赤坂)
Open 18:30 / Start 19:30
前売 3,000 / 当日 3,500
※高校以下入場無料(+1ドリンク)