埼玉県川越出身のラッパー、焚巻。

2011年にラッパーの「RAIZEN」が設立したレーベル、「HUMANMUSIC」に所属。池袋に根を張る活動をしているアーティストのリリースを行うHUMANMUSICは、ただの音楽レーベルではなく、デザイナーやビデオディレクター、パフォーマー、アパレルなども抱える一つのチーム。池袋のドアーというクラブからラッパー人生がスタートした焚巻も、そんなHUMANMUSICを母体にして外に発信している。
14歳からラップをはじめ、19歳の時に池袋BEDで行われていた「3on3MCBATTLE」で優勝。その後も「U.M.B埼玉予選」で優勝を飾ったり、2018年にはフリースタイルダンジョンに出演し、当時初めてラスボス般若のもとにたどり着いた挑戦者になったりするなど、フリースタイルに定評がある焚巻。だが評価されているのはフリースタイルだけではない。そのリズミックでグルーヴ感のあるラップは、音源でも高い評価を得ている。その証拠に客演として参加することも多い。
活動の幅も広い彼。たとえばオリエンタルラジオ率いる「RADIO FISH」の作品に参加したこともあったり、ダンサーやビート・ボクサーとのセッション・ライヴをおこなったり、地元の仲間でもあるプロ・スノーボーダーの「BROWN RATS」に音源提供したりすることもあった。
2017年には1stアルバム「Life is Wonder」をリリース。その翌年には2ndアルバム「ONEDAY ONETIME」を発売。さらに2019年12月4日には「HUMANITY」COMA-CHI&RITTO&焚巻がリリースされるなど、ここにきてますますリリースが活発になってきているラッパーだ。




・焚巻 – 2nd Album「ONEDAY ONETIME」Release Party @池袋bed 




2018年に発売された2ndアルバム「ONEDAY ONETIME」のリリースパーティーの映像だ。 

思い入れのある池袋bedが閉店すると決まったときに行われたライブということもあって、≪各地でいろんなクラブがつぶれてくところも見てきました≫≪だけどこうやつてみんなの笑い声があったら、bedの内側の人間もそれが活力になってる≫≪ドラッグよりもさらに飛ぶことが出来ると思うんすよ≫と、熱いフリースタイルを聴かせてくれている。焚巻の思いを詰め込んだラップは、ともすれば怖いと思われてしまったりするHIPHOPに対しての一般的なイメージを覆すほどの真摯な姿勢が感じられる。
そんな熱いラップが、フリースタイルでありながら圧倒的に聞き取りやすい発声で行われている点にも注目だ。そんなところからも高いスキルを持ったラッパーであることが分かる。
途中からのライブ映像でのチル感の高さ、揺れられるムードも気持ちよい。




・焚巻 – 「トウキョウジャズ」feat.輪入道 (Prod. FReECOol) 




トウキョウジャズというタイトル通りジャジーなムードのトラックが印象的なこの曲は、同い年だという輪入道とfeat.した楽曲だ。 

お互い名前は知っていたけど近づくことはなかった存在だったという2人。しかし活動を重ねていくうちに顔を合わせることになっていった。そんな2人がコラボしたのは、自身も「自分の名義の中で輪入道に参加してもらうことによって、違った側面を見せていくという趣旨からできた曲。」と語っている通り、「ネクストの自分たちを見せたい」という思いがあったからだ。
もう一つ、「躍らせる曲を作ろう」というコンセプトもあったというこの曲には、思わず頭を揺らしたくなってしまうようなノリの良さもある。決して早いBPMではないのに、抜群に踊れる一曲だ。




・焚巻 – 「Humanity」COMA-CHI & RITTO & 焚巻 (Prod.FReECOol) 




2019年12月4日にリリースされた最新作「Humanity」からの表題曲。アルバムタイトル、先行曲、ユニット名全てが「Humanity」ということもあって、アルバムの中でも特に印象的な曲だといえる。 

日本を代表するフィメールラッパー「COMA-CHI」、沖縄シーンの代表格「RITTO」という確かな実力者をそろえたユニットというだけあって、それぞれがそれぞれに存在感を発揮していて、雰囲気は抜群に良い。壮大でドキドキするような神秘性を感じるトラックも、3人のラップとすごくマッチしている。
沖縄に10日間滞在して撮影されたというMVも、壮大さと神秘性を感じさせる、楽曲との親和性が高いMVとなっている。音源と映像をあわせて堪能することによって、より入り込めるだろう。



確かなスキルと高い音楽性を持つ焚巻。フリースタイルでも音源でも勝負できるこのラッパーは、HIPHOPが一つの文化として定着しかけている今のシーンにおいて、間違いなく要注目の存在だ。 

作品はSpotifyなどでも配信されているのでまずはそこから漁ってみるというのも良いだろう。




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