framboise 高いスキルと息の合った演奏で連弾の世界に引き込むピアノデュオ

都内を中心に活動しているピアノ連弾デュオ、framboise（フランボワーズ）。

同じ音楽教室でピアノ講師をしているという「遠藤夏季」と「中川彩」が、講師演奏で連弾をしたことをきっかけに、2015年6月に結成。同年12月ごろから本格的に活動をスタートした。

以降、第17回大阪国際音楽コンクール連弾部門にて「最高位」を受賞したり、第5回寝屋川市アルカスピアノコンクール1台4手連弾グランプリ部門にて「グランプリ」さらに「寝屋川市長賞」を受賞するなど、輝かしい実績を残している。

それぞれ「東京音楽大学音楽学部器楽学科卒業」、「フェリス女学院大学音楽学部演奏学科卒業」という彼女たちだけあって、YouTubeチャンネルには多数のクラシック曲がアップされているが、その中にはオリジナル楽曲もある。ファンには「オリジナル楽曲を聴きたい」といわれることも多く、今後はオリジナル曲も増やしていきたいという。

2016年5月には初めてのリサイタルで1stアルバムを発売。翌2017年5月に2ndアルバム「Dahlia」をリリース。そしてこの2020年1月にはメジャーデビューアルバム「Enchantée!」を発売するなど、今まさにどんどんステージを駆け上がっている二人組だ。

・ピアノ五重奏曲第1番作品1 全楽章(連弾)/ドホナーニ Piano Quintet Op. 1(4hands)/Dohnanyi

2020年1月25日(土)に行われたメジャーデビューアルバム「Enchantée!」のCDデビューリサイタルから、同アルバムのメインとなっている曲の演奏模様だ。全楽章を演奏しているのは日本人で初めてだという。

タイトルからも分かる通り、この楽曲は「ピアノ五重奏」用の楽曲。そのためコンクールなどで演奏されることがあっても、5人での演奏が常だったという。それを「連弾でやっている人がいなかったのでやってみよう」と思い、実現。

連弾ということもあって当然弾いているのは2人だが、実際に5人いるのではないかと思われるほどの音圧と手数だ。それでいて、全くと言っていいほどリズムにもタッチにもずれがなく、いかに二人の相性が良いかが感じられる。まさに圧巻のライブ映像。

・2つのロシアの主題によるコンチェルティーノ(連弾)/ローゼンブラット Concertino on 2 russian themes(4hands)/A. Rosenblatt

第17回大阪国際音楽コンクール連弾部門、また第5回寝屋川市アルカスピアノコンクール1台4手連弾グランプリ部門において演奏し、それぞれ「最高位」と「グランプリ」「寝屋川市長賞」を受賞した1曲。ハイレベルなコンクールにおいてグランプリや最高位を受賞するような楽曲だけあって、連弾ならではの技巧が盛り込まれているのが印象的。そんな高いスキルを要求されるような楽曲であっても、当然ながらしっかりと弾ききっている。

また、ただフレーズをしっかりと弾くというだけではなく、ここでも二人のリズムにずれは見られない。技巧的なフレーズを弾く際には、それに集中しすぎてリズムが乱れることもあるものだが、彼女たちはそんなことが起こらないほど高いスキルを持っているのだと分かる。

・framboise – ARDEUR(オリジナル曲)

framboiseのオリジナル楽曲である「ARDEUR」。クラシカルな響きを感じる荘厳さは多少残しながらも、ぐっとメジャーな雰囲気で作られているこの曲。主旋律は極めてポップなメロディーながら、リズムパートのたたき方やキメの入れ方などによって、ロックテイストにも感じられる。そんなポップでロックなムードが、楽曲に明るさをもたらし、メジャー感を強くしているといえるだろう。

ただそんな明るくポップな曲の中にも、ハイレベルなスキルを感じさせるようなフレーズは高音部・低音部ともに見られる。それが楽曲に適度な緊張感をもたらしていて、聴いていると気が引き締まり、頑張ろうという気持ちになれる。

またこの曲は、ティアフォーという自動運転の会社のプロモーションビデオにも採用されている。ティアフォーの車は、東京パラリンピックで公開される車になる予定だという。

【AISAN　TECHNOLOGY×ITS】　自動運転が当たり前の、近い未来の風景