まるでブルースやソウルを歌っているかのような、「濃い」歌声で見るものを魅了するシンガーソングライター。それが星乃馨(ホシノカオル)というアーティストだ。
音楽を始めたきっかけは、家族や周囲に感じていた劣等感にある。もし歌を極めたらそんな劣等感を抱く弱い自分を変えられるのではないかという思いから、歌の習得に励んだ。
その時影響を受けたのがブラックミュージックなどで聴くことができるパワフルな女性ボーカル。弱い気持ちを吐き出すのに、パワフルな歌声は相性が良かった。
押し入れで布団をかぶりながらパワフルな歌を練習する日々の中で、唯一無二の個性あるボーカルを身につけていった。今の歌唱にもそうしたルーツの影響を色濃く感じることができる。
こうした努力の日々の中で身に着けてきたものを活かし、今ではシンガーソングライターだけではなくボーカル講師としても活躍する彼女。もともと持っていた声質の良さに加え、講師を務めることができるだけの高いテクニックも身についているので、歌声一つで多くの人を引き付ける。
・星乃馨 - 「夢見酒」@京橋セブンデイズ
ブルージーにかき鳴らすギターと、パワフルでブラックミュージックを思わせるような歌声の調和が気持ちいい一曲。まるで自分がヴィンテージ感のあるバーにトリップしているかのような、古き良き時代にタイムスリップしてしまったかのような感覚に陥る。
2018年1月のライブ映像からの楽曲だが、ギター1本プラス自分の歌声というシンプルな構成とは思えないような音の厚みがある。その理由は圧倒的な表現力の歌声だ。
この楽曲では時折あえてしゃがれを強く意識して歌うなどテクニックの高さも発揮している。それがソウルフルで粘り濃い歌声につながり、まるでウイスキーのようなインパクトを与えている。
難しいことを抜きにして気持ちの良い音楽に浸りたい人にも、テクニックの高い音楽に酔いしれたい人にもしっくりくるナンバーだ。
少しだけ味わうことができるライブならではのMCからは、ライブ会場での雰囲気作りの良さが伝わる。そんな雰囲気作りの上手さもまた、自分をトリップさせてくれる材料の一つだ。
曲を制作する際には、まず楽曲のイメージを作り、それに沿って物語を作っていく。世界観に入り込めるような楽曲の根源は、そこにある。もともと小説の方が好きだが、漫画の方が影響をうける、ストックしたくなるようなパンチラインが多いという。そこに影響を受けているということも、入り込みやすさに繋がっているだろう。
ライブ活動は月に10本前後。東京を中心に、各地で行っている。2018年10月にはBSテレビ東京の番組にて大々的に取り上げられるなど、最近ますます注目を集め始めている彼女。今のうちに、生の歌声に酔いしれに行ってみるのが良いだろう。
【公式HP】
https://kaoruhoshino.jimdo.com/
【Twitter】
https://twitter.com/kaoruhoshino
【ライブ情報】
「星乃馨企画-歳末ノ乱- 」
日程:2019年12月20日(金)
会場:浅草Gold Sounds
開場:18:30
開演:19:00 前売:2,500円(+1drink代必要)
当日:3,000円(+1drink代必要)
出演:星乃馨/安藤匠/THE☆☆☆長谷川大輔/松岡美穂(daTTTo) /倉沢よしえ
住所:〒111-0043 東京都台東区駒形1-3-8 ベッコアメ浅草ビルB1F
電話:03-5827-1234