ボーカル「真緒」とギター「美月」の2名からなる音楽ユニット、The THIRTEEN。
物語は2016年3月7日、謎のオフィシャルサイトをオープンしたところから始まる。サイト上には13日のカウントダウンが表示されるだけ。そこから1日ずつカウントダウンは進み、迎えた3月20日。真緒と美月というメンバーの正体とライヴ&リリース情報が明らかになった。ボーカル・真緒とギター・美月は元々バンド「Sadie」のメンバー。そんなSadieの活動休止後にスタートしたプロジェクトが、このThe THIRTEENだったのだ。
The THIRTEENのサウンドの大きな特徴は、その幅の広さと展開の妙にある。ヘビーメタルやハードコアのような激しく重たいサウンドを基軸にしながらも、時に疾走感の高いギターロックの要素も感じさせ、時にオルタナティブロックさながらのエモーショナルなサウンドを聴かせる。そんな幅広い楽曲たちが、思いもよらない展開で進んでいくのだ。また、デスボイスとキャッチーなメロディーで織り成すメロディー展開も、一つの特徴だといえるだろう。
2016年5月には早くも1stフルアルバム「PANDEMIC」を発売。その後もシングルやEP、さらにアンプラグドシングルなどのリリースを重ね、この2020年1月、待望の2ndフルアルバム「ENIGMA」をリリースした。さらに5月9日には2nd アンプラグドシングル「SILENCE VOLUME Ⅱ」を発表。そんな積極的なリリースのもと、再度注目度が高まっている音楽ユニットだ。
・The THIRTEEN / karma-カルマ- (Music Video FULL Ver.)
激しく重たいサウンドでずんずんと突き進むこの曲。特徴的なのは、やはり展開の面白さだ。
自身でも「メタルやラウドの要素もあるキャッチーな曲の中で、場面展開が多い」と語っているように、1曲の中で様々な展開がある。
大きいところでいえば1分17秒までと1分18秒からでは全然違う曲のように急激に展開が変わるし、1分36秒までと37秒から先でもまたぐっと展開が変わる。そしてそのあとでまたぐっとサウンドが落ち着いたりと、とにかく飽きさせないのだ。
もっと小さいところでいえば、0分21秒までと22秒以降の、インストゥルメンタルなイントロなのにフレーズ・展開が変わるというところも面白い。そんな展開に、細かく注目しながら聴いてもらいたい1曲。
・The THIRTEEN / Lament (Music Video FULL Ver.)
「The THIRTEENのエモーショナルな部分が出せた1曲になります。」という1曲。
その言葉通り、冒頭の抑えられたイントロやメロディーがすごくセンチメンタルで感情的。ヘビーで重たいサウンドが入ってきてからも、それぞれの楽器の音がすごくエモーショナルで、「karma-カルマ-」とはまた違った魅力を感じることが出来るだろう。
最初から最後までずっとメロディーが美しいという点も特筆すべきポイント。この楽曲ではデスボイスは鳴りを潜め、とにかく最後まで聴き応え抜群の歌を聴かせる。サビで存分に堪能できるファルセットも気持ち良い。「音楽を聴く際にはとにかく歌をしっかり堪能したい」という人にお勧めしたい1曲だ。
・The THIRTEEN / アリア -Aria- (Music Video FULL Ver.)
「自分たちの世界観をさらに深く表現できた一曲」というこの楽曲からは、その言葉通り極めてオリジナリティの高いムードが感じられる。まず冒頭、ゲーム音楽や映画のサウンドトラックのような美しい音色に包まれたかと思えば、激しく重たいサウンドと、ゴシックな響きのするオルガンのようなサウンドで覆われる。そして直後、ダークでクラシカルなコーラスが入り、そのあとでフラメンコのようなギターフレーズが続く。このようにやはり展開が面白い楽曲であるが、その深度が明らかに増しているのだ。
もちろん耳馴染みの良いメロディーや、そんな綺麗なメロディーとデスボイスの絡みなどの特徴も失われていない。まさしく冒頭の言葉にこの楽曲の魅力が集約されているだろう。
今はとにかく「作品を届けていきたい」というThe THIRTEEN。どんどん研ぎ澄まされていき、ますます高いオリジナリティを発揮する彼らなので、次の作品が楽しみになる。
SNSやHPなどでしっかりと情報を追いかけ続け、いち早く次の作品を聴いていただきたい。
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