奈良県を拠点に活動する一人バンド、ARSKN。
一風変わったバンド名の読み方は「アルソコニ」だ。RY0N4の一人バンド体制で、彼が独特のサウンドや世界観まで全てを作り出している。
奏でられる音楽のベースに感じられるのは90年代に世界を席捲したグランジだ。ニルヴァーナに代表される、重くてダークなサウンドをパンクにかき鳴らす音楽。そんな音楽の中に、日本人らしいポップさを加えた独特なバランスが、ARSKNの魅力だ。
声質は比較的にポップで、すんなりと耳に馴染む。しかしサウンドだけ聞いていると完全に洋楽で、日本の音楽らしい雰囲気はほとんどない。その非国籍感が、独特なバランスを生んでいる。
そんなバランス感やファズが効いたハードなギターサウンドに魅せられた人々から賞賛を浴びる、要注目の存在だ。
・ARSKN(アルソコニ)/HELLS[MV]
ダークな雰囲気が強いバンドサウンドに、「健康になりたい、でもなんか死にたい」という独特の矛盾を抱える歌詞世界。やはりここにも個性あるバランス感覚を覚える。
そんなバランス感覚は、映像世界にも反映されている。重たいサウンドの楽曲であるにも関わらず、MV撮影地に採用されているのは地元奈良県の生駒山上遊園地。遊園地なので当然目に入ってくる映像の色彩はピンクや黄色などのポップさを強く感じるカラーになる。しかしそのうえで奏でられるのは暗く重たいサウンドだ。それが不気味さを感じさせる。
・No know(ARSKN) × OK/NORMAL[PV]
空間の多さを感じる、余白を活かした楽曲。「お前に何がわかる」「俺には何かわかる」と歌う冒頭部、ギターもドラムも大ぶりで音数を詰めず、余白たっぷりだ。しかしそのサウンドの余白が、ギターやドラムのサウンドの重さをさらに引き出している。
もちろんこうした余白はずっと続くわけではない。爆発前夜のようにずっと不気味に鳴り響いていた余白たっぷりのサウンドは、突然爆発する。ドラムとギターでしっかりと余白が埋められるようになった瞬間、それまでの反動でその音の渦に気持ちよくのめり込める。
MVは、インディーゲームの製作をしている98DEMAKE氏の開発したOK/NORMALというゲームとのコラボレーション。古き良き時代のゲームの雰囲気と、ダークなサウンドとの親和性の高さが感じられる仕上がりだ。
・ARSKN(アルソコニ)/TOUSOU[MV]
暗く重たいサウンドであるという根本的な部分には変わりはないものの、このTOUSOUという楽曲は比較的にポップだ。まず冒頭、重たいサウンドに乗せて気持ちの良いコーラスが入る。
2017年6月25日リリースのアルバムタイトルにもなった楽曲で、MVはRY0N4が好きだというB級ホラー映画を意識したものが作成された。「逃げ出したい」と歌う歌詞世界と、そんなホラー感のある映像は、彼の作り出すダークなグランジサウンドをしっかりと感じられる一曲だ。
奈良出身のAgeFactoryやLostAgeと仲が良く、今後はクリエイターチームHEAVENで活動していく予定だという。彼らの今後の動き出しは是非インスタグラムをチェックしてほしい。ますます世界観の表現方法が増していき、注目を集める機会も増えていくだろう。
ヘビーなサウンドというのは、ライブでこそより体感できるもの。ダークで重たいサウンドが特徴のARSKNの音も、ライブではより芯に響く。さらに注目が集まり、その機会を得づらくなる前にライブに足を運んでみるのも得策だ。
ARSKN
【Twitter】
https://twitter.com/AR_SKN
【Instagram】
https://www.instagram.com/ry0_n4/
HEAVEN
【Instagram】
https://www.instagram.com/heaven_2020_/
【ライブ情報】
2019/12/7(土)
開演：18:30～ (開場 18:00～)
＠福島LIVE SQUARE 2nd LINE （大阪府）
Act : あっこゴリラ/あふりらんぽ/ARSKN
Live Painting:透明回線
【DJ】DJ KiM
2019/12/15(日)
開演：18:00～ (開場 17:30～)
＠SOCORE FACTORY （大阪府）
Act : YEN/No Buses/Mississippi Khaki Hair
Lil Soft Tennis/the McFaddin/ARSKN
SHOP：HOLIDAY! RECORDS
2019/12/27(金)
開演：18:00～ (開場 16:30～)
＠奈良ネバーランド （奈良県）
Act : Age Factory/RY0N4(ARSKN)/ENTH/LIL SOFT TENNIS
【DJ】nerdwitchkomugichan
